iPhoto から GoogleEarth へ : JetPhoto Studio の利用
ハンディ GPSで移動中の記録をとり,その記録から移動中にディジタルカメラで撮影した画像に位置情報を付加する.それらの画像を Mac OS X の iPhoto で整理して,効率よく位置情報も含めた形で Web で公開するにはどうすればよいでしょうか.前回は iPhoto から位置情報を付加した画像を Flickr にアップロードする手順を説明しました.今度は Google Earth にデータを読み込みます.
以前 iPhoto から Google Earth へ データを移そうとした時は,iPhotoToGoogleEarth という iPhoto 用プラグインを試したのですが,ぼくの環境では動作しませんでした.異常終了してしまうのです.というわけで,別の方法を探してみました.それで JetPhoto Studio というのを見つけました.これは GPSPhotoLinker と iPhoto と Flickr へのアップロードツールの組み合わせに iPhotoToGoogleEarth を追加したような機能があります.つまり JetPhoto Studio だけでだいたいの事ができてしまいます.しかも iPhoto からアルバムを読み込む事もできます.
ここでは画像ファイルを iPhoto または JetPhoto Studio でアルバムとしてまとめて,そのアルバムのデータを KML や KML ファイルを ZIP 形式で圧縮した KMZ ファイルで保存するまでの手順を解説します.
JetPhoto Studio は Windows 版と Mac OS X 版があります.ここで紹介するのは Mac OS X 版ですが,きっと Windows 版も同じようなものでしょう.
では,JetPhoto Studio を使って,iPhoto から Google Earth へデータを移し,さらに Google Earth から KML ファイルとして保存する手順を説明します.
JetPhoto Studio を起動.
「File」メニューから「New Album...」を選びます.ここで現れるダイアログウィンドウでアルバムの保存先を選んで,New Albumという項目にアルバムの名前を適当に入力して,画面下の「Create Album」というボタンを押します.
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新規にアルバムを作ったら,画像ファイルを読み込みます.
「File」メニューから「Import Photos」の「iPhoto Library...」を選びます.iPhoto のアルバム一覧が表示されるので,なにか選択して取り込みます.iPhoto 上で画像にコメントを入れていれば,それも一緒に取り込まれます.
iPhoto を使っていない人は,「File」メニューから「Import Photos」から「From Camera...」を選べば直接カメラから,「From Files/Folders...」を選べばファイルを指定したり特定のフォルダを指定して画像を取り込めます.
JetPhoto Studio のアルバムのウインドウの左上に「»」と記号のついたボタンがあります.それをクリックするとドロワーが出ます.ドロワーの Infomation タブを選ぶと選択中の情報が表示されます.すでに GPSPhotoLinker などで位置情報が埋め込まれていればそれが表示されます.Notes タブを選ぶと iPhoto で入力したコメントが表示されます.
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ドロワーには GPS の位置情報埋め込む為の機能もあります.
ドロワーの左側にタブがあり,一番下に GPS というタブがあります.これを選ぶと GPSPhotoLinker と同じように GPS の軌跡データ(トラックログ)を利用して,画像に位置情報を埋め込む事ができます.
ドロワーの上部に「Import...」っていうメニューがあります.GPS のデータを GPS から直接か,もしくは GPX ファイルを指定して読み込みます.
ドロワーの中段のタイムゾーンのメニューが「(+09:00)Tokyo」になっているのを確認してから,ドロワーの上部の「Match...」メニューから「Match All Photos with All Tracks (Recommened)」を選びます.すると GPS のデータを利用して,画像に位置情報が埋めこまれます.
GPS のデータ利用して位置情報を埋め込むと,JetPhoto Studio のアルバムのウインドウが Map に切り替わります.
GPSPhotoLinker などを使ってあらかじめ位置情報を埋め込んであった場合は,JetPhoto Studio で改めて位置情報を埋め込む必要はありません.JetPhoto Studio のアルバムのウインドウのタブから Map を選んで Map の画面に切り替えます.
Map の画面では地図は表示されませんが,平面上にオレンジの点がいくつか描画されます.その点が画像に対応しています.
Map の画面の右下付近にアイコン付きで,「Go To Earth」っていう目立つボタンがあるのですが,これをクリックするとどうなるでしょう.
「Go To Earth」ボタンをクリックすると Google Earth が起動して,JetPhoto Studio のアルバムの画像が Google Earth 上で表示されます.
自分のコンピュータの上で楽しむのが目的なら,これで十分楽しめると思います.
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次にアルバムのデータを Google Earth から KML ファイルもしくは KMZ ファイルに保存してみましょう.
JetPhoto Studio のアルバムから読み込まれたデータが Goole Earth の「場所」のリストに表示されているはずです.アルバム名のフォルダがあり,その下にカメラのアイコンで画像ファイルのリストがあります.アルバム名のついたフォルダを選択した状態で,Google Earth の「ファイル」メニューから「名前をつけて場所を保存...」を選びます.すると KMZ 形式か KML 形式を選択してデータを保存できます.
KMZ で保存したら,そのファイルを友達に送れば,友達のところで Google Earth で KMZ ファイルを開いて写真が地球上に配置されているのを見る事ができます.KMZ で保存すると画像ファイルが含まれるので,ファイル容量が大きくなります.KML で保存した場合は KML ファイルには画像は含まれていません.
また KML や KMZ ファイルをインターネットで公開すれば,それを Google マップ上で表示することができます.
例えば KML ファイルの URI が http://tokyo-hashirukai.cycling.jp/geo/20061021shibamata.kml だとしたら,
http://maps.google.com/maps?q=http://tokyo-hashirukai.cycling.jp/geo/20061021shibamata.kml にアクセスすると Google Maps で KML ファイルの内容が表示されます.
またはGoogle マップの検索窓に,http://tokyo-hashirukai.cycling.jp/geo/20061021shibamata.kml といった KML ファイルや KMZ ファイルの URI を入力してから検索すれば同じ表示が得られます.
さて,http://tokyo-hashirukai.cycling.jp/geo/20061021shibamata.kml の表示は JetPhoto Studio で編集したものとはちょっと違います.
軌跡データは GPX ファイルを Google Earth にドラグアンドドロップしてから,Goole Earth の「場所」のリストのアルバム名のフォルダの中に移動すれば,KML ファイルを書き出す時に軌跡データも一緒に書き出されます.
画像のタイトルなどは Google Earth 上で編集すれば良いでしょう.
あとインターネットで KML や KMZ ファイルを公開するなら,画像はあらかじめ小さくして置く必要があるでしょう.特に KMZ 形式のファイルの場合,画像を含むと容量が大きくなりますが,あまり大きな容量だと Google Maps では読み込めません.
http://tokyo-hashirukai.cycling.jp/geo/20061021shibamata.kml は KML ファイルの内容も編集してあります.KMZ なら編集しなくても画像も一緒に KMZ ファイルに含まれるので大丈夫ですが,KML の場合は画像は別に Web サーバにアップロードしておく必要があり,さらに KML ファイルの中の画像の URI も書き換えておかなければなりません.
JetPhoto Studio は必要な機能がまとめられていて,Google Earth にデータを移すところまでは,ほぼ完璧で使いやすいと思います.でも Google Earth で KML や KMZ としてファイルを保存してそれをインターネットで公開するには,さらに作業が必要です.でも HTML について知識があれば,KML ファイルをテキストエディタで編集する事も難しくはないでしょう.もっとも手間がかかりますが.
で,次回は Perl で書いたプログラムを使って iPhoto から直接 KML を書き出すことを試してみます.JetPhoto Studio や Google Earth を使うよりは難易度は高いけど,作業の手間は少なくなると思います.
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