1998 年 4 月 29 日祝日の水曜日にワイ・インターナショナルの主催でマウンテンバイク・ダウンヒル・スクールが行われた.ワイ・インターナショナルでダウンヒルのスクールを開くのは初めてだったそうだ.講師はあの内輪亮選手.今日本でもっとも強い選手だ.実はぼくはよくわからないままに申し込んだ.今回スクールに申し込んだのは,一度も人から教わることなく適当にやるにはダウンヒルってキビシイものに思えたからだ.無理してケガなどしたくはないから,やはり基本テクニックを教わっておきたい.去年の富士見パノラマスキー場ではレンタルのマウンテンバイクに乗ったが,今年は前後に 100 mm くらいのストロークのあるサスペンションを備えたマウンテンバイク GT LTS-3000 DS があるのだ.
雑誌の広告で見つけてから,申し込むつもりでいたのであるが,なかなか申し込みに出向くことができずにいた.4 月 18 日に柏の自転車店のゲンマに BD-1 を預けた後で,自転上野 Classic まで行って見ることにした.ここは BD-1 などの折り畳み自転車が沢山売っていて見に行くだけでも楽しめるのだ.BD-1 のサスペンションの交換用スプリングなどを買ったのだが,ダウンヒルスクールの申込書が目についた.まだ間に合うのかもしれない.店員に聞いてみると 20 名の定員で 1 人分だけ空きがあるという.その場で申し込むことにして,店員と相談してダイネーぜのプロテクタースーツの上下と OGk のフルフェースヘルメットを購入した.スクールの費用も含めて全てクレジットカードで支払った.かなりの出費だ.これからしばらくは物欲を抑えて暮らさねばなるまい.
集合は 29 日の朝 9:30 にゴンドラ乗り場前となっている.時刻表などを調べるが,輪行していくなら前日に近くに宿泊するしかない.最近あまり行っていたかったので,野辺山にあるいつもの宿のこっつあんちに予約を入れる.
前日はh平日で,会社が終わってから特急で行くことも考えたのだが仕事はほっぽり出して有給休暇をとってしまう.朝から自転車のメンテナンス.もともとついていたタイヤよりもかなり太いIRC タイヤの KUJO-DH をインストールしてある.これがフロントディレイラーにあたったり,ブレーキシューがリムにあたったりだったので,近所の自転車店「自転車のおおやま」に持ち込んでみる.いろいろと調節してもらってこれで絶好調.そのまま最寄りの駅へ向かう.
そこから輪行である.途中,中央線で人身事故があったためにいつもの宿こっつあんちの夕食に間に合わなくなる.食事が楽しみでこっつあんちに宿をとることにしたのに,夕食も朝食もたべられない.そう翌日の朝は出るのが早すぎるのだ.
当日の朝は野辺山で朝 2 番目の列車に乗った.小淵沢で乗り換えて富士見駅.そこから輪行して富士見パノラマスキー場へ向かう.大した距離でもないし,それほどの坂でもない.とはいってもやはりスキー場までの坂はそれなりだ.いつもの 7 段変速の折り畳み自転車 BD-1 と違って,幾らでも軽いギアが選べるので,坂を登るのもさほど辛くはない.しかしこれから先,この LTS-4000 DS にいろいろとダウンヒル用に手をいれていくとこの登り坂がもっと辛くなるのかもしれない.
20 分ほどでスキー場に到着.とりあえずプロテクターを装着するために着替える.ダイネーゼのプロテクタの上下は今回の為に買ったのだ.サイクルパンツをはいて,プロテクタを装着して,その上からアウトドアものシャツとズボン.どちらも薄手のポリエステルのものだ.上はコロンビアの背にスリットが入って中がメッシュの通気性のよさそうなもの.下は JackWolfskin のジップオフパンツで,太股から下をジッパーで外して短パンになるタイプのもの.一応長袖と長ズボンだが気温が高くなってもなんとかなりそうな格好にした.
ゲレンデではダウンヒルの選手のような はではで のジャージとモトクロッサーパンツとか,ダイネーゼのプロテクター剥き出しという人が圧倒的に多い.ぼくのようにアウトドアのシャツなど着ているとかえって目立ってしまうものだ.
ゴンドラ乗り場付近にいってみると,ゴンドラ乗り場から下に見える駐車場に,ワイ・インターナショナルのロゴが着いた車が駐車してあった.さっそくそこに行ってあいさつをして受付を行った.準備ができるまでしばらく待機だ.すでに今回の先生である内輪亮選手の姿もある.ゴンドラ一日券を購入して,皆そろってからゴンドラに 2 人ずつ乗り込んだ.今回はサイクルスポーツの取材が来ていて,カメラマンも同行した.上に着いたらまずは記念写真.そして準備運動.どうも内輪先生はこういうのには慣れていないようで,ちょっと照れているようだ.
はじめに繰り出すコースは,ゴンドラを降りたらちょっと登ってからコースにはいる,中級向けのコースだ.お手本を見せてもらったり,ひとりひとりの走りを先生がチェックしてコメントをしたりという感である.一度下まで降りた後は,参加者を 2 組みに分けて,半分づつ指導をしてもらう.午前中の前半を先生と一緒に走って,後半は 2 組目を先生が見ている間は自由だというので,一人で走ってみた.
午後に入ると,主に先生の走りを見ることが主になった.参加者が先に下って,ここと思う場所で先生が来るのを待ち,準備が整ったら先生が走ってくるので,それを思い思いの場所からじっくり見るわけだ.
先生に教わって,コーナーの曲がり方が自分のやっていたことが全然違っていたことが分かった.ぼくはあまり自転車を倒していなかったし,コーナーで内側の足を出すということがうまくできなかったのである.教わればすぐにできるようになるかというとそれも難しく,なかなか思うようにはできないのであるが.ぼくのマウンテンバイクは,コーナーでバイクを倒すときにサドルが邪魔なような気がした.実は下げられるところまで下げてはあったのだが,それでもサドルが高すぎたようだ.今度サドルポストを短く詰めなくてはダメだと思った.
やはりトップライダーの走りはぼくらなどとはまったく違う.その違いを見せつけられた.林の間の狭いコースから,ゲレンデの広い所に飛び出す地点.ここはぼくが走るとコースの左側によって段差のないところをそろそろと降りるような場所だが,内輪選手はいきなりジャンプ!ここでも見学していた人達からは「おおぉー」という声があがりました.後で誰かが質問していたがやはりあそこは飛んだ方が速いそうだ.飛べば速いよといわれて,はいそうですかと飛べるほど簡単では無いことは言うまでもない.
スクールが終わってから,抽選会のくじ引きとかがあって,簡単に主催者側からあいさつなどがあった.その時にサイクルスポーツの記者さんから写真を撮らせて欲しいと言われた.まぁ着ているものがここでは目立つからだろう.で,カメラマンに写真をパチリと撮ってもらった.
結局その時の写真がサイクルスポーツに載った.1998 年 6 月号の「実践!MTB フりーライド」という特集の中でゲレンデスタイルチェックというページがあり,代表的な 3 つスタイルの一つとして「アウトドア+フりーライド系」というふうに紹介された.下の写真は別の日 5 月 9 日に自分で撮影したものだが,着ているものは雑誌に載った時と基本的に同じである.
雑誌にも写真を載せてもらったし,ダウンヒルスクールは本当に勉強になったし,とても充実した一日でした.
富士見パノラマスキー場では,マウンテンバイクのレンタルをやってる.前後にサスペンションのついたフルサスペンションのタイプで一日 5,000 円くらいだったであろうか?去年までは GT と GAIANT の 10 万円前後のものだったのだが,今シーズンになって新しいバイクが入ったようだ.なんとスペシャライズドのグランドコントロール FSR が入っているのである.前後にサスペンションのついた 17 万円弱の定価がついたものだ.手入れされた状態で借りることができて,走り終わった後での手入れもしなくて良いのでだから,たまにここにきてダウンヒルを楽しむのであれば,レンタルで十分なのかも知れない.
1998 年 7 月 02 日作成