FOLDING BIKE で行こう!
1997 年 6 月.週末の 7, 8 日は野辺山で星を見るつもりだった.土曜日にサイクリングをしてからいつもの宿「こっつあんち」に行こうと言うことで,金曜日の夜に仕事から帰って一睡もしないまま土曜日の朝 n3 時半に自転車で出発.4 時半の船橋始発の電車に乗る.御茶ノ水と高尾で乗り換えて,長野県諏訪湖のほとりの上諏訪駅に 10 時前に着.駅の中の温泉に入る.少し辺りを自転車で散歩してから 11 時から峠越えにアタック!
自転車は折り畳み自転車の BD-1.ペタルはシマノ DX SPD のものに換えてある.それにシューズ cannondale C-soles で,足をペタルに固定する.ハンドルに Jack Wolfskin の HEADSET BAG.背中には Jack Wolfskin デイパック TRIO.サドルにはボトルが付けられる agu sport の QUORUM SADDLE BAG.という装備だ.ボトルを BD-1 にどうやってつけるかが課題だったのだが,QUORUM SADDLE BAG は優れ物だ.これのおかげでボトルの問題は解決した.BD-1 専用の輪行バックは丸めてデイパックのコンプレッションストラップでくくりつけた.
諏訪湖から国道 299 号を走って麦草峠を目指す.標高 760 m ほどから1,000 m, 1,500 m, 1,700 m, 1,900 m.どんなに登っても,ずーと続く登り坂.
ああ,麦草峠.標高 2,100 m を越える八ヶ岳横断道路の最高地点!
ダメなら引き返せる.引き返せば下りだけ.
いや絶対登りきれる.しかし野辺山の宿の夕飯には間に合わないかもしれない.
軽く考えていた.16 時までには登りきって松原湖へ下り,小海線で野辺山まで列車で行こうと思っていた.もしもっと早く登りきれたら,八ヶ岳林道を通って,直接野辺山に行こうとさえ考えていた.しかしもうその 16 時は過ぎてしまっている.下っている最中に暗くなってしまったら,すごくやばい.
2,000 m,もう少しだ.
途中何度もどこから来て,どこまで行くのかと聞かれた.千葉県から電車で諏訪湖まで来て,そこから登ってきて,これから峠を越えるつもりだと答えた.人によって反応はさまざまだった.あと1,000 m 以上登らないとならないのに,「もう少しだ.がんばれ」と言う人.「峠って麦草峠のことか」と驚く人.
とうとう麦草峠にたどり着く.
記念というより証拠の為に数枚の写真を撮る.峠にある麦草ヒュッテ.自転車で乗りつけたぼくに驚くハイカー達.電話を借りてこっつあんに夕食に間に合わない事情を説明.
そこからは下りである.下りなら車にも負けはしない.すばらしい解放感.手を振るハイカーにガッツポーズで応える.
途中で岩のごつごつしたダートも通って,松原湖まで一気にくだった.下りには 1 時間半もかからない.18 時半ごろに小海線松原湖駅から列車に乗る.その無人駅ではこの列車が終電の一つ前.これを逃すと20 時台まで待たされて,それが最終列車となる.
結局 19 時過ぎに野辺山に到着.もう暗い.宿の夕食は食いっぱぐれたので,駅から宿までの途中のレストランで夕食をとる.
宿について,宿の主人のこっつあんと他の宿泊客と雑談する.ほっとする.その晩はちゃんと晴れて星も見えていたが,この晩だけは寝てしまう.星も見ないで寝てしまうなんて...
道を下っているときは,さいこーだった.またあれを経験するためにどこかの峠をめざそうと思った.自分の自転車と自分の脚力でかなり楽しめることがよく分かった.
坂を下っていたときのぼくは
「これだー,これこそぼくのいきるみちだぁー」
と心の中で叫んでいた.
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BD-1 で標高 2,127m の麦草峠を越える.下りで「これだー」と開眼する(笑)
春のサイクリング.相模湖から宮ヶ瀬湖,ヤビツ峠を越えて藤沢まで.
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