2003 年 10 月の履歴(もしくは日誌)


2003 年 10 月


















10 月 5 日 技

画像のメタデータと pheed と RSS

myblog.jp 最新記事一覧で,「C O U L D: 写真家用のRSS」という記事を発見し,pheed の事を知りました.

C O U L D: 写真家用のRSS から引用します:

確かにこれがデータベースとして蓄積されたら、Googleのイメージ検索より正確に見たい写真にたどり着くかもしれませんね。

RSSといえば、ニュースのような常にフレッシュな情報を提供しているサイトに有効なフォーマットというイメージがありますが、いろいろな使い方があるのだなと感じました。

引用終わり.

現在は,Internet で適当に画像を公開しても,画像を検索エンジンでうまく検索するのは難しいですよね.それは画像ファイルに対して、メタデータを用意することで解決できると思うのです.メタデータを用意する方法はいろいろ提案されているみたいですが,pheed も良さそうですね.

RSS のいろいろな応用っていうことでは,神崎さんも言及されていました.

この中の RSSを使った、さまざまなメタデータの連動から引用します:

RSS はサイトの更新情報の配信だけでなく、さまざまなメタデータを組み合わせて提供するコンテナとしての可能性を秘めています。日付データと地理データを媒介に、いろいろなメタデータを連動させると面白いと考えています。

引用終わり.

神崎さんはデジタルカメラで撮影した画像ファイルの EXIF データを RDF として記述する方法を提案されていて,それが RDFの応用などを協議する RDF-IG で標準スキーマの候補となっているそうです.ぼくは,これがまとまるのがとても楽しみです.

それで,pheed ですが,RSS 2.0 の拡張となっています.RSS には RDF の応用の RSS 1.0 と,RDF の応用ではない,RSS 0.9x と 2.0 があります.pheed は RSS 2.0 の拡張なので RDF の応用ではありません.
pheed では,Dublin Core の使い方の提案が面白いなって思ったのですが,Dublin Core は pheed 独自のものではありません.Dublin Core の部分は一部を省略して pheed の item 要素の例を下に示します.接頭辞 photo は http://www.pheed.com/pheed/ に関連付けられています.

<item>
    <title>出発の朝</title>
    <link>
    http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/?DSCN2800.JPG
    </link>
    <description>駅から出発です.</description>
    <dc:creator>ONO Hiroki</dc:creator>
    <dc:rights>Copyright 2003 ONO Hiroki</dc:rights>
    <photo:imgsrc>
    http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/DSCN2800.JPG
    </photo:imgsrc>
    <photo:thumbnail>
    http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/thumbnail/DSCN2800.JPG
    </photo:thumbnail>
</item>

分かりづらいですが,http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/?DSCN2800.JPG は web ページへの URI で,http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/DSCN2800.JPG が画像ファイルの URI です.「?」が入るか入らないかの違いです.例としてはどうかと思いましたが,ぼくのところのシステムがそうしちゃっているんで.

これで,RSS 2.0 なら,title や descripton や dc:creator や dc:rights は,link 要素が示すリソース,この場合は web ページについてのメタデータになるんです.ところが,pheed として拡張した場合は,title や descripton や dc:creator や dc:rights は,photo:imgsrc で示す画像ファイルのメタデータになるわけです.なんかここらへんがあいまいなんぢゃないかと思います.

RDF で記述するともっと明確ですね.サムネイル画像は FOAF ボキャブラリにもあって,foaf:thumbnail になります.

<foaf:Image 
  rdf:about="http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/DSCN2800.JPG">
    <dc:title>出発の朝</dc:title>
    <dc:description>駅から出発です.</dc:description>
    <dc:rights>Copyright 2003 ONO Hiroki</dc:rights>
    <foaf:thumbnail 
      rdf:resource="http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/thumbnail/DSCN2800.JPG"/>
</foaf:Image>

RDF だと,dc:title や dc:descripton は,foaf:Image の rdf:about が指し示している画像ファイルについてだということが明確です.

そして RSS 1.0 なら,item 要素はこんな感じになるんぢゃないでしょうか.

<item 
  rdf:about="http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/?DSCN2800.JPG">
    <link>
    http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/?DSCN2800.JPG
    </link>
    <title>出発の朝</title>
    <description>駅から出発です.</description>
    <foaf:Image 
      rdf:resource="http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/image/DSCN2800.JPG"/>
    <foaf:thumbnail 
      rdf:resource="http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2003-09-27_MinamiAizu/thumbnail/DSCN2800.JPG"/>
</item>

画像ファイルのメタデータを XML ファイルとして別に用意するというのは,まだいろんな案があるっていう段階のようですね.検索エンジンなどで検索しやすいようにという意味では pheed は RDF での記述に比べたらちょっと弱いのではないかと思います.RSS をさまざまなメタデータを組み合わせて提供するコンテナとして使う方法にはぼくはとても興味があります.pheed も RSS を使うというところが面白いと思います.

pheed でもかまわないから,メタデータを提供する方法が早くメジャーにならないかな.

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