リカンベントサイクリングクラブミーティング高崎

2000 年 1 月 29 日 土曜日 群馬県高崎市

パナールさんと下國さんの Sat R Day が納車されるということで,それにあわせて,リカンベントサイクリングクラブのメンバーで群馬県高崎市の片岡さんのお店であるCYCLETECH-IKD に集合した.

増殖する折り畳みリカンベント Sat R Day

自転車を楽しむときに輪行は重要な要素だと考える人はどれくらいいるのだろう.少なくはないはずだ.ちょっとあちこち自転車で旅行するようになれば,輪行は必ず考えるはず.列車に専用の袋に入れた自転車を持ち込む.列車と自転車の組み合わせで,旅の自由度はぐっと広がる.列車による輪行を考えなくても自動車に自転車を積んで出掛けようという人もいるかもしれない.

リカンベントでもやはり列車での輪行や自動車に積むことは当然考えるのであるが,大抵のリカンベントではホイールを外しただけではマウンテンバイクほどにも小さくならない.そこで折り畳みリカンベントが注目される.リカンベントが折り畳みかどうかは,輪行できるかどうか,または自動車に積めるかどうかに関わってくる問題になったりする.

現在折り畳みのリカンベントにはそう選択肢は沢山はない.その少ない選択肢の中でも Sat R Day はよくできているし,すでに日本でも何台も実績がある.パナールさんと下國さんが Sat R Day を選択したのもやはり折り畳み機能を評価しているからだと思う.これで日本にはおそらく 11 台の Sat R Day が輸入されている.その(おそらく) 10 台目と 11 台目を見に高崎まででかけた.

折り畳みでないリカンベントの輪行

今回あらかじめ上野発の列車の時刻を申し合わせていたので,上野駅でむなかたさんとよしおかさんと一緒になった.よしおかさんは Bike Friday の Pocket Rocket という 20" 折り畳み自転車をもって.そしてむなかたさんは Vision の LWB (ロングホイールベース) リカンベントをもっていた! そう折り畳みでない LWB でも輪行できるのだ!

むなかたさんは始めはフレームを立てて手で支えていたのだが,それは網棚にのるでしょうと提案したところ,さっそく車内が空いているのを幸いに試してみることに.そして網棚にのせてみたらしっくりくるんだなぁこれが.下手な折り畳み自転車よりも網棚にのる LWB リカンベントのほうが,輪行にむいているかもとか.


JR 高崎駅に到着してしばらくすると片岡さんが黄色の Sat R Day で登場.ついで赤い SWB(ショートホイールベース)の Vision のヨシザワさんも合流.そしてやはり Sat R Day オーナの齋さんも片道 50 km の距離を自走して参加.齋さんは今回初めてでした.齋さんのサファイヤブルーはすっごく綺麗な色でした.

ミーティングは場末の定食屋で

片岡さんのお店の近所の定食屋で皆で昼食をとった.一二三と書いてひふみ食堂.なかなか雰囲気のある食堂だ.で,スピードチャレンジをどうするかとか,5 月のツーリングはとか話をしたが,そう細かいことまでは決まらず.

スピードチャレンジとは,リカンベントサイクリングクラブで集まってイベントをやろうという企画で,最高速度の記録会がメインとなる.場所は八王子市にあるトラックを借りるか片岡さんの御店の近くにある自動車教習所が一周 600 m あるからそこを借りようとか.速度はスピードガンという話もあったけど,フライングスタートで 200 m をストップウォッチ計測してみてはどうかということになった.まぁ楽しいお祭りになれば良いのだ.イメージとしてはオーストラリアの HPV (人力の乗物)のお祭りみたいになればなぁと思う.

試走大会

食事が終わってからはさっそく試走大会となった.ここで今回飛び入りでプジョーパシフィックで F さんが登場.今回は残念なことに近くの「おもてなし広場」が使えなかった.なにかの集会が近くであったために,おもてなし広場は駐車場に使われていたのだ.しかたないのでやはり近くにある市民フォーラムの広場(あの Folding Bike Fun で man さんの Sat R Day の写真が撮影されたところ) へ場所をうつした.

新 Sat R Day オーナ

片岡さんは下國さんとパナールさんがそれぞれすんなりリカンベントに乗れたことにすこし拍子抜けという感じ.パナールさんもぼくの Sat R Day に試乗したことがあったし,下国さんはぼくの Sat R Day の試乗 2 度目の時には,本当にぼくに Sat R Day を返してくれるのか? そのまま逃走するのではないか? とぼくが心配になるほど乗りまくった.聞けばあちこちでリカンベントライダーを捕まえては,試乗させてもらったらしい(笑).もっともあちこちで試乗はしたけど逃走を心配したのはぼくだけとか.でもやはり購入を決める前に Sat R Day を十分試乗できたのは良かったよね.

パナールさんはロイヤルブルーの下ハンドル.それにアルテグラ仕様だ.下國さんはミッドナイトブルーの上ハンドル.下國さんは上ハンドルの Sat R Day は今回がはじめてだという.下国さんに上ハンドルをすすめたのはぼくなのだ.上ハンドルのほうが明確なメリットが多い.下ハンドルは「やっぱり下ハンドルがいい」というこだわりで選ぶ物なのだ.だからぼくは下ハンドルを選んだし,パナールさんもそうなのだ.Sat R Day は特に低速安定性に優れている.それは下ハンドルでも感じられる.それでも上ハンドルになるともっと乗りやすい印象になる.上ハンドルと下ハンドルで,けっこう乗った時の印象が違うことに驚かされるほどなのだ.いろいろリカンベントに乗ってみて,「とっつきやすさ」という意味での乗りやすさは BikeE が一番で Sat R Day の上ハンドルが 2 番.両者の差はいきなりリカンベントに初めて乗ったときなどにはちょっと差があるかもしれない.が,それを所有してしまうなら,ほとんど意味がないくらいの差しかない.つまりどっちを買ってもどっちも乗りやすい.この 2 つはとっつきやすさという意味での乗りやすさでは抜群で,このレベルに達しているものは他にはあまりないのかもしれない.

ヨシザワさんによる工夫された Vision VR 40

ヨシザワさんの Vision VR 40 はまたかなりカスタマイズが進んでいた.以前は LWB で下ハンドルだったのに,今では SWB に組み替えてさらに上ハンドルになっている.後輪がディスクホイールになり,BB(ボトムブラケット:クランクの回転軸) まわりが自作の特製パーツでリプレースされて,BB の位置を高くしてある.BB の位置の違いだけで,かなり力の入り方が違うのだ.ノーマルの VR 40 SWB と直接は比較をしていないから,あまり細かいことは言えないけれど,やはり以前試乗させてもらったときとは歴然と乗り味が違っていた.それにサイズを調節したときにチェーンの長さを調節するためのチェーンテンショナーが追加されているのには感心した.細かな工夫と確かな工作技術.なかなかすごいなぁ.こういう人がいるというのは心強い.

片岡さんの Air Llama

ぼくは今回 Bike Friday の最新作 Air Llama に試乗.サイクルスポーツ 2 月号の表紙を飾った折り畳みの MTB (マウンテンバイク) だ.前側はヘッドチューブ内にサスペンションを組み込んだ形になっていて,サドルはヘッドチューブから斜め上に延びるチタンのビームで支えられている.いわゆるシートチューブがなくてシタンビームがしなってサスペンションのように働くのだ.しかし BB-後輪の間はリジットで可動部がないわけ.この構造によってリアスイングアームを持つフルサスペンションの MTB などとはまた違った乗り味になっている.

Air Llama でその場でホップしてみる.上方向に垂直にジャンプするわけ.ペダルに立って,サドルに腰掛けていないならフロントサスのみの MTB と同じなわけで,足にはそういう感じの着地の時の反動がくる.しかしサドルに腰かけていると確かに後側もサスペンションの効果がある.でも結局フィールドに持っていったわけではないのであまりよくわからない.一度 Air Llama を富士見パノラマスキー場にもって行ってみたい!もちろんダウンヒルに向いたものではないけど,あそこを一日走ってみればどんなものなのか分かると思うから.

ぼくの手持ちの MTB には GT-LTS がある.あれはぼくには富士見パノラマのダウンヒルコースのためのものだという感じで,山岳サイクリングなどに参加するのはちょっと考えてしまうのだ.坂登るのが辛いから.Air Llama はフレームの形状があれなので,担ぐのには適していないのではという話もあるがどうだろう.何にしてもダウンヒル用ではない MTB が欲しいと思っているので,そういう物を買うとしたら現在考えられるのは,まずはこの Air Llama だ.理屈はさておき 小径・折り畳み・前後にサスペンションなのである.ぼくの好みなのだ.そう,サスペンションについていろいろ考え方があるけど,ぼくはサスペンションが好き.より良いペダリング効率を求めてサスペンション無しに乗るくらいなら,ペダリングスキルをあげてペダリング効率をあげたほうがいいかな.ぼくはまだあまり綺麗なペダリングができない.もっと練習しないと良くならないかな.

終わりに/次回の走行会

今回は早めに解散となった.帰りの電車の中で皆で話をしていて,パナールさんを中心にさっそくリカンベントでサイクリングをしようという話になった.で,翌週末の土曜日が日曜日にと日付だけは決定された.これは後にパナールさんが幹事で三浦半島一周という話になり,天気予報を見て日曜日でなく 3/5 土曜日と決定された.このことはまた別のページで.


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2000 年 2 月 6 日作成・2 月 10 日修正

おのひろき onohiroki@cup.com

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