2006 年 1 月の履歴(もしくは日誌)


2006 年 1 月

1 月 24 日

FrightTrack について

FrightTrack は,Mac OS X で動作する GPS トラックログ(軌跡情報)の管理と,3 次元グラフィックによる資格かを行うソフトウェアです.2005 年 2 月に FrightTrack を紹介するページを作ったのですが,それ以後もあまり日本語での解説ページなどはできていないようです.もう少し情報を足してみましょう.

FrightTrack は,Garmin の ハンディ GPS などから直接データをダウンロードできます.もっとも Garmin の GPS でも USB でなくシリアルケーブル接続できるタイプに限ってです.シリアルケーブルでは最近の Macintosh に直接接続できないので,シリアル-USB 変換をするアダプタが必要になります.ぼくは Keyspan のアダプタを使っています.

ダウンロードしたトラックデータは GPX か IGC というフォーマットで保存できます.GPX は XML ファイルであり,すでにいろいろな GPS 関連ソフトウェアでサポートされています.GPX でデータを保存して管理するのが良いと思います.

Garmin の GPS でも最近はシリアルケーブルのためのインタフェースが無く,USB ポートだけのものが出て来ました.ところがこれをコンピュータにつなぐためには,そのコンピュータの OS 側で,USB 接続の GPS のためのドライバなどが必要になるようです.Gamin は特に Mac OS X 用のドライバやソフトウェアを出していません.

MacGPS Pro という,歴史のあるソフトウェアがあります.今でもちゃんと機能追加されつつ更新されています.なんでも最近は USB 接続の Garmin GPS に対応して,GPX 形式でフィアルを保存できるそうです.MacGPX Pro で保存した GPX は FrightTrack で読み込めると MacGPS Pro の開発元の Web サイトに書いてありました.

FrightTrack では,トラックログを表示して,さらに人工衛星からの写真をダウンロードして合成することができます.衛星写真の上に GPS による軌跡を描く事ができるのです.

でも,どうも拡大してみるとずれているように見えてました.

このずれはどうしてなのかと思っていたのですが,最近理由がわかりました.

FrightTrack は,グライダーでの軌跡を描くために開発されたソフトで,グライダーの軌跡が地表と交差しないように,一定のげたをはかせて,軌跡はかならず地表より上になるようになっています.標高はスケールを調整して誇張表現もできます.そして描画はかならず 3 次元表示です.

つまり,衛星写真の面から軌跡はかならず地表から浮いているので,軌跡を斜めからみればかならず地表からずれて見えます.これがずれの原因だったのです.

だから,標高のスケールを調節して小さいスケールにすればずれは小さくなります.

2 次元として,軌跡を地表に投影した図を書くモードがないので,本質的にはずれは無くならないでしょう.

さて,衛星写真と合成しただけでは,地面は平面なままですが,地表の標高のデータを読み込めば,地表のでこぼこも再現できるようになります.

この地表の標高データの読み込みは,FrightTrack の Web サイトにも解説されています.日本周辺だけ読み込むと,数メガバイトのデータになります.解説はフランス語と英語だけです.もし日本語で解説してくれってリクエストがあれば,ぼくが日本語で説明しようかな.

昨年の麦草峠のトラックログを FrigthTrack で表示してみました.地表データを読み込んで,さらに衛星写真をマップするととても良い感じです.山が 3 次元的に表示され,その表面に写真が貼付けられるので,まるで本当に山を俯瞰しているような絵ができます.これがマウスを動かすとぐりぐり回転します.

ぼくが使っている GPS は標高データは記録できないのですが,FrigthTrack が地表の高さにさらにちょっとげたをはかせた値をトラックログの標高データに足し込むので,トラックログは地表を少し浮いた位置で描かれます.

FrigthTrack はサイクリング後にトラックログを表示して楽しんだり,サイクリングの記録を他の人に紹介するのにはとても良いソフトだと思います.

一方サイクリングの計画を立て,ルートデータを作成して GPS にアップロードするような用途には使えません.そういう用途なら,今ならプロアトラス X2 が良いのかもしれません.

そうそう,プロアトラスの地図を Web で公開している人がいますが,あれはライセンス違反ですよね.そういう用途ではプロアトラスは使えません.株式会社アルプス社の Web サイトで明示してあります.その部分を引用します:

ホームページ上で地図を使用してもいいですか?
プロアトラスX2の地図データをWEB上で公開する使用につきましては、ご遠慮いただきますようお願いいたします。また、メーリングリストなど不特定多数の方に、地図をメールに添付して送ることもご遠慮いただいております。詳細は、使用許諾契約書をご参照ください。

引用終わり.

この点,MapFan II PUE は,ユーザが加工しない状態なら,地図をそのまま Web で表示して良いというライセンスになっていてすばらしかったのですが,Mac OS X 版が出ていません.もう出ないかも.

でも,Web で地図を使いたい場合は,これからは Google Maps なんかを利用すれば良いので,Web での地図データの利用のことで市販の地図情報ソフトのライセンスを気にしなくても良いかもしれません.

すでに GPX データを Google Maps API を使って表示する例もあります:

今後はこういった方法で GPS のデータを公開して行こうかな.

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