Sat R Day Recumbent: ぼくはこれに BD-1 よりももっと長距離,またはもっと多くの荷物でのロングツーリング.そんな用途を想定している.もちろん選択肢はいろいろあるだろうが,リカンベントが欲しかったのである.リカンベントにもいろいろあるが,ぼくは絶対輪行できないと困るので,できれば簡単に輪行(電車で運ぶこと)ができる物が良いのだ.
リカンベントはどうしても通常の自転車よりは全長が長くなりがちだ.だからフレームが何らかの折り畳み機能を持っているとありがたい.普通の自転車なら折り畳みでなくても輪行はできる.がリカンベントでは,折り畳み機構が全くなければ,かなり無理しなければならなさそうな...
そして折り畳み自転車のブランド Bike Friday で知られる Green Gear Cycling 社から折り畳みのリカンベント Sat R Day が発売された.もうこれで決まり.リカンベントを買うならぼくにとっては現時点でこれしか無いという訳だ.
ちなみに Sat R Day は「Saturday / 土曜日」ってのと「Sat / 座る sit の過去形」をかけたしゃれなのね(笑).さらにぼくは Bike Friday のタンデム Two's Day が Tuesday の事だと気が付くのにすっごく時間がかかった.
CUSTOM BUILT FOR ONO HIROKI とネームプレートに入っている.これもじつは HIROKI ONO ではなく ONO HIROKI にしてくれと注文したのだ.普通はどう入るか知らないが.
この CUSTOM BUILT もだてではない.あらかじめ普段乗っている BD-1 での BB とサドルの間の長さ(つまりサドルの高さ)などを注文票に書き込んであったわけで,そのためかシートの位置など初めからちゃんとばっちり出ていた.後から分かったことだが,シートの位置が悪いと乗れないのだ.乗れないという意味は,乗りにくいとかのレベルではなく,本当に漕ぎ出せないという意味でそういうことが起こり得るのだ.適当にシートを倒したら,シート位置が遠くなりすぎて,本当に乗れなくなった.シートを倒したらその分前に出さなければならなかったのだ.そういう調整がはじめから出ているって実はすごいことなのではと関心したのであった.
トラベルケースをトレーラとして牽引できる.そのケースの中に,リカンベント本体,泥除け,キャリアなどの全てを入れることができる.旅行の時に全てをケースに入れて運んで,到着地で自転車に乗るときにはそのケースは牽引するのだ.やはり米国では車で移動でなければいきなり飛行機ってかんじだからだろうか.
このトラベルケースとトレーラのシステムでもけっこうな値段である.しかしぼくには Bike Friday といったらトラベルケースとそのトレーラ付きでという思い入れがあった.まだ BD-1 を買う前からトレーラを引く Bike Friday にはあこがれがあったのだ.いつ使うか,どう使うか,値段はどうしたなんて話は後で,もう Bike Friday を注文するならぼくにとってはトラベルケースとそのトレーラ付きしか考えられなかったのである.
どうせなら頼めるものは全て頼んで置こうというのりで,泥除けとキックスタンドも注文した.結局は納車された時点で梅雨も空け切らなかったので,泥除けは大成功である(笑).そうでなくてもやはり雨の時でも走る可能性があるなら泥除けはあった方が良いだろう.
普通の自転車でならスタンドがなくてもあまり不便は感じないかもしれない.実際 BD-1 ではそれほど感じないし,MTB ではツーリングなんてしていないので,まったく必要ない.しかし初めてのリカンベントでスタンドが無かったらどうなるのか心配だったのである.下ハンドル (Under Seat Bar) のハンドルでは,倒すともろにそれが当たりそうだし,シートに土が付きそうな気がする.それでキックスタンドも注文した.驚いたことに Sat R Day Recumbent の製造元 米国 Green Gear Cycling 車では Sat R Day 用のキックスタンドは,今回の注文が始めてで,この注文の為にいきなり作ったそうだ.その割りに具合が良い.やはり便利だし.ケースに入れる際もスタンドを外す必要は無く,普通に折り畳む時にもスタンドが前輪のスポークの間に刺さる感じになるが特に問題ない.
私の Sat R Day はハンドルバーがシートより下にくる下ハンドル (Under Seat Steering Bar) であるが,Sat R Day ではハンドルバーがシートより上にくる上ハンドル (Above Seat Steering Bar) もある.
上ハンドルのほうが,見た目からして普通の自転車により近い感じだし,リカンベント初級者にも扱いやすいと言われている.実際にプーさんや man さんの上ハンドルのバージョンの Sat R Day に乗ってみる機会があった.それはまったく別の乗物で,下ハンドルよりも扱いやすい.特に後を振り返ったりするのは,下ハンドルよりも上ハンドルのほうが簡単に思えた.これは下ハンドルに慣れた後の感想である.初めてリカンベントを購入する場合は,Sat R Day の上ハンドルがおすすめである.下ハンドルはリカンベントによりそれらしい強い特徴が欲しいという場合の選択肢だろう.運転者の前に何もないという解放感と,独特の運転感覚を楽しむためのもので,乗物の性能として上ハンドルに対してどんな優位性があるのか分からない.Sat R Day の場合,下ハンドルの方が同じクラスの部品構成でも若干高価になる.リカンベントはそれでも下ハンドルがかっこいいなんていう思い入れがあるときに選択すれば良いのだろう.
1999 年 6 月 30 日作成 / 1999 年 8 月 30 日更新