ここでは工具を使わず,さらにフレームからシートも前輪も分離しないで折り畳む方法を紹介する.私の Sat R Day は泥除けとリアキャリアもついている.泥除けはもともと折り畳みに支障はないが,リアキャリアは折り畳み完了時に若干コンパクトさを損なっているようだ.ただし座りの悪さはリアキャリアがあってもなくてもさほど変わらないように思える.
シート下のハンドルバー固定部のクイックリリースを緩めて,左右のハンドルバーを引き抜く.
抜いたハンドルバーはブレーキワイヤーとシフトワイヤーによってフレームとつながったまま.2 本まとめて脇にどけておくと良い.
次にシート下のシートを固定しているクイックリリース,前後2つを緩める.後側がはずれ,前側を軸にして持ち上げられる.さらに前側のクイックリリースの軸は,左右に回転できる小物に取りつけられているので,シートを脇にどけることができる.この時シートはフレームから分離はしていない.
フレームを片手で押さえ,もう片手で前輪より前に突き出てクランクやチェーンリングがついているブーム(Boom)を上方に持ち上げる.この部分は特にクイックリリースやねじなどで固定されていない.チェーンのテンション(張力)だけでブームが固定されている.ブームを上方に引っ張ると一度チェーンが最大に延びる.その点を超えるとチェーンが緩む.緩んだチェーンがたるまないように,フレームに取りつけられた小物がチェーンをひっかける.バネがしかけてあり適度にチェーンを引っ張り,折り畳み時にチェーンがたるむのを防ぐ.
ブームを折り畳む事によって,後輪を支えている部分がフリーになる.つまりこの部分も前側のチェーンのテンションによって固定されていたのだ.
後輪の部分が折れると,メインフレームの上のシートを支えているチューブがさらに下に下がる.シートを支えているチューブは後輪を支えている部分の上に縦棒で支えられてるかたちになっていた.その縦棒はシートを支えるチューブに固定されていて,中にサスペンションが備わっている.サスペンションはエラストマーだけでなくバネも使っているかもしれない.
キックスタンドは折り畳み時に前輪をちょっと回転させると,前輪のスポークの間に入っていく.
シートはスタンドの代わりにもなる.
さらにシートを本体側にひきよせれば,折り畳みは完了してさらにコンパクトに.ただこの状態では若干座りが悪く,うまく自立しない.
どうしても大きくなりがちなリカンベントが,折り畳み自転車としてみても,かなりコンパクトに簡単に折り畳めることは驚きだ.とくにチェーンテンションを利用して前側のブームと後輪を支えるアーム部を固定している機構には驚かされる.クイックリリースを緩める必要があるのは,シート裏の 2 本とハンドルバーを固定している 1 本の計 3 本だけだ.
折り畳み自転車では,どうしてもポジションや剛性が犠牲になりがちである.Sat R Day に載ってみるとそういうところで妥協があるようには感じられない.そのことを考えると普通の自転車よりもリカンベントの方が折り畳みに向いているのではないかとすら思えてくる.
クイックリリースを抜いて,シートを完全に分離する.
前輪をクイックリリースではずす
工具を使って,後輪を外す
工具を使って,クランクを外す(ワンキーリリースといってアーレンキー一本で外れる)
工具を使って,ペタルを外す
工具を使って,シートをいくつかのパーツに分割する
ここまで行うとさらにコンパクトになりトラベルケースに収めることができる.
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1999 年 7 月 12 日作成 / 1999 年 7 月 12 日更新