2005 年 5 月の履歴(もしくは日誌)


2005 年 5 月

5 月 10 日

タンデム自転車とブレーキ

タンデム自転車は下り坂で結構スピードが出ます.重量と空気抵抗の関係ですね.kaz さんが計算例を紹介しています.V ブレーキでもディスクブレーキでも,まぁきちんと止まれます.問題は,長い下り坂をスピードコントロールしながら下る場合です.運動エネルギーはブレーキによって熱に変換されるのですが,その熱がいろいろ問題を引き起こすのです.

V ブレーキのようなリムブレーキではリムが熱を持ちます.小径ホイールでは,熱容量と放熱の関係でやや不利かも.熱が発生すると,その熱でリムテープやチューブ,はてはタイヤがダメージを受けます.まぁパンクしたりするのですが,熱が問題の場合はチューブにパッチしただけでは解決できなかったりするようですね.

リムブレーキと違って,ディスクブレーキやドラムブレーキハブブレーキです.この場合はリムは熱を持ちません.でもディスクブレーキだってキャリパーの樹脂パーツが熱で溶けたり,ハブブレーキもブレーキパッドが炭化してしまったりといったトラブルが発生することもあるようです.

まず解決策ですが,「休み休み,ゆっくり下ろう」これです.

長い急な下り坂で,あまりスピードが出過ぎないように,ずっとブレーキを少しかけたままで坂を下ると,どんどん熱を持ってきます.これが良くないのです.

熱を持ったら時々自転車を止めて,熱が下がるまで待てば OK です.たまに休憩して,さらにブレーキを点検すれば安全です.

V ブレーキとディスクブレーキでは,熱をもったときにそれぞれどのようなトラブルが起こるか,どのくらいの熱でトラブルが起こるかが違うだけで根本的な解決ではありません.

アライのドラムブレーキは,補助の第 3 番目のブレーキとしては有用ですが,制動力はあまりないので,これをメインのブレーキには普通は使いません.

長い下り坂で,スピードが出過ぎないように,ブレーキをかけながら下って行くという用途で,本当に使えるのはアライのドラムブレーキだけだと聞いています.マウンテンバイクダウンヒル用のディスクブレーキ類も,熱に対する対策としては,荒いのドラムブレーキにかなわないそうです.

使い方は,バーエンドシフターなどをブレーキレバーの代わりにしてドラムブレーキにつないで使います.それで下り坂の間だけ,一定の制動力をかけ続けるのです.そして,ドラムブレーキとは別に,前輪と後輪にそれぞれ普通にブレーキがつきます.

Bike Friday で注文すると,後輪にドラムブレーキをつける場合と,前輪にドラムブレーキをつける場合があるみたいです

荷物を沢山持って走るような場合なら,ドラムブレーキを追加するのも良いと思います.間違っても山坂道のある山岳地帯にタンデムで行ったりしないという場合は V ブレーキで十分だと思います.

でも,キャノンデールのタンデム自転車って 30 万円からとかです.それを考えたら Bike Friday のタンデム自転車って安いと思います.なんでみんなはタンデム自転車を買わないんだろう不思議です.

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