2004 年 1 月の履歴(もしくは日誌)


2004 年 1 月

1 月 29 日

低価格 デジタル一眼レフカメラ Nikon D70 と天体写真

Nikon からも低価格なデジタル一眼レフカメラ D70 が発売になりますね.まだちょっと先ですが.Canon から EOS Kiss Digital が発売されてから,町中でデジタル一眼レフカメラをずいぶん見かけるようになりました.Kiss Digital は特に女性が持ち歩いているのがすごく目立った印象です.
天文雑誌にも,デジタル一眼レフカメラによる星野写真が出ていて,けっこう写るんでびっくりです.D70 はどうなんでしょう.

古くから天文写真の分野では,CCD カメラが使われいましたが,それはデジタル一眼レフカメラも含めた,一般のデジタルカメラではなくて,天体写真用に特化されて,ノイズを減らす為に冷却して使うような特殊なものでした.
それはそれで面白そうだし,結果もすばらしいのですが,ぼくにはそういう特化したものに大金つぎ込むほどの気合いが無いのです,もはや.

それが最近になって,デジタル一眼レフカメラでも星野写真が撮れるようになり,しかも写真よりも手軽かもしれない,けっこうちゃんと写るらしいって感じになってきました.

Canon の EOS DIGITAL天体写真ガイド では,低照度相反則不規が無いから露出が短くて良いとありました.それなら気楽にガイド撮影できそうです.

暗いものを撮影するときには,露出時間を長くします.つまりシャッター速度を遅くして,シャッターが開いている時間を長くすることで,沢山の光を集めるわけです.ところが,フィルムでは,露出時間を長くすれば,その分だけ良く写るという訳ではなく,露出時間がながくなると,フィルムの実行感度が低くなってしまうんです.それが低照度相反則不規です.

この低照度相反則不規がデジタルカメラではないので,フィルムと同じ感度なら,フィルムよりは露出時間を短く出来ます.10 分露出していたのが,2 分で済むようになると,どんどん撮影できるし,失敗も少なくなります.

あとデジタルカメラでは,カメラに赤外線カットフィルタが内蔵されています.そうすると赤い散光星雲の写りが悪くなってしまうんです.これはデジタルカメラの機種ごとに,赤外線カットフィルタの特性が違っていて,買ってから赤外線カットフィルタを交換できないので,カメラを買う前に確認しておきたいところです.天文雑誌なのの作例を見て判断するしか無いでしょうね.

D70 では,この赤外線カットフィルタを天体写真用に加減しているという話です.アストロアーツの天文ニュースにありました.

記事から,赤外線カットフィルタについての部分を引用します:

特筆すべきは、「天体写真撮影を考慮し、赤い光に感度域を従来の機種よりもやや長めに設定した(後藤哲朗氏・ニコン映像カンパニー開発統括部ゼネラルマネージャー)」という点である。従来のデジタル一眼レフでは、赤外カットフィルタによって水素の輝線である赤い光がカットされ、散光星雲などの写りが銀塩フィルムに劣るという事実がある。これに対応すべく、具体的に天体写真を意識して製品に反映させるというニコンの姿勢は、賞賛に値するといえるだろう。

引用終わり.

またノイズについても記事では良い事が書かれて,その部分を引用します:

気になるダークノイズだが、実機サンプルで、ISO 1600相当、常温、ノイズリダクションONで2分露出を行なってみたが、目立つ星状のノイズなどは見られず、CCDとしてはきわめて少ないという印象である。

引用終わり.

う〜ん.ほんとかなぁ.ほんとに星の写真が良く写るのかなぁ.天文雑誌で作例を見るのが楽しみになりました.

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