2005 年 6 月の履歴(もしくは日誌)


2005 年 6 月

6 月 28 日

誰がメタデータを記述するのか - そこまできている Semantic Web

RDFメタデータを記述して,Semantic Web だ! なんていっても,誰がわざわざ RDF を書くだろうかというところが問題だと思うのですが,実はいろいろ手がありそうですね.小文字の semantic web と呼ばれ最近では microformats と呼ばれるような方法で,XHTML の記述をちょっとだけ工夫して,メタデータを抽出できるようにしておくとか,tag 付けによる folksonomy とか...

del.icio.us とか はてなブックマークなどのオンラインブックマークで tag 付けをすることが,つまりメタデータを付加することになっているという話を聞いて,なるほど何かしら面白い結果が得られるのであれば,皆が喜んでメタデータを付加するということはあり得るのだなって感心しました.

最近,Musical Baton ってものが流行りました.ぼくは興味が無かったのですが,神崎さんが Musical Baton をメタデータとして考えて,RDF での語彙を設計しているのはとても興味深く拝見しました.RDF の語彙を考えるという視点でも面白いですが,Musical Baton がメタデータとして扱えるって視点がびっくりでした.

これって,はじめからメタデータを収集することを目的に仕組みを作っておけば面白いなって思いました.Musical Baton の時には,どこからまわってきたのかをたどって行くのも大変だったし,結局皆がいろいろと情報を出したのに,それを収集して統計するようなシステムは無かったので,ちょっと残念な感じ.

もしメタデータを収集することを目的に仕組みを作っておくなからこんな感じか:

  1. どこかに「バトン・ポータル」を作って,カテゴリーを選ぶとそのカテゴリーに応じた質問が現れ,フォームに答えを入力して行くと,結果として XHTML のソース断片が得られる.
  2. その XHTML のソース断片を自分の Weblog に貼付けて記事を作り,「バトン・ポータル」に Trackback ping を送信.
  3. 「バトン・ポータル」は ping を受信したら,Weblog の記事を取得して microformats の要領でメタデータを抽出.
  4. 「バトン・ポータル」は収集したメタデータを RDF/XML で配信するとともに,データにアクセスする為の API を用意する.

別にそんなに難しくなさそうだし,すぐにこういうサービスが始まってもおかしくないですね.Musical Baton のように「転送」していくようなものでなくて,以前流行った the friday five のように Weblog の記事ついてのお題が出て,それに答えるという形も良いかもしれない.

これって,ソーシャルネットワークサービスみたいなものと組み合わせても面白いかもしれないし,Amazon みたいなオンラインショッピング会社がやっても面白いかも.もうちょっと考えれば,ちゃんとお金儲けもできる仕組みになりそうではないですか.

すでにこういった話は他でも話題になっています.

プログラマ向けの話題にして,それぞれがメタデータを準備することが前提でやってみたらどうかというお話.それぞれがメタデータを RDF/XML で用意するってのはプログラマ向けには確かに良いけど,一般向けへの応用は厳しいですね.

メタデータを直接用意するのではなく microformats を利用すると良いという提案がありました.フォームを用意して質問に答えると HTML が生成されるという事も構想されています.

「バトン・ポータル」みたいな仕組みができて,それがメタデータを扱う基盤に RDF/XML を採用すれば,あっというまに Semantic Web の時代が来るかもしれない.

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