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マウナケア山頂での夕日

Sunset & Stargazing Trips

ハワイ島から友人に宛てた手紙

1998 年 06 月 07 日

おのひろきです.

出張でハワイ島に来ています.コナサーフホテルでこれを書いています.

ハワイ島といえば何を思い浮かべますか?ぼくの場合はマウナケア山です.その山頂には世界各国の天文台があります.日本も今すばる望遠鏡とよばれる巨大な望遠鏡を建造中です.

さっそくホテルのツアー案内のちらしをみて,幾つかのマウナケア山へのツアーの中から,山頂で夕日を拝んだ後で,中腹で望遠鏡を使って星を見せてくれるというツアーに申し込みました.

ぼくが泊まっているホテルからはピックアップしてもらえないので,シャトルバスで 40 分ほどのところのラニハウ・ショッピングセンターに出掛けて,そこでツアーの車に拾ってもらいました.案内人 1 人,お客が 11 人で,ツアーのバンには定員の 12 人が乗り込みました.1 人で来ているのも日本語をしゃべる人もぼくだけでした.15:40 分から車に乗って出発です.ガイドの人は走りながら,いろいろ土地の事を説明していました.

17:00 ごろに中腹のビジターセンタで休憩して配られたサンドイッチを食べました.そこで案内の人はいろいろと天文台の事とかを説明してくれたのですが,細かい事を驚くほど良く知っていました.世界の大望遠鏡の歴史から望遠鏡の仕組み,ミラーを支えるアクチュエータの最新技術など.日本のすばる望遠鏡のミラーを運ぶ特殊車両はスバル製ではなくて三菱製だとか... 英語力の貧しいぼくには彼の説明の全部を理解する事はできなかったのですが,聞いていて天文に特に興味が無かった人にも分かりやすく,それでいて望遠鏡とかに詳しい人が聞いても楽しめるすばらしい説明だったと思います.

その日は曇りときどき雨って感じの嫌な天気だったのですが,すでにそのビジターセンターも雲の上.そこから更に一部未舗装路も走って山頂まで行きました.マウナケア山頂は標高 4,270 m.その山頂まで自動車で登ることができるのです.天文台まで道路が必要だから整備されたのでしょうが,4,000 m を越える山の山頂まで道路が整備された所って,他にあるのでしょうか?下に比べて30 % ほどしかない薄い空気に少しくらくらしましたが,スバル望遠鏡のドームやケック I とケック II などを間近に見ることができて感動です.いくつかのドームをまわって,日が沈む方向に左からすばる望遠鏡とケック I,ケック II が列んで見える場所に陣取って,日が沈むのを待ちました.そこから見る夕日はまた格別でした.日が沈んだ直後,ケック I,ケック II のドームが開いて観測準備を始めているのを見ることもできました.

山頂で夕日を拝んでから,完全に暗くなってしまう前に,ちょっと下のビジターセンタまでもどりました.そこではハワイ天文協会の人達が観望会をやっていて,ぼくたちはそこのすぐ隣の空き地で観望会をやりました.ちゃんと車にはミード製の 10 inch ポータブル望遠鏡が積んであり,それで M81 とか M104 とか M13 とかω星団を見せてもらいました.ちゃんと南十字星も見ることができました.その晩は残念ながら月夜で月が明るくて星を見るのには良くなかったのですが,その山の空の暗さは実感できたし 10 inch の望遠鏡で見る球状星団は細かい星まで分解されて本当に綺麗だったしで大満足でした.本当は月の無い夜に来たかったですが,南十字星を見ることもできたんだし,出張でハワイ島に来てマウナケアに登れただけラッキーだったとしておきたいと思います.でも自分が南の島に来ていることを実感したのは,地平高度の低い北極星でも南十字星でもなく,真っ直ぐ頭を上に立ち上がった格好をしていたさそり座を見つけたときでした.日本から見る角度と全然違いましたからね.日本からは南の地平線近くに見える星座なのでそう思ったのでしょう.

集合場所であったショッピングセンターに戻ってきたのは深夜で 24 時前でした.ぼく以外はそこまでそれぞれの車で来ていたようです.そこからどうやってホテルに帰るかを事前になんにも考えていなかったのですが,電話でタクシーを呼べばなんとかなるだろうくらいに考えていました.ちょっと帰りのことが心配だったので,途中でガイドさんに帰りの事を相談したら,帰りはタクシーを読んであげるからなんも心配いらないよって言ってくれました.深夜にショッピングセンターに戻ってから,ガイドさんがタクシーを呼んでくれて,それに乗ってホテルに戻りました.

こっちの人はだれでも「半端に」日本語を使います.ガイドの人も幾つかの星の名前を日本語で知っていましたし.電話でツアーの予約をしたときにも,相手は英語で通じないと日本語で説明しようとします.しかしその日本語もかなりあやしい(笑).相手が英語で「Highspeed film を用意しましょうか?」ぼくが聞き返すと「スピードは速度の事です」って.そりゃ確かに speed は速度だけど,High speed film で通じない場合なら高速度フィルムではなくて高感度フィルムと言い直さないと日本人には通じないでしょうねぇ.高速度フィルムとは普通は言わないでしょう.ぼくはデジタルカメラしか持ってこなかったので,フィルムは用意してもらわなくても良いと断りました.

なんにしても今回の Sunset & StargazingTrips はお勧めです.ハワイ島に来たらダイビングをする前にかならず行きましょう.ダイビングの後で 4,000 m 以上の山に登るとひどい高山病になる恐れがあるので注意しましょうって話でした.あと,常夏の国に行くにしても,標高が高い所はやはり寒いので,長ズボンとセーターの一枚くらいは用意するべきですね.英語が聞き取れれば,ガイドさんの説明を楽しめるとは思いますが,英語なんてさっぱりでも,マウナケアでの夕日も星空もとても楽しめると思います.ただできれば事前に月齢を調べておいて,月の無い夜に行くのが良いでしょうね.ぼくも次回行くことがあれば,絶対月の無い夜に,しかも今度は星の写真が撮れるようなカメラと三脚を用意して行きたいなって思います.

ではでは,


Mauna Kea-12796 ft.
Sunset & Stargzing Trips

Paladis SAFAIS 観光社

電話:808-322-2366

住所:P.O. Box A-D, Kailua-Konam, Hawaii 96745

 

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1998 年 06 月 20 日 作成