しまなみ海道 2001 春 サイクリング

リカンベントサイクリングクラブ 四国 2 泊 3 日の旅

2001 年 3 月 26 日

愛媛県今治市から広島県尾道市まで

概要

今年も「しまんと・春・ロングらいど」という大会に参加した.そしてその大会の後で今年もしまなみ海道をサイクリングした.去年と違うのは,ひとつは大会終了後その日のうちに,今治に移動してしまうこと.もうひとつは今年は一人でなく,リカンベントサイクリングクラブのメンバー数人と一緒だということだ.

しまなみ海道は愛媛県今治市と広島県尾道市の間の結ぶ道で,瀬戸内海に浮かぶしまじまを結んでいる.今治-尾道 間は,全て橋がかかっているので,船を使わずに渡ることができる.尾道と向島を結ぶ尾道大橋を除いた,新しい橋には特に自転車・歩行者が通れるようになっている.自転車専用レーンがある橋と歩行者・自転車道がある橋とがある.いずれの橋も,車道とは別に橋へのアプローチが用意されていて,自転車は比較的緩やかで,くねくね曲がった坂道を登って橋に入るようになっている.橋は全て有料で 50 円から 200 円の料金が各橋ごとに必要で,料金は通常は料金箱に投げ込む形になっている.尾道大橋の車道は自転車が通れないわけではないが,無理して通っても楽しいわけではないそうである.代わりに渡し船があり,70 円とか 110 円とかで,尾道-向島 間を渡ることができる.地元の人が生活に使っていて,自転車もそのまま乗り込める.渡し船によっては自動車も載せるようである.

去年はどしゃ降りの中を走った.去年の感想では広島側と愛媛側では,明らかに愛媛側のほうが良く整っているので,疲れてきてから広島側を走るのが辛かった.だから今度走るときには,逆のルートで尾道から今治へ走りたいと思ったのだが,今年もスケジュールの都合上,今治から尾道へのルートになった.

中村から今治へ

3 月 25 日

「しまんと・春・ロングらいど」という大会が終わった.本当は 14 時ごろには走り終えて,16 時半ごろの列車に乗って今治へ移動するつもりであったのに,ぼくは遅れに遅れて 16 時半を過ぎてからゴールした...確か今治への最終は 18 時半ごろだったはずである.SHIG さんが先に駅に行って,列車を調べてくれるという話になり,他のメンバーはホテルに預けてある荷物を取りに行くことに.ホテルで荷物を回収して中村駅へ.時間はあまりないのだ.

SHIG さんが駅員から聞いた話では,18 時 9 分の列車が今治に行く最終で,しかも途中でバスを使わなければならないということだった.それしか今治に行く方法はないということなので,その切符を買う.

今回のメンバーは Sat R Day のおのひろき,杉並の渡邊さん,SHIG さん,Toxy のパナールさん,BikeE のこだまさん,Trice のいいづかさん.

Sat R Day の 3 人はまぁいいとして,BikeE や Toxy (ローレーサ) ,そしてTrice (3 輪リカンベント/トライク) といった大物ぞろいである.バスに乗れるワケがない.乗車を拒否されてしまうのではないか.心配してもどうにもならないので,とにかく列車に乗るために輪行準備だ.

Sat R Day をケースに収めるにはそれなりに時間がかかるし,今治に到着してからも走って宿に移動するので,今回は Sat R Day Recumbent は輪行袋へ.他の荷物をスーツケースに収めた.

中村から高松方面に向かう,18 時 9 分の急行に乗り込む.とりあえず出発はできた.しかし途中でバスを使わなければならないというのは問題だ.事前に Internet 上のサービスで検索したデータでは鉄道だけで今治まで行けたはずである.iモードを使って調べ直すと,多度津で今治方面への特急に乗り換えられるようだ.多度津で乗り換えて今治まで行けるのかどうか車掌さんに確認する.車掌さんの答えは Yes.中村駅の駅員がすすめたバスを含むルートよりも時間がかかり料金もかかるが,ぼくらは乗せてもらえるかどうかわからないバスに頼るより,鉄道で移動したいのだ.車掌さんに切符を交換してもらえるかどうかたずねると,それは無理なので多度津駅でということになった.

バスの問題が解決してホッとするメンバー.すると急にお腹が空いてきた(笑).特に夕食もとっていないのに,もう日はとっくにくれているのだから.途中の駅では売店などもしまっている.乗り換え駅の多度津でも,周りの店は全てしまってしまっているし,自販機でも固形物の食料を手に入れることはできなかった.

地震の影響からか,列車は遅れていた.多度津で別の特急に乗り換えて今治駅へ.すでに日付は変わってしまった.なんと一日の長かったことか.

今治はそれまでの駅と違って明らかに大きな街だ.これならコンビニエンスストアで食料を買えるかも.四国にはコンビニエンスストアが少ないというのは本当かもしれないが,今治駅から出発してその夜の宿「サンライズ糸山」への途中でコンビニエンスストアを発見して,やっと食料を入手できた.

今治市サイクリングターミナル「サンライズ糸山」

今回の宿「サンライズ糸山」は「今治市サイクリングターミナル」といって,自転車旅行者の為の施設だ.特に自転車旅行者でなくても泊まれるのだろうど.そこは安くてとても良い宿だった.ぼくらは 3 人ずつに別れて 2 部屋に泊まった.ぼくらの部屋にはベットが 3 つ入っていた.一部屋 4 人までと聞いていたが,これは 3 人部屋のようだ.去年は予約がいっぱいで泊まれなかったその宿に,今回泊まれたのは嬉しかった.

お風呂は各部屋にはなく,浴場に行かなければならない.それは 23 時までの規則なのだが,到着が遅くなると説明してあったので 25 時半を過ぎた時間だったのに,お風呂が使えるようになっていた.「しまんと・春・ロングらいど」で雨の中を一日走って,そのまま列車に飛び乗ってきたのである.温かい風呂に入れるのはなんともありがたい.

部屋に戻ってコンビニエンスストアで買ったお弁当を食べて,やっとベットに入る.部屋はパナールさんといいづかさん.多少話がもりあがったが,やはり使えているのでそうそうに切り上げて眠りについた.

朝 / サンライズ糸山

3 月 26 日

朝はバイキング形式の朝食.朝からパスタを食す.

サンライズ糸山の前で,いいずかさんのトライクで遊ぶ.お得意の方輪走行.カーブで 2 つある前輪の内側を浮かすのはすでに普通にできる.Trice は安定しているので,方輪を浮かしたまま直進することもできた.試してみるとそのまま設置している車輪のほうへカーブできる.カーブで外側の車輪を浮かせたままにできるのだ.もうすこし練習すれば,方輪を浮かせたままスラロームができるようになるのではないだろうか.

Sat R Day を軽く洗って泥を落とす.チェーンにチェーンオイルをさす.ブレーキの調子が悪かったので,点検すると,ブレーキシューがうまくリムに当たっていなかったようで,シューが偏摩耗していた.特に前がひどい.シューを外してアスファルトにこすりつけてリムにあたる面を平らにする.そうしてからきちんと取りつけ直す.もうこのシューは帰ったら交換しないと駄目だろう.とにかくきょう一日はなんとかなりそうだ

準備に手間取ったぼくと渡邊さん以外は先に出発.ぼくと渡邊さんで後を追う.

来島海峡大橋を渡り,大島の宮窪町に入って先行していたメンバーに追いついた.一列になってすすむ.車高の低いローレーサの Toxy では,どうも景色があまり楽しめないらしい.橋を渡っているときは手摺ごしに景色が見えるが,橋へのアプローチでは,道は狭く両側がコンクリートの壁になっていたりして,ローレーサではなにも見えない.

サイクリングロードとは行っても,ほとんどは自転車通行可の歩道である.ただその歩道は十分広く,トレーラを引いている Sat R Day や 3 輪の Trice でもあまり無理がない.

今回宿を出発するのは 9 時過ぎだったが,尾道から新幹線で帰る都合上 17 時には到着したい.そう急がなければならない訳でもないのであるが,あまり道草食ってるわけにはいかない.

昼食 / 生口島

記念撮影をするために途中で止まった以外は,もくもくと走る.先頭は Trice いいづかさんだったが,正午を過ぎて生口島に入ってからぼくが先頭になる.昼食は瀬戸田の町でしようということになり,ぼくが先導する.瀬戸田の町につくと,確かにいろいろ店はあるのだが,外から見てピンときたところは特に無し.今回は食事のことまでは誰も予習してこなかったのだ.自転車を止めるスペースも必要だというわけで,ぼくが去年食事をした店「せとだ水軍丸」に向かう.観光バスが来るようなお店で店内も広いし,自転車を置くのにも十分なスペースがあった.「すいぐん飯」とかいう炊き込みのご飯を食べる.

生口島で食事をするまでのところは,迷うようなところはなかった.自転車が通るべき所は緑色にペイントされているので,その通りにすすめばいいのだ.しかし生口島の残り半分からは,急にサイクリングロードはあやしくなる.ペイントがなくなり,標識も少なくなる.路側帯にときどきマークが描いてある程度だったりする.一度は走ったコースなので,ぼくが先頭を走る.パナールさんはその日のうちに新幹線で東京までもどらなければならないので,あまり遅くなるわけにはいかないのだ.パナールさん以外のメンバーは実はけっこう時間に余裕があって,駄目ならもう一泊してもいいやくらいの心構えだった.

渡船 / 向島

因島大橋を渡る.向島に入り 5 km も走ると向島町の市街地になる.向島から尾道への橋である,新尾道大橋には自転車・歩行者道がなく,尾道大橋も歩道が狭いらしい.今治市サイクリングターミナルでもらった「しまなみ海道 サイクリングマップ」でも新尾道大橋や尾道大橋でなく「渡船」を使うことをすすめている.

そのわりに,しまなみ海道を走っていても「渡船はこちら」なんて表示がないのはどういうことか...

去年も人に道を聞いたのだが,今年もすぐに人に道を聞くことにした.地元の人に道を教えてもらい,いくつもある渡船の発着場所の一つへ.尾道駅まえに着く船だ.去年も利用した.

3 輪の Trice を含む 6 台のリカンベントと,地元の人の自転車 1 台が渡船に乗り込む.そしてぼくらは航海に出発.前回は雨が強くて気にならなかったのだが,実は船に海水のしぶきがばしゃばしゃはいるのだ.どうりで地元の人は船の後に控え目に乗ったわけだ.船の一番前に出たぼくとぼくの Sat R Day は潮に濡れた.

尾道駅

無事に尾道駅に到着.新幹線が利用できる新尾道駅へは移動せず,尾道駅から在来線にのり途中で新幹線に乗り換えることに.

尾道駅に到着したら,今度はパッキング競走だ.ぼくは Sat R Day を分解してケースへ.他の人はそれぞれの方法で輪行袋へ.

1 時間ほど時間がかかったが,ぼくのパッキングは他の人と比べたら決して遅くなかった.2 泊以上の荷物であり,それぞれリカンベントという決して輪行向きでない自転車なのだ.もちろん折り畳みのリカンベントである Sat R Day を輪行袋に入れる SHIG さんと渡邊さんは比較的楽そう.大変なのはやっぱり 3 輪の Trice だ.

反省会

無事に輪行の準備ができてから,尾道の駅前のお好み焼き屋に入った.「大人数で大荷物なんですが,いいですか?」ってことわりはしたけど,ほんとのほんとに大荷物.もちろん輪行袋までは店内に持ち込まなかったが.

深夜バスで帰る予定の SHIG さんとは尾道駅でお分かれして,残りの 5 人は電車で帰路についた.

来年は,大阪からフェリーで四国へ渡り,足摺岬をまわって中村に入り,翌日「しまんと・春・ロングらいど」に参加.さらに中村にもう一泊して,翌日今治へ鉄道で移動してから,今治からしまなみ海道を走り,途中の島で一泊.翌日尾道まで走って終了というプランはどうだろうなどと話し合った.

今年のしまなみ海道は良い天気と良い仲間に恵まれて,とても良かった.その一方でだぁーっと走り切ってしまったので,もう少しのんびり走りたいなとも思った.さてはて来年はどうなるだろうか? 毎年走ることになるのかな?


2001 年 4 月 2 日作成


おのひろき onohiroki@cup.com