SON Schmidts Original Nabendynamo
シュミット・ハブダイナモ /Schmidt's Original Hub dynamo
自転車ライト用電源の決定版
シュミット・ハブダイナモの性能
スペック
17 から 20 インチホイール用と 700c or 26 インチホイール用の 2 種類があります.下のスペックのサイズなどは 20 インチホイール用です.
- 3 V
- 3 W
- ハブ・フランジ直径 70 mm
- フランジ-フランジ間の幅 60 mm
- 36 穴
- 消費する仕事量 30km/h走行 消灯時 約 2 W
- 消費する仕事量 30km/h走行 点灯時 約 7 W (3 W のライト)
履歴(もしくは日記)から追加情報
2001 年 11 月 26 日の話題から シュミットハブダイナモとシマノのハブダイナモ NX-30 の比較
シマノのハブダイナモとシュミットのハブダイナモの比較が Birdy のメーリングリスト bidybike@egroups.com (英語) で話題になりましたので,ここで簡単に紹介しましょう.どのくらい抵抗があるのかとか,シマノのものと高価なシュミットでどのくらい違うのか,興味がある人も多いと思います.特に小径ホイール( 22 インチ以下の大きさの車輪)の事についても言及がありました.
BirdyBike メーリングリストでの Andreas さんのメッセージ 2229 から引用
シマノ NX-30 は重量がおよそ 750g (旧 NX-10 は 950g) なのに対して,シュミットの SON の重量は 570 g くらいです.
28 インチホイールで時速 30 km の時のデータをドイツの雑誌Aktiv Radfahrenから引用すると:
- SON28: 7.0 ワット(消灯時: 1.2 ワット)
- NX 30: 8.9 ワット(消灯時: 7.4 ワット)
Birdy の小径ホイールではハブダイナモはより高回転になります.その結果,より低速でもライトは明るくなりますが,高速では Drag (抵抗/抗力)もより大きくなります.
18 インチのホイールで時速 30 km とすると(28 インチで時速 48 km とほぼ同じ条件になり)
- NX 30: 12.5 ワット(消灯時: 14.5 ワット)
この速度域では消灯時より点灯時のほうが,Drag がより少ないことに注目してください.
シュミットには小径ホイールの為の特別バージョンの SON20 があります.SON20 は 20 インチホイール用で,28 インチホイール用の SON28 と同じくらいの Drag です.SON20 を 18 インチで使ったときに時速 30 km という条件は SON20 を 20 インチで時速 35 km という条件に相当します.
- SON20: 8.0 ワット(消灯時: 2.0 ワット)
この Aktiv Radfahren の記事の為の測定は,シュミットの従業員によります.
引用おわり
このことからシュミット・ハブダイナモはシマノのハブダイナモよりも重量も軽く,走行時の抵抗も少ないことが分かります.小径車の場合はシマノのハブダイナモは消灯時でも大きな抵抗があり,高速走行では点灯したほうが抵抗が少なくなるという現象もみられるようです.シュミットの小径車用のハブダイナモを使うと,消灯時では圧倒的に抵抗が少ないですし,点灯時でも他のハブダイナモを大きなホイールで使った場合と比べても決して大きくないことが分かります.また,シマノのハブダイナモは消灯時と点灯時の抵抗の差が少ないようです.
実際の使用感ですが,ハブダイナモはとっても便利で,走行時の抵抗感はあまり気にならないと思います.もちろんレース用のハブと比べれば大きな抵抗がありますが,ハブダイナモが必要になるような自転車の乗り方であれば,レース用のハブと抵抗感を比べても意味がないように感じます.
街乗りでは安価なシマノのハブダイナモを,ツーリングでは高性能なシュミットのハブダイナモを選んではいかがでしょうか? でも高価なシュミットを選んだ場合,どのような利用の仕方でも価格に見合った性能があると思います,特に小径車ではシマノの物との性能差が大きく効いてきますね.
小径車でシマノのハブダイナモを使う場合は,昼間に消灯するのが良い事なのか悪いことなのか分かりませんね.どっちでも走行抵抗はあまり変わらないようです.それならいっそ昼間から点灯したほうが,安全性の確保では良いのかも知れません.
ところで,どうしてシマノのハブダイナモを小径車の高速走行で使用した時に,点灯したほうが消灯時より抵抗が少なくなるという現象が起こるのか分かりません.どなたかぼくにどんなささいなヒントでも良いので教えてください.
2002 年 2 月 9 日の話題からBrompton 用のハブダイナモ BromSON について
BromSON の計画を再開.シュミットハブダイナモ(SON)のメーカ Schmidt Maschinenbau は中断している Brompton 用のハブダイナモ BromSON の開発を 2002 年の夏ごろから再開するそうです.
BromSON はまだ試作段階で試作品が 2 つあるそうです.それらは強度などの性能面では特に問題ないそうなのですが,通常の SON20 を改造した物なので,製品用にコストを抑えられるように設計しなおすのだそうです.
どうして計画が中断していたかというと Sturmey-Archer という Brompton にギアハブを供給していた会社が潰れてしまったりして,Brompton の設計が見直される心配があったので,Brompton が落ち着くまで BromSON 計画は凍結だったのだそうです.
Brompton は前輪がはいるフロントフォークの幅が普通のロードレーサやマウンテンバイクよりも狭いのです.ですから前輪のハブ(軸の部品)も狭い幅に合わせたものが必要です.折り畳み自転車にはダホンのものなど狭い幅のフロントハブが必要なものがいくつかあります.それで Brompton 用に狭い幅の BromSON が開発されているのです.
Schmidt Maschinenbau は BromSON をホイールに組み込んでライトとセットで販売することを考えているそうです.
ところで,シュミット・ハブダイナモ(SON)は,一定以上の電圧にならない仕組みになっているそうです.以前リカンベントサイクリングクラブメーリングリストでシマノのハブダイナモに対して,どうやって一定の電圧に抑えたら良いかという話題が議論されましたが,シュミット・ハブダイナモでは心配いらないようです.シュミット・ハブダイナモは小径ホイール用も用意されていますし,より安心ですね.
Brompton 用のハブダイナモはシマノのものを加工して幅を狭くした物が bn というブランドで販売されています.イトーサイクルさんなどで扱っています.それは追加生産の計画は今のところないそうです.これは BD サイクリングクラブメーリングリスト[BD cycling:09386] からはろーにこにこさんによる情報.
自転車用発電機(ダイナモ)の仕組み
ダイナモの仕組みについて説明しているページを幾つか紹介します.
横浜物理サークル
- 自転車のダイナモ [ link to Wayback Machine ]
- 自転車のダイナモ その 2 [ link to Wayback Machine ]
- 自転車のダイナモ その 3 ハブダイナモの内部
自転車のダイナモについて原理と仕組みを分解例を示して説明.その 3 ではハブダイナモの分解解析に.
TDK Coffee Break Story「自転車発電ランプ」の巻
自転車の一般的な発電機の仕組みについて,かなり詳しく説明されています.
シュミット・ハブダイナモについてのリンク
Schmidts Original Nabendynamo / シュミット・ハブダイナモ 公式ページ
ほとんどドイツ語です.
米国の販売代理店のページ
Bicycle Lights and Generators / シュミット・ハブダイナモ (SON) の紹介
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