1999 年 11 月 18 日
1999 年 11 月 18 日の朝,しし座流星群が極大となるため,期待して 17 日から機材をもって野辺山高原まで写真を撮りに行ったものの天候に恵まれず,まったく流れ星など見ることはできなかった.そして 18 日は朝日が登ってから天気が良くなった.せっかく野辺山まで出掛けるのだからと,今回は Sat R Day Recumbent を持ち込んだ.人の運転する自動車に乗って移動してきたのだが,折り畳みのリカンベントはついでに車に積んでこれる.これで野辺山の宿から小淵沢の温泉まで走った.過去に弟と BD-1 で走った道だ.
今回も宿は旅人宿こっつぁんちだ.ぼくは高校生の頃から通っている.星の写真を撮るための機材(カメラとか三脚とか星をモーターで追尾する赤道儀,そして防寒着)一式が宿に置きっぱなし.便利は便利だが,星の写真を撮るときにはまずその宿に行かないことには,他に機材が無い(笑).
17 日の夕方に着いて,観測場所を下見して,夕食をとって準備を済ませた時点ですっかりくもっていた.たしかに現地に到着したときには晴れていたのに...こんな平日にこんな宿に止まっている客はやはり星を見に来ている人だ.皆で一緒に以降ということでぼくが日が暮れる前に下見しておいた場所に移動したが,天気は悪くなるばかり.結局 22 時を過ぎてから撤収準備をして宿にもどってから酒盛りして寝てしまったのだった(笑).先日の水星日面通過も天気が悪くて見ることができなかったし,天文現象に恵まれないとしだ.
翌日の朝.念のために日の出直前に天気をチェックするがやっぱり曇り.直食まで寝直した.そして直食のときには晴れていたのだ.日が登って気温が上がってから晴れてくるのはまぁよくあることなのだ.朝食をとって早めに出る準備を済ましたら,気を取り直してサイクリングだ(笑).
車に積んであった Sat R Day.今回は車輪を外して来た.簡単な組み立て作業をすませて,さっそく出発.車で来ている仲間にデジタルカメラを預けて撮影をお願いする.目指すは小淵沢の温泉「延命の湯」.スパティオ小淵沢というホテルとか温泉とかの複合施設だ.
宿から JR 最高地点までは若干登っているものの,ほぼフラット.JR 最高地点を過ぎて県道 141 号線に入ると下りだ.その下りもながくは続かず,八ヶ岳有料道路への入口になる学校寮のあたりから登りになる.美し森を越えて天女山 (1529 m)の近くを通過するまではほとんど登りとなる.
リカンベントは坂を登らないか?
もちろんこげばこいだだけ坂を上る.あたりまえである.
登り始めはスピードは出ないしかなり辛く感じたが,一定のペースで登るようになってくるとそれほど苦しくは感じない.平地よりもスピードが落ちるのは本当だが登り坂で速度が落ちるのはあたりまえ.BD-1 と比べてどうなのかといってもよく分からない.ただし立ちコギは絶対にできないので,ロードレーサなどでそうやって坂を登っている人はリカンベントでの登坂には不満がでて来るのだろ浮けど.
実は始めは内装ハブが一番軽いのに入らなくて,ちょっと厳しかった.シフトワイヤーを内装ハブに接続する部分の調節をやり直してちゃんと変速できるように直した.そうすればザックス 3 x 7 用の内装 3 段と外装 8 段のギアを組み合わせた 24 段変速のギアは,十分ワイドレンジでもかなりゆっくりな速度でも十分な足の回転数を保つことができる.ようはスピードを落として軽いギアを選択して足をくるくる回転させれば,別に登り坂が問題になるということもない.誰かと競争しているわけではないのだ.
ある程度登ると今度は全体的に下りになる.もともと野辺山・清里は小淵沢より標高が高いのであるから,コース全体をみると下り傾向なのだ.
ぼくは幅や前後方向の角度が自由に調節できる Sat R Day の下ハンドル (Under Seat Steering Bar) を幅は狭く 60 cm 幅程度に,前後の位置は普段デュアルコントロールレバーのブラケットの部分を握るように調節していた.これで普段は快適だったのだ.しかし曲がりくねった下りの道ではブレーキをかけながらのハンドル操作がやりづらかった.ここらへんのハンドル位置の調整はもう一度考える必要がありそうだ.とりあえずブレーキをしっかり握れる角度にすると,今度はちょっとハンドルが遠いような気もする.
下り坂ではけっこうスピードを出してみた.車で先回りしている仲間が,途中でカメラを構えているのだが,こっちは 50 km/h 以上で坂を下っているので,撮影は難しかったようだ(笑).ぼくとしてはもっとスピードを出せるかと思ったが,風も強くてそれほどはでなくて,今回の最高速度は 62 km/h ほどだ.今回は GPS を使っているので,速度はそれhほどいいかげんな数字でもないはずだ.やはり風防をつけると違うのだろうか.
リカンベントの足を前に出して背持たれ付きのシートに座った状態での下り坂.それって怖いのではないかという人がいたが,別に姿勢からくる怖さはなかった.足はビンディングタイプの SPD ペダルとシューズを使って固定されているし,視界が広いのでそれほど怖さは感じない.もっともカーブを曲がることができる速度という物があるから減速しないとならないし,路面が(暴走防止の特殊舗装で)荒れている場合もスピードが出ていると怖い.しかし,前後の体重移動ができないということのデメリットは特に感じられない.重心が低いからか,ブレーキをしてもコーナーを曲がっても常に安定していて安心してコントロールができる.BD-1 で同じスピードで下りを走ったら,ブレーキに備えて腰を引いて純真を後に持っていきつつ暴れるハンドルを抑え込むのだからやはり無理をしないとならないような.
下り始めるとあっというまで,一気に小淵沢まで降りてしまった.もちろん料金所は無視して突破せずに 30 円の料金を払った.
先回りして温泉の前で待っていた自動車に Sat R Day を積み込んで星見の仲間と一緒に温泉につかり,昼食を食べてから帰路に着いた.
今回,ある程度の登り坂と下り坂を体験できた.やはり普段の走っている上り下りのない多摩川サイクリングロードよりは楽しい.登り坂についてはやはりペースがかなり落ちるが,それほど苦しくないような気がする.走り込んで慣れればもっといいのではないかと思う.
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1999 年 11 月 18 日作成
おのひろき onohiroki@cup.com