2004 年 4 月の履歴(もしくは日誌)


2004 年 4 月

4 月 27 日

タンデム試乗会

日曜日は,タンデムの試乗会がありました.それに参加して来ました.この試乗会は,バリアフリー点検・評価などをしている団体である MSS ネットワークさんから紀洋産業の岡田さんに,連絡があった事からはじまりました.もともとは,秡川さんと青柳さんが浜名湖サイクル・ツーリングに参加したときの新聞記事が, MSS ネットワークの人の目にとまり,3 輪のタンデム自転車を提供した紀洋産業さんに連絡されたそうです.

試乗用のタンデム自転車は主に紀洋産業さんが用意し,MSS ネットワークさんで会場となる東京都豊島区の時習小学校校庭を借りる手続きなどをしたそうです.小学校の校庭を借りる手続きは,大変だったろうと思います.

当日は,紀洋産業さんから提供の 3 台のタンデム自転車,1 台の 3 輪のリカンベント.そしてぼくの ViewPoint タンデムでの試乗となりました.浜松からは,祓川さんも駆けつけ,MSS ネットワークから視覚障碍のある人とそのヘルパーさんたちとで,総勢十数名という参加者でした.

試乗は和気あいあいという感じで,校庭をぐるぐるまわりました.
その学校の校庭は,田舎育ちのぼくが見ると,ずいぶんこじんまりとした校庭で,コンクリートで固められていて,緑と赤で色分けされた上に,トラックやテニスコートなどのために白線が引かれていました.

視覚障碍とはいっても,弱視の人は,校庭のトラックが色分けされたり白線が引かれているために,なんとか見えるそうで,貸し切りの校庭を安心して一人乗りのリカンベントで走ってました.その車両は,あまり極端に寝そべっていなくて,前輪は紀洋産業さんが扱っている 2 輪のものに交換されて全部で 3 輪のタイプの自転車でした.

ViewPoint タンデムは,かなり評判良かったです.ヘルパーさんを含め,いろんな人を乗せて走りました.でも,次々にいろんな人を乗せるという条件では,いちいちストーカのためのサイズ調整をするわけにもいかず,足が届かない人や,窮屈な思いをした人もいました.サイズ調整では,チェーンをきってつなげ直したりして,チェーンの長さを変える必要があるので,こういう試乗会で調整するのはちょっと難しいです.

試乗会が終わってから,MSS ネットワークの人たちと居酒屋へ.ぼくは走って帰る都合でアルコールは控えました.いろいろな話がきけました.東京サイクリング協会が定期的にやっているタンデムサイクリングに参加したことがある人もいて,その人がいうのには,決まったコースをぐるぐる走るだけなのが残念だと言っていました.普通の人はサイクリングといったら,近所を走ってみたあとで,もっと他の場所を走ろうと思うのが自然だけど,視覚障碍者ではそもそもサイクリングを楽しむ機会が限定的な上に,いつも決まったコースしか走れないとか. 確かにそれはもっともです.
タンデム自転車に対する地方自治体の条例が撤廃されれば,もっと状況が改善されると思いますが,問題は条例の事だけでなくて,道路環境整備とか自動車と自動車以外の低速な乗り物との車道の共有のあり方とかいろいろな問題がからんできます.

あと,MSS ネットワークの事務局長さんは晴眼者(せいがんしゃ:つまり視覚障碍の無い人)なのですが,彼とはタンデム自転車はもっと普及しなくてはいけないってかなり熱くかたり合いました.
タンデム自転車が普及して,タンデム自転車の販売が商売としてもきちんとなりたたないといけません.

それで障碍者も健康で体力のある若い人もお年寄りも,皆が同じようにサイクリングを楽しめるという状況が実現しないかと.

ぼくも楽しかったし,とても有意義な一日でした.

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