バナナン氏は BD-2.1 のオーナーです.BD-2.1 は BD-1 と違ってベルトドライブとなっています.色はペトログリーンという緑色です.97 年モデルの BD-2 の後継モデルで,ベルトドライブ周りの部品が変更されています.ハンドルステム部分が BD-2 や 99 年モデルの BD-1C と同じように BD-1 と比べて 2 度内傾してしていてハンドルがやや近めになっています.そのために乗ったときのポジションは BD-1 よりは少し上半身が起きた格好になります.
このおのひろきおんらいんも BD-2.1 の購入のきっかけとなったそうです.バナナン氏からいただいたメールを引用して紹介します.
BD-2.1 に乗りはじめてから,ええ,ずいぶん楽しくヤッてます.
トラブル・モディファイについて,皆さんにご報告したいことがいろいろ出てまいりました.特にトラブルについてですが,BD-2.1 は他のシリーズより稼動性が良くないのではないか,という深刻なものもあります.
リアスプロケットのトラブル(材質不良?歯がイッキに 2 つも欠けた!!)
発生:98 年 6 月(購入 10ヶ月)
どうもリアのプーリーとスプロケットとの材質・硬度に問題があるのか,ある日急な坂道を上っている際に,金属製のスプロケットの歯が一気に二つ折れました.1枚は完全に欠けてしまい,もう1枚はねじ曲がりました.樹脂製のリアのプーリーのほうは細かいキズこそついたものの,交換の必要はありませんでした.ショップに持ち込み修理してもらいましたが,これはクレーム修理で事無きを得ました.
原因はスプロケットの材質・加工不良か,またはプーリーとスプロケットとの強度などのバランスが取れてないのか,そこらあたりではないかと思われます.
再発:修理後わずか 1.5 カ月で
さすがにこの故障はにアタマにきて,「このケッタ使えんぎゃあ」とショップに相当の剣幕でクレームに行きました.
ミズタニのコメントによると,BD-2.1 のスプロケットギアの破損は,私を含めて 2 件あったそうです.(うーん,ホントにそれだけかな?)購入したショップは,パワフルなヒトがのると...△◆◎ なんていってましたが,じぶんはそんなにパワフルじゃないけど.
わずか 14 ヶ月で 3 枚のスプロケが割れるのは,設計じたいの問題ではないのでしょうか.しかも今回の修理は約 1 月かかりまして,(これはショップの問題かな)もうすこしで BD シリーズへの愛情が消えそうでした.でも直ってくると,うれしいんだナ,これが.
ドライブベルトのトラブル(テンション不足 > 空回り!> 2 回も入院!!)
発生:97 年 10 月(購入 2 ヶ月〜)
BD-2.1 は前後のプーリーによってシマノインター7に動力を伝えるわけですが,前後のプーリーをつなぐベルトのテンションの維持に大いに悩まされます.
雨天時にベルトとプーリーとが濡れてしまうと,フリクションが足りなくなる ためベルトが簡単に空転してしまいます.(!)平地走行ではベルトがギシギシといったノイズを発生する程度で済みますが,坂道などは完全に走行不能となってしまいます.
また,これも個体差によるものかもしれませんが,ベルト自体も伸びてしまい, 空転の原因となりました.(98 年 8 月に交換)
よってベルトについてはコクドベルトなどを採用するか,またはテンショナーをとりつけるか,メーカーの早急な対応をお願いしたいと感じます.
タイヤの減りの速さ(ローテーションしても1年でパー!!)
トップスピードの限界(減速比は改善の余地あり)
平坦路で時速35kmあたりが限界ですか.低いギアは逆に余ってしまいます.BD-2.1 は全天候型ランドナーの役までは買ってくれませんので,ならばもうすこし短距離選手の性格を与えてもよいかなと感じます.リアのプーリーの径の変更で減速比が簡単にかえられそうなので,2種類のリアプーリーがあったらいいナと思います.
あと,クランクがフロントのプーリーに完全に固定されてますので,自分に合う長さのものと交換できないのも残念です.
スピードメーターをつける(意外に苦労を要す)
ワイヤレス式のメーターを導入しましたが,ハンドルに直接メーターをつけても発振器からの信号を拾ってくれません.困り果ててショップに持ち込んだところ,ハンドルから「枝」をのばして信号を拾える位置に取り付けてもらえました.
フロントバッグをつける(意外とスンナリ)
Jack Wolfskin の HATTRICK というメイクを導入しました.
普通はハンドルバーとハンドルステム(という名前でしたっけ?)に3点で固定するわけですが,BD−2.1はハンドルバーだけで固定するよりありません.ストラップをハンドルにグルグルに巻き付けて完成.
まあ,ベルトドライヴ車の軽快さを考えれば少々のことは目をつむってもいいのですが,それ特有のトラブルが目立つことは否めません.モディファイに関しては,「折りたたむ」ことを念頭に置いた範囲でのものですから,まあ苦労も限界も,こんなものかなと思います.
休日のポタリングを趣味に加えたいかたに:
ハンドルをすこし手前によせてあるため身長がひくい人も OK,ベルトドライブ車は組み立て時に衣服や手を汚すことがすくない,減速比も穏やかな設定,などなど,ずいぶんひとにやさしい設計です. あくまでもストックの状態で,ライトに,スマートに乗りたいかたは BD-2.1 が最適です.逆にミニベロの可能性を最大限まで追求したいかたは BD-1 がよいのではないでしょうか.
引用おわり
バナナン氏の使っているフロントバックは JackWolfskin の HATTRICK というものです.オムニロック固定システムと名前のついた固定具でハンドルにとりつけます.これは 3 本のベルトでハンドルとハンドルポストに固定具をつけて,バック本体は簡単に着脱できるようなタイプです.じつはおのひろきのフロントバックもこの方式のものです.BD-1 ではなんとか普通につけられるのですが,BD-2.1 ではステムが BD-1 より 2 度内傾しているために,おのひろきと同じようにとりつけるとフロントバックが上を向いた変な角度になってしまいます.そこでバナナン氏さんは独特な取りつけ方をしているようです.
サイクルコンピュータ(スピードメータや距離計のこと)の取りつけも工夫をしていますね.BD-1 のハンドルはライトやベルといった保安部品の他にフロントバックやサイクルコンピュータを取りつけるにはちょっと狭いですよね.
あとバナナン氏はベルトドライブの機構と耐久性に疑問を持っているとのことです.わずか 14 カ月の間にスプロケット部分が 3 回も破損したということですから.
BD-1 シリーズはミズタニ自転車という会社を通して流通してします.そのミズタニ自転車の 99 年モデルには BD-2,BD-2.1 と続いたベルトドライブのシリーズがなくなっています.BD-2.1 などの部品の在庫はあるのですが,それらは修理部品として確保することにして,新車での販売は終了するという話をききました.
このページでリンクまたはインライン表示に使用している画像はバナナン氏から提供していただいたものです.
1997 年 8 月に名古屋市名東区のカミハギサイクル MOVE 店にて 15 万円で購入.
11 月 11 日の夕方 18 時から 19 時に東海 3 県の NHK ローカルニュースで正味三分程ですが,折り畳み自転車が取り上げれました.(きっとそのはずです.)
実は NHK 名古屋のかたから名古屋方面の折り畳み自転車を楽しんでいる方を紹介して欲しいとメールをいただきました.ちょうどそのときにバナナン氏とメールのやり取りをしていたので,バナナン氏を紹介させていただきました.無事に取材も済んだということなのですが,おのひろきは千葉県在住ですからこの放送を見ることはできませんでした.
この番組についてバナナン氏からメールをいただいてあるので,引用して紹介します.
NHK は折りたたみユーザーを二つにわけ,一つを「ファッション派」,もうひとつを「活用派」と定義して番組をつくられました.
「ファッション派」は名古屋の街にいたティーンエイジャーを,「活用派」は私と,もう一人の BD-1 ユーザー(いづれも年齢ナイショ系)を撮ってました.
「ファッション派」と「活用派」の二つにわけたことで,フォールディングバイクの可能性や楽しさの「幅」がひろがりました.とてもナイスな編集でした.
とくに「ファッション派」のヤング陣営がとても楽しそう.一方「活用派」はオトナの趣味としての可能性を示唆してました.
今回はヤング陣営の勝ち
引用おわり
この番組をごらんになった方は感想を聞かせてください.録画した人から連絡があったらすっごく嬉しいです.
バナナン氏のメールアドレス:banana@bx.citroen.org
[ 上に戻る ]