FOLDING BIKE で行こう!

BD-1 に泥除けを取り付ける

純正の泥除けには不満

r & m BD-1 (Birdy) の日本代理店のミズタニ自転車では BD-1 用に泥除けを用意している.しかしそれはぼくにはちょっと不満なものだった. BD-1 純正の泥除けは,グレーの樹脂製で,それを一点でフレームにボルト止めして取りつける.泥除けは長細い物で,それに端の方の一点で固定しているために,全体がぶらぶらゆれてしまう.
自転車の泥除けは,車輪の軸の付近から細長い棒の支え(ステー)が出ていて,泥除けの後の部分を支える構造のものが大部分だ.これによって泥除けがぶらぶらと左右に揺れるのを防ぐことができる.純正の泥除けにはこういった支えがない.

それに質感.グレーの樹脂製というのがぼくの好みではない.樹脂であれば,それっぽい色が良い.銀色のものなら金属が良い.だから樹脂製で黒とか赤とかならまだ良いのだが,銀色っぽいグレーというのがちょっと好きになれない.

JEEP ブランドの Birdy 用に Birdy の当時の米国代理店だったところの制作した泥除けも購入してみたが使わなかった.一度は BD-1 用純正も買ったが人に譲ってしまった.

面倒なので取りつけずにいたのであるが,雨が降ってくるとかなり嫌な感じだ.雨の心配があるときには,ついつい泥除けがある Sat R Day Recumbent や Brompton に乗ることになってしまう.BD-1 の位置づけとして,泥除けなどはつけないツーリング向けでないものにしようかとも思ったが,どうもそれもしっくりしない.

泥除けをつけるかつけないか,つけるならどんな泥除けにするか.まったく悩むところである.

ラクーンコンポ用の泥除けの発見

BD-1 は 18 インチ HE という規格のタイヤだ.このタイヤのサイズはホンダ ラクーンコンポという電動アシスト折り畳み自転車と同じである.ラクーンコンポ用のタイヤを BD-1 に使用するというのも,一時期は流行ったのだ.ラクーンコンポにはアルミ製でステーも使って固定するしっかりした泥除けがオプションで用意されている.ぼくはこれが BD-1 に取り付けられないだろうかと思って,1 セット購入してみた.

購入してみると,前用は短めで,後用は長めであった.短いものを BD-1 の前に取りつけると,BD-1 で利用するには短すぎるように見える.取り付け位置がラクーンコンポの場合と違って前に出てしまっているのだろう.前輪側にラクーンコンポの後用の泥除けなら長さも十分のようだ.

BD-1 の後輪側には,やはりラクーンコンポの後用の泥除けがぴったり.つまりラクーンコンポ用の泥除けの後側が 2 個欲しいということになった.ぼくはもう 1 セット泥除けを購入した.

取り付け

ラクーンコンポ用の泥除けを 2 セットそろえたのではあるが,どうやって泥除けを固定する針金(ステー)を生かすのかが問題だった.BD-1 の前輪はサスペンション機能のあるスイングアームに取りつけられている.そのスイングアームはピポットを軸にしてそのまま折り畳むことができるようになっている.だから単純に泥除けを取り付けてしまうと,折り畳み時に支障がでそうだ.ぼくは作業を始める前にいろいろ考えて,結局は実物を前にしながらアイディアが浮かばず,しばらくそのまま手を出せずにいた.

数カ月が過ぎて,BD-1 の前側スイングアームをばらしてグリスアップしたついでに泥除けを取り付けてみようと思い立った.17 インチのモールトン用の黒い細身の樹脂製の泥除けも持っている.これをまず試してみたが,やはりうまく付かない.次にラクーンコンポのものを試す.そのままステーを固定するとやはり折り畳みで邪魔になる.それに若干ステーが長すぎるようだ.ステーを曲げないとうまく収まらないので,ステーを手でぐいぐいと曲げてみた.折り畳みのときにスイングアームに接触しないように曲げてみると,あっさりうまく行ってしまった.ステーは鉄なのか太くて重そうだが,こうして手で曲げて使うには良い感じだ.ステーはもともとは車軸にボルトで固定する用にできている.ぼくはそのまま BD-1 の前輪の車軸で止める事にした.クイックリリースによって前輪を簡単に外すことができなくなるが,そもそも折り畳み自転車ではパンク修理やタイヤ交換でなければ車輪は外さない.そして外す場合は以前よりはちょっと手間がかかるが,工具が必要になるわけではない.

あっさり前側がくっついたので,今度は後輪も試していた.そうすると後側ではブレーキが泥除けを挟んでしまって具合が悪いことに気が付いた.ぼくの BD-1 は古いタイプで,今の BD-1 が MTB 用の V ブレーキをつけているのに対して,ロードレーサなどで使うタイプのブレーキがついている.ぼくのブレーキはシマノ 105 のロングアーチタイプだ. もし V ブレーキであれば,泥除けが邪魔になることはなかっただろう.しかたがないから後側は泥除けに切りかきを入れることにした.ただそのための工具がないから,作業はそこで延期に.

また数週間がたち,後の泥除けの加工に着手.ブレーキがあたるところに切りかきを入れるためにカナ鋸とヤスリで加工する.材質は柔らかいアルミなので,その作業は比較的楽だった.加工を終えて取りつけてみる.うまく後ブレーキも機能する.

さっそく試乗してみることに.道路に出るために段差を下りる.いつも自転車に乗ったままその段差を下りているのだが,前輪が下りるときに前側の泥除けが段差に当たってしまった.一瞬にしてひしゃげてしまった前側の泥除け.アルミ製のそれは限界まで変形していてとても元にはもどらなそうだ...

つまり前側の泥除けはやっぱり長すぎたのだ.ひしゃげてしまった部分をばっさりカットして,先端の形状を整える.黒いビニールテープを縁に貼ると,傷が目立たなくなった.もう一度段差を下りてみると今度は大丈夫だった.

まとめ

ラクーンコンポ用泥除けを BD-1 に取り付けた.

良い点

問題点

ぼくとしては,満足である.上にあげた問題点もそれほどきにならない.傷が付くことは後側は以前のようにリアスイングアームに取りつけるリアキャリアを追加すれば良いと思う.そのようにリアキャリアを取りつければ,折り畳んで自立した状態であれば前側の泥除けも設置しないはずだ.


2001 年 3 月 20 日作成

おのひろき onohiroki@cup.com