履歴もしくは日誌
2010 年 4 月の履歴(もしくは日誌)
2010 年 4 月
4 月 22 日
タンデム自転車のブレーキについて
タンデム自転車は 2 人で乗るので重いです.ですからブレーキも良く効くブレーキが必要です.とはいえ普通のスポーツ自転車用のブレーキで十分効きます.効きなら V ブレーキで十分だと思います.またシマノの Dura Ace のブレーキもタンデム自転車でも十分な効きであると聞いています.
ぼくはディスクブレーキも好きで使っています.ディスクブレーキのほうが他のブレーキよりも良く効くと思っている人が多いみたいですが本当にそうでしょうか.ディスクブレーキのメリットは雨の日などでも安定した効きがあって,リムがブレーキシューで汚れない事かな.どんなにブレーキの効きが良くても車輪がロックしちゃえばそれまでなので,V ブレーキだろうがディスクブレーキだろうが制動力はあまりかわらないだろうと.
ところでブレーキというのは自転車の運動エネルギーを摩擦で熱に変換するしくみです.自転車のスピードが遅くなるとブレーキまわりの温度が上昇します.タンデム自転車では 2 人乗っているので 1 人乗りの自転車よりもざっくり 2 倍くらい重いです.ある速度で動いているときに重い乗り物は軽い乗り物よりも大きな運動エネルギーを持ちます.だから,タンデム自転車でブレーキを使うと沢山熱がでます.
サイクリングで峠を登りきって,今度は下り坂になります.下り坂が好きな人も多いですよね.タンデム自転車は長い下りは苦手です.ブレーキが発する熱が問題になるのです.
空気抵抗の割に重いのでタンデム自転車は下り坂でスピードが良く出ます.スピードを抑えるためにブレーキで速度を調整します.これはそのまま運動エネルギーを熱エネルギーに変換しているっていうことです.
ぼくのタンデム自転車はディスクブレーキなのですが,下り坂ではディスクの部分(ロータ)がすごく熱くなります.さすがに赤熱するほどではありませんが,さわれば火傷するくらいです.ロータに貼られた熱いから触るなと書かれた警告のシールは熱でこげました.
ディスクブレーキだとまずロータとロータを挟み込むキャリパー部分が熱を持ちます.さらに熱せられるとプラスチックの部品がこげたり溶けたりします.そうなったらブレーキが機能しなくなるかもしれません.
V ブレーキの場合はまずはリムとブレーキシューが熱を持ちます.リムが熱くなるとチューブやタイヤに熱が伝わってパンクします.チューブならチューブ交換すれば大丈夫ですがタイヤをやられたら大変です.
熱によるパンクの事を考えると V ブレーキよりもディスクブレーキのほうが良さそうですが,ディスクブレーキも過信すると樹脂のパーツが熱でやられて機能しなくなるという危険があります.
そのような厳しい条件でもタンデム自転車に安全を確保するのはドラムブレーキをドラグブレーキとして追加することです.
この場合 ARAYA のドラムブレーキにそういう用途で使えるものがあって,これは熱に強く作られています.でも自転車を止めるための制動力はそれほどでもないみたい.下り坂でのスピード調整のためのブレーキとして優れているということです.
V ブレーキなどのリムブレーキを前後の車輪につけ,さらにドラムブレーキを前後のどちらかに追加します.ドラムブレーキやディスクブレーキはハブブレーキといってリムを使いません.ハブブレーキとリムブレーキは同じ車輪に同時に設けることができます.
3 番目のブレーキとしてドラグブレーキを使った場合は,自転車を止めるときやちょっとのスピードコントロールでは通常のブレーキを操作して,長い下り坂ではドラグブレーキを使います.ドラグブレーキはレバー操作で適切な力でブレーキを効きっぱなしにする事ができます.さらに自転車を止めたりするときは普通のブレーキも併用します.
- リムブレーキ
- リムを挟み込んで車輪を止めるブレーキ.
- ハブブレーキ
- ハブにブレーキが付いている.ブレーキの熱がリムに伝わりにくい.ディスクブレーキとかドラムブレーキとか.
- Vブレーキ
- シマノのマウンテンバイク用などのリムブレーキ.良く効きます.
- ドラムブレーキ
- ハブの部分に筒があり,筒の中のブレーキシューが筒に内側から押し当てられてブレーキがかかる.雨なんかの影響を受けにくい.
- ディスクブレーキ
- ハブにディスクロータが取り付けられていて,そのロータを挟み込んで止めるブレーキ.
- ドラグブレーキ
- Drug Brake
- タンデム自転車で下り坂のスピードコントロールに使うブレーキ.通常はドラムブレーキをバーエンドシフターみたいなレバーで操作する.好みの効き具合のところでレバーを固定できて,ブレーキをひきづったまま坂を下る.
- タンデム自転車のブレーキについての過去の記事
- 2005-05-10 : タンデム自転車とブレーキ
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