2005 年 6 月の履歴(もしくは日誌)


2005 年 6 月

6 月 29 日

言及とリンクのないトラックバック

記事 A では話を一般化して完結した記事として書かれたと考えてください.この記事 A の内容は記事 B の内容と関連がありました.しかし記事 A を読む上で特に記事 B を参照する必要は無いとします.

記事 A の筆者は,簡潔さのために記事 B へのリンクをしない事を選択しました.記事 B を参照しなくても記事 A だけで完結しているからです.この場合に記事 A から記事 B にリンクをしない事は特にだれからも責められるような行為ではありません.

その時に,記事 B の筆者と読者は,記事 A からトラックバックを受けないほうが幸せなのでしょうか.

記事 A の読者は記事 A だけで完結しているのであれば,記事 B の存在を認識できなくても,特に問題が無いように見えます.

さて,この時に言及リンクのないトラックバックを送ったとして誰が不幸になるのでしょう? 言及リンクのないトラックバックを送らなかったとして何が守られるのでしょう.

検索エンジンでのランキングとか読者の誘導なんて事を考えていると,間違った判断をしそうに感じます.それぞれがそれぞれの読者に配慮し,書き手が他の書き手に配慮すればそれで良いではないですか.

ぼくは,ぼくとぼくの記事の読者に有益なのであれば,どんなトラックバックでも歓迎です.トラックバック送信元の記事の読者は,もともとトラックバック受信側のぼくの記事の読者ぢゃ無いんだから,ぼくがトラックバック送信元の記事の読者たちの心配をする必要もないですし.

まぁもっとも,むちゃくちゃなトラックバックの使い方をする人が増えてくれば,そんな事を言っていられなくなるのでしょう.そして現状がまさにもうむちゃくちゃなのかな.

さて,この記事は,以下の記事を読んで書いてみました:

引用します:

このリンク関係で幸せになるのは、サイトBの読者β人だけである。もし言及リンクをしていれば、さらにサイトAの読者α人も幸せになれる。「β」だけより、「α+β」の方が良いのは言うまでもないであろう。言及リンクをしないサイトAの管理人は怠慢だし、サイトAの読者は不幸である。

引用終わり.

もしサイト B の記事にある疑問が書いてあったとしましょう.それに関連し,その疑問についての回答も含むけど,そのサイト B の記事に特化されていない一般化された話としてサイト B の記事が完結していたとしましょう.サイト B から サイト A にトラックバックすることによって,サイト B の書き手と読者は疑問に対する回答が得られて幸せです.そしてサイト A からサイト B にリンクがなくても,サイト B の読者は困らないでしょう.むしろ先に回答になるサイト A の情報を得ているのに,疑問だけが書いてあるサイト B の記事に誘導されても,うれしくないのではないでしょうか.リンクがあるからたどってみたら,なんの価値も見いだせなかったという場合も勘定に入れて考えなければならないのではないでしょうか?

トラックバックに価値があるかどうかは,結局トラックバック送信元の記事にトラックバックの受け手にとって価値があるかどうかであり,その価値を評価するのに言及とリンクの有る無しが分かりやすい指標であることは確かであるけれども,それが絶対というわけではないとぼくは考えますが,いかがでしょうか.

「言及とリンクのないトラックバックはよくない」というのが常識だととかマナーだとか言われるようになりつつあるのであれば,ちょっと抵抗してみようかな.

言及とリンクのないトラックバックを許すか許さないかの利点と欠点を十分評価した上でこれからのルールづくりをしていこうという話なのであれば,「言及とリンクのないトラックバックを許さない」というルール付けは秩序を作るのに一定の効果があるという事であれば,そのとおりだとは思うけど.

http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/weblog_d20050629n1 TrackBack