2006 年 2 月の履歴(もしくは日誌)


2006 年 2 月

2 月 24 日

アクセス解析で見る,チェーンメールの影響

2 月 20 日ごろに,急激に広まった「このメールを10人に回さないと暴力団組員に殺される」という内容のチェーンメール.そのチェーンメールについての相談のメールが最初に来たのが 2 月 16 日でした.その後 19 日から同じチェーンメールについての相談が増え始め,今日までに 160 件以上の相談がありました.ピークは 20 日と 21 日だったようで,すっかり相談のメールも少なくなりました.

ぼくの Web サイトのアクセス解析を見ると,20 日と 21 日に特異なアクセスの増加がありました.ヒット数やページビューではなく訪問者数で見てみると,ここ最近は 1 日あたり 3,000 人くらいなのですが,20 日と 21 日はそれぞれ 1 日あたりで 6,000 人を越えていました.

19 日から 22 日の間での訪問者数の増加分を集計すると約 1 万 1 千人.それだけの人数がチェーンメールの話題のために増加していたようです.

チェーンメールが流行って,1 万人以上がアクセスし その 1.5 % くらいが,ぼくにメールをしたことになります.

訪問者の 1.5 % くらいがメールするってのはとても大きい数字なのではないでしょうか.

さて,チェーンメールを受け取った人の何パーセントがぼくのページを訪問したでしょうか? 訪問者でメールをくれた人が 1.5 % だったのですが,もしチェーンメールを受け取った人の 1.5 % がぼくのページを訪問したとしたら 70 万人以上がチェーンメールを受け取ったということになります.

チェーンメールを受け取った人の何 % がぼくのページを訪問するかを概算するなんの根拠もありませんが,1.5 % ってのは大きな数字なんぢゃないかと思います.もっと少ない割合でしょう.そうしたら,もっと多くの人の間でチェーンメールが巡っていたということで,70 万人程度でなく数百万人規模だったのかもしれません.

23 日になってからは,相談のメールもすごく少なくなり平常状態に戻った感じです.

チェーンメールがなぜ良くないかをどう説明するか.ネットワークへの負荷を理由にすると,最近のネットワークはチェーンメールくらいなら問題ないなんて反論があるようです.でもそれはチェーンメールが良くないというルールの中でのチェーンメールの影響の事であって,チェーンメールは内容によっては良い事にしようというルールの場合になった場合はどうなるのかを考えると違ってくるはずです.アクセスの増加を見て,そんな事を考えました.

チェーンメールについての他のサイトではチェーンメールをいろいろ紹介しているところが多いです.チェーンメールを紹介しつつ,こんなの信じるのはバカぢゃんっていう文脈で語る人も多いのですが,不安になった人がそんな文章を読んでも不安が解消される訳でもないと思うのです.

またチェーンメールについて解説しているサイトでは「チェーンメールを受け取って不安な場合は,こちらのメールアドレスに転送してください」って,いつくかのメールアドレスを用意して公開してるところも少なくないのですが,そんな対応では結局はチェーンメールへの理解がすすむわけではないし,なんの解決にもならないと思います.

ではどうすれば良いのでしょうか.とにかくチェーンメールについてうまく説明することと,いたずらのチェーンメールを受け取って不安になっている人に対して,不安を取り除くようなサポートをすることでしょうか.

なんにしても,面白そうな事を楽しめる範囲で,できる事をできる範囲でやるしかないと思うので,それなりの範囲で続けて行こうと思います..

ぼくがどういうところを楽しんでいるのかというと,「チェーンメール」っていう現象を追いかけて,それについてあれこれ考える事と,相談のメールを通じていろんな人とやりとりすることですね.

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