2001 年 しし座流星雨

11 月 19 日のしし座付近

今回のしし座流星群では初めて静止流星を見ることができた.静止流星とは,まっすぐ観測者の方向に流星が飛ぶので,観測者からは静止して見えるという流星だ.しし座の輻射点をねらった写真では,静止流星が幾つか写って,しし座の形を分かりにくくしていた.

11 月 19 日の北斗七星付近

沢山の明るい流星が北斗七星の前を横切った.すぐとなりにしし座がある.

星降る八ヶ岳

八ヶ岳には星が降っているように見えた.次々に流星が,八ヶ岳の向こうに消えていった.濃い流星痕が浮かんでいた.

データとコメント

撮影データ

コメント

すばらしい流星雨.とっくに撮影データを記録することはあきらめていた.
それどころではないのだ.

カメラのフィルムを交換して,とりあえず輻射点のあるしし座の方向にカメラを向ける.カメラは赤道儀に載って自動的に日周運動を追尾いる.定期的にシャッターを閉じたり開いたりすればなにか写るだろう.

とにかく撮影よりも,星が雨のように降りそそぐその夜の光景を心に刻み込んでおきたかった.だからあまり写真には期待をしていなかった.もしかしたら 1 枚もまともな撮影ができていないかもしれない.

フィルムを現像に出す.CD-R への同時書き込みと,フィルムの長巻きのままでの返却を指定する.数日たって,現像があがり,CD-R が添えられて戻ってきた.3 本出したフィルムの 1 本は未感光ってことで失敗だったが,他の 2 本のフィルムの分はプリントされてきた.確かに流星も写っている.確かそれぞれのコマに数個の流星が写ってはいるが,それはあの夜のすばらしい光景と繋がるようなできではなかった.
とりあえず CD-R をスライドショーとして一覧してみる.

なんか同じ構図の写真が 9 コマ並んでいるのに気がついた.1 コマには数個の流星が写っているが,迫力はいまひとつ.この 9 コマを合成してみよう.

ってことで合成した.
合成は成功だった.1 コマに無数の流星を閉じ込めることができた.全天こんな状態で流星でいっぱいだったのだ.
ぼくはあの星の降る夜の光景を忘れない.