センチュリーラン笠間'99

6 台の Birdy が出走!

1999 年 9 月5 日

今年のセンチュリーラン笠間

センチュリーラン笠間は 1999 年で 4 回目の開催で,笠間市の芸術の森公園を会場とし,筑波山を中心に大きく一周する約 160 km のセンチュリーコースと 90 km のショートコース,さらに今年から駅前までの散策コースが設定された.ぼくは去年と今年で 2 回目の参加.コースはもちろん 160 km のセンチュリーコースだ.この大会はレースではなく,一般公道で行われるサイクリング大会だ.センチュリーコースには 185 名のエントリーがあった.

去年は弟に誘われての参加であったが,今回弟は不参加.そのかわり小径ホイールの自転車で参加しようと web ページで呼びかけていた BIGBAN こと おおわださんのお仲間や BD Cycling Club からの参加の嶋田さんなどと一緒に過ごした.

前日

前日の土曜日,大学の恩師に誘われていたので大学のある本厚木へ.そして本厚木から笠間に向かった.電車で行くとなると朝がとても早くて始発で出ても間に合わないので前夜は会場近くに宿を取ったのだ.本厚木を 16 時に出発しても,笠間に到着するのは 20 時ごろだ.たまらなく遠い.去年は弟の運転する車に同乗していったので楽だったのが...

宿はホテル イオ アルフェラッツ(電話:0296-72-7311)だ.実は大会運営側で参加者のためにシャワーを借りるのがこのホテルだ.去年もシャワーを借りたし,ホテルの前がコースになっている.駅から自走したがすぐに分かった.自転車は折り畳んで自室へ.自転車を自室に持ち込むのは当然だと思うけど,折り畳みでない人はどうするのかしら?レストランで食事をとったが,遅い時間に行ったので客はぼく一人,ちょっと寂しかったな.

当日 朝

朝はかなり早起きだ.前夜にコンビニエンスストアで調達しておいたサンドイッチなどを朝食にした.走っているときには必要の無い物は,バックパックにつめてフロントに預ける.夕方走り終わってから回収するのだが,どうせ帰り道だし,やはりシャワーも借りたい.

さっそくホテルを出発して会場となる笠間芸術の森公園へ.ホテルから会場まではほんとうに近くて,自走してもウォーミングアップにもならない.会場についてみるとまだ受付が始まっていない.どうしたものかと思ったところでタイミングよく おおわださんに声をかけてもらった.実際にお会いしたのはこれが初めて.やはり BD-1 なんかで会場にやってくる人はほかにそういないのですぐわかるのだろう.

出走

受付をして車検を済ませる.そして開会式だ.いろいろお偉い人のご挨拶,ミス笠間の笠間市の紹介.なんにしても笠間市としてこういう大会に積極的なのはありがたいことだ.その開会式がちょっと長引いて 8 時から出走の予定が 8 時 10 分からにずれることに.ぼくは出走番号 10 番で 10 人ずつのスタートなので,一番最初の 8 時 10 分の出走になる.

前回は地図をコピーしてコースを赤くなぞって通過予想時間なども書き込んだコースマップを自分で用意したのだが,看板を良くみれば大丈夫だということが去年走って分かったし,一度走ったコースでもあるので,今年はそういった準備はなし.氷水の入った 500 ml のステンレス保冷ボトルと 1 l の platypus の水筒.チョコレートバーとかチューブ入りの補給食とかそんなものを準備した.ぼくはいつもサイクリングにでるときはフロントバックを付けている.それにはいつも防水で薄手のウィンドブレーカが入っているのだが,それも今回は入っている.普通の人は荷物が多いと重くなるのでフロントバックなどはつけないのだ.サドルバックには一通りの工具と予備のチューブとパンク修理キット.

BD-1 はいつもの状態で今日の為に特別なことはしていない.ただ前輪はプリモ・コメットというタイヤをはいた Sat R Day リカンベント用のものと交換.サイクルコンピュータも最近ワイヤレスの SPECIALIZED SpeedZone Team に交換してきた.このメータはその時のスピードがそれまでの平均速度に対して速いか遅いかの表示が出るのが良かった.

そしていよいよ出走だ.とりあえず人の後をついていけば安心だということで,そうすることにした.ところが,走りはじめてみるとまわりはかなり良いペースだ.ロードレーサと張り合ってもしかたないので,自分のペースでなどと頭では考えるのだが,実際はかなり頑張っているペースだ.それでもやはりおいていかれてしまった.一番始めの出走であるから,走り始めは自分より速いペースの人が自分を追い抜いていくばかり.自分が誰かに追いつくということはほとんどない.誰かの後につこうとして置いていかれてということを繰り返す.

チェックポイント 1

結局一人でもくもくと走り第 1 チェックポイントへ.ここまではなんとなく周りの雰囲気にやられてしまってハイペースだ.そして去年は雨の中だったのと,出走番号も遅かったのでかなりチェックポイントには休んでいる人が多かったのだが,今年はあまり人がいない.皆チェックを済ましたら,水分補給を受けてすぐに走り出している.ぼくはそう頑張ることもないかと,とりあえずトイレに行くことに,ここで少し自分を落ち着かせなければ....

トイレから戻ってさぁ行くかと思ったら,出走番号 50 番台の PEUGEOT Pacific な人達がチェックポイントに入っていた.ぼくはすぐに走り出さずに他の Pacific な人達が走り出すのを待って一緒に走る事にした.

ところが走り出してみたらけっこう速いのである(笑).しまったこれはついていけないのではないかと少々不安になる.途中で前を走る 2 人がコンビニエンスストアに立ち寄るのに気が付いたが,ぼくはそのまま走ることにする.きっと途中で追い抜かされるのだ.そして 14 速の Pacific に乗る Tom さんの後を走ることに.後にくっついて走ってみるものやっぱり速い.事前には時速 25 km くらいでとか思っていたけど今のペースは 30 km/h くらいだ.一生懸命ついていく.そして途中で今度はぼくが前に.やっぱり一生懸命こいでみる.後をたまに確認しても Tom さんはついてきているので,このくらいのペースでやっぱり問題ないのだとなっとくする.去年はだらだらしていたから 9 時間近くもかかったのだ,雨だったのもあるけど.

そんなこんなで Tom さんとは前後しながら走る.途中 Tom さんにはかなり置いていかれてしまったが,その後で Tom さんのペースも落ちてきていったんは追いつく.すると今度は後から,秋元さんと後藤さんが追い抜いていくので,またそれについていこうとしてみたり...

結構必死で走ったので,去年よりかなり速いペースだ.第 2 チェックポイントを前に去年昼食にしたコンビニエンスストアを見つけたので同じ所で昼食にしようと立ち寄ることに.おにぎりなどをとりあえず買っては見たものの,どうも今の胃の具合では厳しそうだ.水分補給とチューブ入りのゼリーなんかを食べてまた走り出す.もう次のチェックポイントはすぐのはず.

チェックポイント 2

もうすぐだと思っていた次のチェックポイントが思いの外遠い.確かにコースに見覚えがあるのだ.きっと去年は食事した後の調子が良くって,距離を比較的短く感じたのだろう.思っていたより遠いということは,言い換えれば少なからず精神的にダメージを負ったということ.やっぱり辛い.

そうこうしているうちにやっとチェックポイント.おばかな自分はここで出走カードを無くしてしまっていることに気が付く.ゴミと一緒に先のコンビニエンスストアで捨ててしまったのだろうか.チェックポイントの係員に説明して適当な紙で出走カードの代用を作ってもらう.

さて次はどっちにいくのだろう?

休んでいる人は多いが走り出す人は誰もいない.今年の第 2 チェックポイントは去年とちょっと場所がずれてスタート地点のまん前だ.見ているとハーフコースの人達がぞくぞくとゴールしていく.誰か走り出さない物かと待っていたら,一人が係員にどっちに走り出した物かと聞いている.そうぼくもそれが知りたかったのだよ.そして人が走り出すのを見てぼくはついていくことに.

第 2 チェックポイントまではだらだらと登り坂があるものの比較的平坦だ.その後は結構キツイ登りがあるコースである.まずは中山峠.標高がどうのという前にすでに 100 km ほど走った後なのであるから登り坂がきつくないわけがない.それでも今年の BD-1 には軽いギアも用意してあるので去年よりはもちろん楽だ.去年は峠の標識の前で三脚立てて弟と記念撮影をしたもんだなんて思いながら,峠でちょっと休憩を入れる.すると峠をおおわださんが登ってきた.途中でコンビニエンスストアで昼食をとっていたそうで,ぼくは声をかけてもらったのに気が付かずに通りすぎたということだった.ぼくも慌てて走りはじめて一緒に走ろうとする.が,しかし....
あっというまにおいてかれた...

おおわださんの自転車のほうが下り坂でもスピードが出るようだ.どうして?まぁもともと足の差もあるんだからしかたない.

そして秋元さんと後藤さんに追い抜かれ,やっぱり置いていかれる.

途中,予めコースを知らないと本当にこっちでいいのか?っていう場所も出てくる.車通りなどほとんどない所だ.去年もコースに自信が無くて心細かったところがあり,どういう訳か,そんな場所にキッツイ登り坂がある.登ってみてからミスコースではしゃれにならない.まぁ今年は去年その坂をひぃひぃ言って登った記憶があるのでコースは間違いないのだと安心して登りにかかる.しかし安心しているからと言ってさほど楽になるわけではないことが分かった.やはり今年もひぃひぃ言って坂を登っていると後ろから声をかけられたような気がした.振り返ると一人が坂を登ってくる.その距離だとぼくの視力では良く分からない.ぼくはとりあえず登り切ってから待つことにした.

はたしてそれは Tom さんだった.Tom さんもぼくと同じように 7 段変速だった Birdy を 14 段変速にしている.「そうでなければこの坂は登りきれないね」などという話をした.その後しばらく話をしながら走ってみたりしたが,やはり途中からは別々に.

登り坂は実はまだあってもう休み休み登るしかないという感じだ.どんどんロードレーサの人が登っていく.「これが一番キツイ坂だ.あとは楽だぞガンバレ!」なんて登りながら声を変えてくれる人もいる.そう,確かにこれを登りきれば後はもう大した登りが無いのは分かってはいるのだ.登り切ったらもう次のチェックポイントまでもうすぐなのだ.でもやはり休み休みだ.

チェックポイント 3

第 3 チェックポイント手前でボトルが空になってしまった.
今回は完全に水の補給や食べ物の補給を失敗したような気がする.飲みすぎ食べすぎなのではないか?のどが乾くからと水を飲みすぎたような気がする.途中から口の中を湿らせる程度にした.それに昼食もちゃんとはとらなかったので,携帯していた補給食を食べ食べ走ってきたのだが,ちょと食べすぎたのか?なんだか胃が重いような.単に疲れただけなのか?そういえば今回は塩分を補給できるような物はなんにも用意しなかったなぁとか.いろいろな事を考えた.
それでも次のチェックポイントはすぐそこだ.きっと水をボトルに入れることもできるだろう.

そしてチェックポイントは去年と同じ所にあった.今年はまだ片付けを始めたりしていないし,ぼくの他にも人がいる!去年は弟と 2 人だけで係員はもう片付けを始めていたのである.聞けば水は冷えていないがポカリスエットは冷えているということだ.もう水を頭からかぶらないとならないほどの気温ではないが,口に入れるのは冷たい物のほうが良いだろうとポカリスエットをボトルに入れることにする.一応係員にポカリスエットをボトルにもらうと了解を得る.係員の「もう残り僅かだからボトルいっぱいにはいらないでしょう」という言葉をきいて素直にボトルに半分位入れて走り出す.半分で足りるかなぁ.

そう第 3 チェックポイントをすぎればもう後はゴールを目指すだけ.しかもそれはもうそれほど遠くないのだ.キツイ登り坂も無い.ペースをあげて頑張って走る.時間を見て,7 時間をを切るのはムリそうだけど,頑張ればあるいは...なんて欲が出てくるのだ.去年 9 時間弱だったのに今年は 7 時間を切れるかなんて心配をしている(笑).

ゴール!

ゴールが近づいてきて,かなり意識してペースをあげる.もうボトルも空になったしスタミナも切れてしまったようで思うようにはペースがあがらず.ゴール手前で 7 時間をすぎたのを確認したが,最後まで頑張って走り切った.そして今年のタイムは 7 時間 10 分!上出来である.

小径車では先におおわださん,秋元さん,後藤さんがすでにゴール済み.そして 6 分遅れて Tom さん.その後に吉成さんと続いた.しかしなかなか BD Cycling Club のメンバーの嶋田さんが帰ってこない.

駐車場に移動しておおわださんの車の近くで他のメンバーを待っていた.驚いたことにおおわださんはシャワーまで用意してきていた.なんでも太陽熱であったかくなるそうで,使う時には今の季節だと水で薄めて適温にするらしい.

お茶をいただいたりしてのんびりしていると嶋田さんが戻ってきた.聞くと途中棄権で回収車に乗って帰ってきたということ.お疲れさま.本人も残念そう.

メンバーが全員そろったので,撤収準備にかかる.おおわださんたちは荷物を車に積み込みにかかる.人数と自転車の台数のわりに折り畳み自転車がまじっているのでけっこう良く載るものだ.そうして駐車場で別れて,ぼくは荷物を預けてあるホテルへ寄りシャワーを借りてから,笠間駅まで自走してそこから輪行である.

今回は小径車で一緒に走る仲間がいたのでとても楽しい大会になった.おおわださんは次回のイベントランからは PEUGEOT Pacific-18 だということであったが,今回 PEUGEOT Pacific-18 で走った Tom さんなどはセンチュリーランは小径車では辛いので次回からは大きな車輪のロードレーサということだ.秋元さんと後藤さんは体力的にも余裕がありそうで,PEUGEOT Pacific-18 の性能にはご満足のよう.ぼくはセンチュリーランは BD-1 で走るのが楽しいと思っているので,またセンチュリーランを走ることがあれば BD-1 だろう.その時にはまた BD-1 などの小径折り畳み自転車で一緒に参加してくれる仲間が集まったら嬉しいと思うのだ.

しかし疲れた後で電車で帰るのは実はけっこうしんどかった.3 時間以上電車に乗った.来月のびわ湖一周マラソンでは走り終わってから,もう一泊して,それからゆっくり帰ることにしようと心に決めたのであった.

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1999 年 9 月 19 日作成/2001 年 9 月 6 日修正

おのひろき onohiroki@cup.com