履歴もしくは日誌

AIR と Silverlight，そして iPhone

今やデスクトップコンピュータの OS とかアプリケーションよりも Webサービスプラットフォームのほうが重要になりつつあって，Web サービスとデスクトップ環境を統合するものとして Adobe のAIR とか Microsoft の Sliverlightとか出てきて，それらは競合している．そういう認識だったんだけど間違いないでしょうか?
さらにもう一つの勢力が HTML 5 と Ajax のオープンスタンダードの力で AIR や Sliverlight に対抗できるものを実現しちゃえっていうものに見えます．
HTML5 と Ajax への対応は Microsoft の Internet Explorer がやや遅れている感じですが，FireForx や Opera，そして Safari/Webkit はかなりがんばってますよね．最近は Javascript エンジンの性能競争が熱いですし．

Apple は Safari / Webkit が武器な訳ですが Webkit ってかなりがんばっていますよね．Windows 版の Safari も出たし Linux でも Webkit ベースの Webブラウザがいろいろ出てきているし，Google が押し進める Android のスマートフォンプラットフォームも Webkit採用です．Nokia も Webkit のブラウザをスマートフォンに載せています．Adobe も AIR で Webkit 使ってますし．そして Apple からは OS X でSafari / Webkit を駆使する究極のモバイルデバイス iPhone です．

AIR や Silverlight は Windows と Macのマルチプラットフォーム化をしてこれからモバイル環境を拡充しようという段階なのに，Webkit はモバイルインターネットデバイスでも実績ができちゃってます．

Apple が Java とか Flash を iPhone でサポートしないのは意図があるように感じます．Webkit を使ってHTML5 と Ajax のオープンスタンダードで Web アプリケーションの競争を勝ちに行くつもりなのかな．そして Web アプリケーションがローカルでネイティブアプリケーションと同様に動くようになるだろうし．iPhone では Web アプリケーションとローカルアプリケーションの差はもっと小さくなるでしょうね．

Microsoft Silverlight は Windows Mobile と Nokia のスマートフォンには対応するそうです．Adobe は Flash のサポートを Windows Mobile などのスマートフォンにも広げているけど Adobe AIRではスマートフォンとかモバイルインターネットデバイスをどうサポートしていくのか．
きっと iPhone では AIR も Silverlight も対応されないでしょう． Adobe や Microsoft はiPhone との競争で iPhone を無視できる程度に圧勝して AIR や Silverlight を広めたいでしょうな．一方で Adobe や Microsoft にしても HTML5 や Ajaxなどのオープンスターンダードは結局サポートせざるを得ないしょう．

Firefox, Opera, Safari/Webkit はそれぞれ競争しながら HTML5 や Ajaxの充実を押し進めていくのでしょうね．そしてほんのちょっと前までは想像もできなかったことですが Safari/Webkitはその競争の中でかなり戦えそうです．Google Android と iPhone は競合する面がある一方で Webkit によって HTML5 と Ajaxを押し進めて，Adobe AIR や Microsoft Silverlight とは共に対抗して行く立場に見えます．

そういう視点で見たときに Apple にとって iPhone って強力な武器ですよね．Windows 版の Safari の発表がiPhone と同時だったのは意味があるのです．iPhone の発表の時に iPhone 用のアプリケーション開発は Webアプリケーションでって話だったのも本気だったのだと思います．

Permalink Trackback URI http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/weblog_d20080721n1 TrackBack