頑固なオヤジが創り出す魔法の自転車
2001 年 2 月 23 日から 25 日まで,科学技術館の 1 階の会場で,ハンドメイドバイシクルショーが開かれた.ぼくは BD サイクリングクラブ メーリングリストの仲間数人と 24 日に見学に行った.会場ではリカンベントサイクリングクラブの人も加わって,いろいろな自転車を見ながらあれこれ意見を交換した.
i2 design associates の小向さんが設計し,今野製作所に発注した Vikkino RoadStar Prototype.17 インチのモールトンサイズのホイールで展示されていたが,実際には Birdy (BD-1) と同じ 18 インチ HE サイズになるそうだ.Vikkino RoadStar は i2 design associates から発売になる予定.
フロントフォークは,ボルトを一本外すと Birdy (BD-1) のように折り畳むことができる.リア三角は,シートポストを回転軸にして回転して折り畳む.これもボルト 1 本で固定されている.
より詳細が小向さんのご友人のページの中で紹介されている.
今野製作所さんでは通勤用の自転車を展示しており,これにはゼファールのバッテリライトとシマノのハブダイナモを使ったランプの 2 系統のランプがマウントされていた.注目したのはシマノのハブダイナモをディスクブレーキに対応するように改造してあるところ.ディスクブレーキではハブ側がディスクブレーキ対応でローターを固定するためのマウントがついていなければならない.ハブとは車輪の軸の部分のバーツだ.ハブダイナモではこのハブにダイナモが内蔵されている.だからハブダイナモとディスクブレーキを同時に使うには,ダイナモ内蔵でディスクブレーキに対応したハブが必要になるのだが,国産にはそういった物はない.そこで今野製作所では国産のハブダイナモを改造したようだ.後でお話を伺ったところ,ドイツ製ではディスクブレーキに対応したハブダイナモがあるということはご存じではなかったようだ.そのシュミットのハブダイナモはシマノのものと比べると(電気的な)負荷が無い状態でも回転が軽いという感想を伝えると,それはすばらしいと感心されていた.
ぼくは荷物が運べる実用自転車って好きだ.特に特殊な形をしたもの.海外の自転車では特殊な形のものって見るのに,日本の非スポーツ自転車って,お買い物用の自転車と,実用自転車しか見ない気がする.
LEVEL の荷物を運ぶための自転車は,小径ホイールのシンプルなホイールの自転車の全部に大きな荷台をくっつけている.荷台はフレームの前部にあり,荷台の下に前輪がある.ハンドルはフロントフォークから前方に延びて,荷台をさけながら手前にカーブを描く.ちょうどハンドルとサドルの間に荷物を抱え込むような感じ.
やっぱりこういう荷物が積める自転車ってかっこいい.
フロントフォークの軸受けの部分(ヘッドバーツ)は普通では見ないようなパーツを使っているようだった.
パーツにネクサーブを使っているのもまた良い.
小径ホイール,デモンタブル(分割式)フレーム.
以前のタイプと事なり,S & S のカップリングを使ったデモンタブル フレームにになっていた.以前はフレームのチューブの片側が反対側に刺さるようになっていてそれをクイックレバーで止めていたと思う.その構造の為のフレーム形状だと理解していた.S & S のカップリングを使ってデモンタブルにするのであれば,今回のような変形フレームにする意味はないのではないか?
SDV という特殊な機構を持つ SDV-β.SDV はペダリングをする足が円運動ではなく,二つのチェーンリングの間に渡されたチェーンに沿って長円の軌道を描く.つまりチェーンリング付近では円弧を描くペダルが,チェーンリングとチェーンリングの間では直線運動を描く.楕円ではない.運動場のトラックのような軌跡になる.力が入る角度で踏み込む状態が直線で 20 cm 程持続するのがメリットなのだそうだ.
シートポストを回転軸にして後三角が回転して折り畳むことができる.前輪側は特になにも折り畳みの機構はない.前輪は外すことになるだろう.ロードレーサなどの輪行に慣れている人にとっては前輪を外すことは簡単なことで抵抗無いだろう.でもスポーツ自転車に慣れていない人には,前輪を外す手順を説明しただけでもかなり辛く聞こえるようだ.そういう意味でもスポーツ自転車を他に持っている人のもう一台に良いだろう.前輪を外さなくても,普通のスポーツ自転車の輪行状態と同程度の大きさにはなるのではないか.
細いチューブを 2 本使ったトップチューブ.完全に平行であるよりも後側が多少広くなっている形状の方がぼくは好きだ.
名前が意味不明.24 インチホイールのものと特に機構的に変わった所はなさそう.
あのパラリンピックで活躍したタンデム自転車が展示されていた.2 人でペダルを踏むために,前の人と後の人のためにそれぞれクランクがある.その前と後のクランクはチェーンリングを介してチェーンで連結されている.そのチェーンのテンションは,前側の BB (ボトムブラケット) の部分で行われる.クランクの軸である BB は直接フレームにマウントされずに,BB の入る部分が偏心している円筒形のパーツにマウントされる.その円筒形のバーツがフレームにマウントされる.円筒形のパーツを回転させると,BB の位置が微妙に変化してチェーンテンションを調節する.