2004 年 10 月の履歴(もしくは日誌)


2004 年 10 月

10 月 18 日

FOAF に足りないこと PLINK に足りなかったこと

FOAF によるメタデータを収集し,加工して表示させるサービスである PLINK がサービスを終了してしまいました.その理由がぼくには意外でした.なぜ自分の情報が PLINK に登録されているのかっていう問い合わせが多く対処しきれなくなったからだというのです.

FOAF では,自分で自分のメタデータを公開する場合と,他の人が,自分のことをメタデータとして公開する場合があります.自分を表現する為に「自分にはこんな知人がいる」っていうことを記述したり,ある写真のメタデータとして,映っている人の情報が記述されたりするので,必ずしも自分が記述したメタデータだけってわけではありません.PLINK では様々な FOAF を拾って来て,それをまとめて表示していました.

この,自分の情報を他人が記述するという部分が問題なのではないかという議論もあるのですが,これはやはり書き手がいろいろ配慮するべきなのでしょう.他人のメールアドレスを公開しないとか...

あとココログとかLOVELOGとかlivedoor Blogなんかを使っていると,プロフィール情報や友達へのリンクなどの情報から FOAF が自動生成されて公開されたりします.仕組みを知っていないと,いつのまにか勝手に自分についての情報が,別の場所で 2 次利用されてしまったり.
PLINK で問題になったのは,こっちのほうが多かったのではないでしょうか?

公開された情報が別の場所で 2 次利用されることが問題なのではないと思います.
Google で検索したときに,検索結果に snippets っていうのかな,Web ページの一部抜粋がでますよね.あれなどは明らかに公開した Web ページを Google が 2 次利用しているのです.でも Google けしからんなんて言う人は少なくて,皆便利に使っていると思うのです.

PLINK の画面は Google などの検索エンジンの画面には似ていなくて,むしろ mixi とか orkut といったソーシャルネットワークサービスの画面に近いものでした.そういった画面設計が良く無かったのだと思います.

検索エンジンに自分の Web ページがヒットするのはうれしくても,知らないところで勝手に自分がソーシャルネットワークサービスに登録されていれば,びっくりしますし,なにが起こっているのかと不信に感じると思うのです.

PLINK では,FOAF を知らない人にバックグラウンドで FOAF が動いているという仕組みを見せる工夫が足りなかったのではないかと思います.
人を検索するという使い方を中心に起き,検索結果として FOAF の URI を示し,付加情報としてその人のプロフィールを出すように工夫すればもっと広く受け入れられたのではないでしょうか?
つまり公開されている情報を検索できるサービスだという点をもっとアピールして,わかりやすく表現する工夫が必要だったのではないかと思います.

Bulkfeeds は,基本的に検索サービスで,FOAF は付加的に扱われているので,PLINK のような問題はおこらないのではないかと思います.

あと,FOAF を RDF/XML として公開するだけでなくて,同時に HTML/XHTML のページも用意することがあると思うのですが,FOAF 内にそういう HTML/XHTML 版のページへの参照を記述して,FOAF の検索エンジンのようなものは,そのページへのリンクを見せることで,公開されている情報の検索エンジンなのだという事を見せるようにするという仕組みが良いのではないかと思います.

PLINK 終了についての言及のリスト:

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