2004 年 2 月の履歴(もしくは日誌)


2004 年 2 月

2 月 6 日

混乱する「RSS の周辺」

RSS についての記事をいくつか見ました.確かに RSS は,いろいろなバージョンがあって,それぞれ思惑が違っていたりするので,複雑に見えるかもしれません.しかし,最近の記事で指摘しているのは,そういう RSS のバージョンごとの仕様の違いについての事ではなくて,もっと別の事が問題になっているようです.

問題は 3 つあるようです.

  1. Web ページで,RSS はここだよって指定する方法
  2. RSS の書き方というよりも,XML の書き方
  3. RSS っていったいなんなのか?

これらは,RSS のバージョンがいろいろあるって話とは,関係無い話ですね.

ひとつ目は,「Web ページで,RSS はここだよって指定する方法」について:

RSS リーダが使われるようになって,ある Web サイトの RSS をどうやって登録すればいいのか分からない.RSS のファイルはどこにあるのか分からないって事が問題になっています.

『RSSリーダー』 Headline-Reader Q&A (FAQ) − RSS とは?で指摘されている,RSS auto-discovery の実装方法がなんかおかしいとか RSS とあるリンクなりアイコンなりバナーなりがリンクしている先が実は RSS ファイルでないとか... そういった事.

ふたつ目は,「RSS の書き方というよりも,XML の書き方」について:

特殊文字などのエスケープの仕方とか,HTML のタグをどう扱うかとか.

HTML で「ホームページ」とかやっていた時は Web ブラウザーがエラーを出さないから好き勝手にやっていた訳です.で XML でも,ぼくの RSS リーダで読めたから OK みたいなやりかたで進んで行くと,めろめろに.

みっつ目は,「RSS っていったいなんなのか?」について:

description に適切な長さの要約が含まれていれば良いのか,content:encoded とかを利用して,HTML のタグ付きのリッチなものが必要なのかとか.

RDF でメタデータを書こうというときに RSS を利用するという立場は,RSS は RSS リーダで使うもの,つまり記事の配信で使うものっていう立場は,かなり違った者で,どういう RSS を利用するかはまた違ったもんでしょうし.

hail2u.net - Weblog - 迷走するRSSから引用します:

itemが追加される一方で、どんどんサイズが大きくくなる
いや、もうそんな古いの見ないし。見るにしてもRSSリーダーにログが用意されてたりするし。

引用終わり:

ぼくは 2002 年分のメタデータとか 2003 年分のメタデータなど 1 年単位のものを生成しちゃっていますね.

記事のメタデータを RDF で保存しておくと考えたら,それもありだと思うのです.XHTML にうまく RDF が埋め込めるようになったら,そういうやり方も考えた方が良いでしょうけど,その時になってもメタデータを記述した別ファイルがあるというのは悪くはないと思います.なにもそれを RSS リーダで読んでくれって事ではないですし.

Doblog では,RSS は,全ての記事を含んだモノしか提供してなかったのか,新着 15 件に限定したものも提供するようになったそうですね.どちらも提供されていればそれでいいんぢゃないでしょうか.

RSS が,記事のメタデータを XML で記述したものだっていう所は良いとして,それがいったいどういう意味かというのは,まだ混乱していて,RSS リーダで読めればいいぢゃんとか RSS リーダで読めなきゃならんとか,いろいろですね.

きちんと RSS や XML の仕様を確認して,一般的にどのように使われているのかを意識して使えば問題ないでしょう.これは情報を整理して啓蒙すれば,正しい方向に向かえるのではないかと思います.「RSS っていったいなんなのか?」ってところは,確かにまだちゃんと整理されていない気がします.

最近の RSS の迷走とか混乱を話題にした記事に対しての kota さんの「はてなダイアリー - in the vanguard」の記述:

「迷走とか混乱」って言葉が迷走していたり、その言葉に混乱しているような気がしなくもないのですが

というコメントがありましが,これがなんか的確だなって思いました.

RSS について,整理が必要っていう意味の最近の記事:

http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/weblog_d20040206n1 TrackBack

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