履歴もしくは日誌
2005 年 2 月の履歴(もしくは日誌)
2005 年 2 月
2 月 24 日
デジタルカメラで撮影した画像に位置情報を付加する GPSPhotoLinker
GPS 機能とカメラ機能が付いた携帯電話では,撮影した画像に位置情報を付加することができたりします.JPEG 画像ファイルなどのメタデータの規格である Exif に位置情報を付加しているのです.ぼくも手持ちのハンディ GPSとデジタルカメラの組み合わせでそういった事ができたら良いのにって思っていたのですが,自分でやるとなるとかなりの手間がかかるので手を出しませんでした.ところが最近良いソフトウェアがあって,簡単にデジタルカメラで撮影した画像に後から位置情報を付加できることを知りました.そのソフトウェアが GPSPhotoLinker です.
- GPSPhotoLinker
http://oregonstate.edu/~earlyj/gpsphotolinker/
Mac OS X 用フリーウェア
ハンディ GPS のデータを FlightTrack などを使って,GPX 形式でトラックログ(軌跡情報)を保存します.この GPX ファイルとデジタルカメラで撮影した JPEG ファイルをそれぞれ GPSPhotoLinker に読み込むと,撮影時刻と GPS トラックログの時刻情報から位置情報を計算して JPEG ファイルに位置情報を書き込みます.複数の画像ファイルと複数の GPX ファイルを読み込んで一括処理することができて簡単です.
Exif に書き込まれた情報はこのような形式でした.
- 北緯
- 35/1 45/1 101036/4096
- 東経
- 139/1 48/1 77856/4096
Exif の規格では,整数または分数で 3 つの数値からなるということなので,これでも問題なさそうです.
Exif 2.2 の規格を引用します:
The latitude is expressed as three RATIONAL values giving the degrees, minutes, and seconds, respectively. If latitude is expressed as degrees, minutes and seconds, a typical format would be dd/1,mm/1,ss/1. When degrees and minutes are used and, for example, fractions of minutes are given up to two decimal places, the format would be dd/1,mmmm/100,0/1.
引用終わり.
ところが,神崎さんの Exif to RDF - metadata extractor ではうまくデータが読まれませんでした.
「Exif to RDF - metadata extractor」は画像ファイルの URI を指定すると,Exif 情報を RDF/XML に変換します.
画像の URI を http://onohiroki.cycling.jp/PhotoAlbum/2005-02-20_arakawa/image/DSCN1772.JPG として RDF/XML 情報を見てみました.用意されている XSLT とW3C XSLT Service を使って HTML に変換すると以下のようになります:
「Exif to RDF - metadata extractor」だと以下のように表示されました.
- 北緯
- 35/45/101036/4096
- 東経
- 139/48/77856/4096
ちゃんと読み取れなかったようです.
分数を計算して小数にすると:
- 北緯
- 35/45/24.98339844
- 東経
- 139/48/18.61083984
これは WGS-84 という測地系(DATUM) です.地球は完全な球体ではないので,回転楕円体みたいな形で近似をしますが,その近似の仕方がいろいろあり,日本では以前は Tokyo DATUM を使う事になっていました.ぼくは GPS の表示は Tokyo DATUM のままだったので,Tokyo DATUM に変換します:
- 北緯
- 35/45/13.35
- 東経
- 139/48/30.22
で,画像はハンディ GPS を撮影した画像なのですが,GPS に表示されていた経度・緯度は以下の通り:
- 北緯
- 35/45/13.2
- 東経
- 139/48/29.7
まぁ,あまり高い精度ぢゃないけど,こんなもんかなぁ.デジタルカメラの時計は 5 秒くらいずれていますね.あと撮影の瞬間の位置情報はトラックログにはなくて,撮影した時刻の前後の位置情報から補完されています.
ちなみに DATUM の変換は Nowral さんの Web サイト「MacPS・Perl」の変換フォームで変換しました.でもこのフォームは IE ぢゃないとうまく動かないような...
GPSPhotoLinker は,手軽にデジタル画像ファイルに位置情報を追加できるので,今後は積極的に使って行こうと思います.でも一部でも対応してないアプリケーションがあるとなるとちょっと不安です.
Trackback URI http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/weblog_d20050224n1 TrackBack