2005 年 8 月の履歴(もしくは日誌)


2005 年 8 月

8 月 26 日

どのように他の人の感情や思考を認知しているか

まず最初に謝るべき事は,本来は私信でも良さそうな文を Web に出し,第三者の理解の為に十分な配慮が無かった事です.しかし公開した文章に対して反応がいろいろあったので,それはそれでぼくは面白かったのですが,最初にちゃんと伝えるべき事がうまく伝わらなかった感じがあります.ますは最初の失敗の修復を試みるところから始めましょう.まず話の流れが第三者に全く見えないのでそれを補完し,ぼくが挙げた例示での「共感できない」の意味と,それによる誤解が生じた背景を説明します.

事のはじまりは数人での茶飲み話で,コミュニケーションには共感を求める「共感型コミュニケーション」と情報交換を求める「情報交換型コミュニケーション」があるのではないかという話をしたのがきっかけです.ある女性は仕事では「情報交換型コミュニケーション」であっても,仕事以外では「共感型コミュニケーション」だという.ある男性は「情報交換型コミュニケーション」常に情報交換型だという.そこでその女性から仕事でもないのに情報交換型ばかりでなく,もっと楽に共感型のコミュニケーションを楽しめないのかと問いかけがあったのです.

そう,その女性は人間は誰でも共感型コミュニケーションが自然で楽な形だと思っていたけど,その男性にとって自然で楽な形は情報交換型だったのです.

この話題から男女の性差の話になり,さらに情報交換型と自閉症の関連などにまで話がすすみました.

その日はそれでおしまい.

その後ぼくはいろいろ本を読んで,そして読書報告を書きました.

面白かったのは,「共感する女脳、システム化する男脳」という本です.これは「共感する力」と「システム化する力」という 2 つの傾向でタイプ分けして論じていて,共感する力が強いタイプの脳を持つ人は女性の割合が多くて,システム化する力が強い人は男性に多いとしています.

最初に話題になった「共感型コミュニケーション」は「共感する力」を十分に生かしたコミュニケーションで,「情報交換型コミュニケーション」は「システム化する力」を十分に生かしたコミュニケーションと言えるかもしれません.

ここで「共感する女脳、システム化する男脳」という本を読んでもらえれば一番良いのですが,この本の著者の論文の日本語訳が Web 上にあるのでそれを一読してみるといいかも.短い文章です.

さてこの論文の中では「共感」を以下のように定義していました:

‘共感すること’は,他の人の感情や思考を認知し,これらに適切な感情で応える動因である.共感することは,あなたに人の行動を予測させ,他人がどのように感じるかについて配慮させる.本論文では,概して,女性は元来男性よりも強く共感する傾向があることを示すエビデンスをレビューする.‘システム化すること’は,あるシステムの中のいろいろなものを分析し,システムの行動を支配する内在する規則を引き出す動因である.システム化することはまた,システムを構築する動因にも関係する.システム化することによって,あなたはシステムの行動を予測し,それをコントロールすることができる.ここではまた,概して男性は元来女性よりも強くシステム化する傾向があることを示すエビデンスをレビューする.

普通に辞書に載っている「共感」はちょっと意味が違うかもしれません.デイリーコンサイス国語辞典では以下のようになってます:

きょうかん [共感]
〈スル〉 他人の考え・感情をそのとおりだと感じること. (対)反感

Baron-Cohen 氏の論文の中の他の人の感情や思考を認知し適切な感情で応える動因という意味での共感は必ずしも相手の考え/感情に同調/同情することまでは含んでいないように思います.

それに対してデイリーコンサイス国語辞典の他人の考え・感情をそのとおりだと感じることとしての共感は対語に反感とあることからも,「そのとおりだと感じること」に重みがあるようです.

Baron-Cohen 氏の論文の文脈で共感しないというのは,感情や思考を認知できないとか,適切な感情で応えるきっかけがつかめないという意味であり,決して相手の考えに同意できないとか,相手に反感をいだいたという意味では無いのです.

そこで,ぼくが書いた共感は以下のように解釈して欲しいと思います.

共感する
相手の思考や感情を感じ取ること.
共感する力
相手の思考や感情を感じ取る能力.また相手の考えや感情を感じ取り,適切な反応をする能力.
共感しない/共感できない
相手の思考や感情を感じ取ることができない.

ですからぼくが「共感したふりをする」,「共感をエミュレーションする」という話をした時に,同情した振りをするという意味ではなくて,相手の感情を感じ取る代わりに分析とシミュレーションというシステム化する力を使って問題を解決することのことです.そして共感しないということには単に理解できない感じ取れないという問題があるだけで,反対意見や反感を持つという意味ではないのです.

話し手の感情や思考を認知し適切な感情で答える能力が生得的に強い人は意識無くそれを実行するかもしれませんが,その能力が弱い人は考えて努力して実行します.それが極端な場合は,人間の感情や思考を分析して規則を見いだし予測をして対処をするという処理をシステム化能力を駆使して行っているのではないかということです.それがぼくが言うところのシステム化脳による共感エミュレーションです.

そんなに極端なことをしていないにしても,共感する力が弱くてシステム化する事が得意な人は,共感する力の弱さをシステム化による手法によって補っているのではないでしょうか.

そしてシステム化を生かしたコミュニケーションってのは,思考や情報を整理して言葉で表現してのコミュニケーションになり,共感する力よりもシステム化する力が強い人はそういうコミュニケーションが普通になっちゃうわけです.

そういうことを考えながら,7 月 21 日のまきさんの叫びを読み返すと,また味わいがあるのではないでしょうか.

まきさんの叫びを引用します:

普段から情動薄くて人の気持ちが判らないと自負している私だが、気持ちを読み取ることが要求されている。弱ったな。みんな、言葉があるんだから言葉でコミュニケーションしようよ。

引用終わり.

「共感しない」の解釈の違いについて Mayunezu さんが書いています:

引用します:

私が書く「共感できない」は、「他人が感じることに対して自分が違う感じ方をしている」という意味だ。つまり、何が共感なのかということが分かっているから「違う」と思える。「共感性が弱い」人たちが書いているのは、「感じることができない」ということなのではないか、と思った。「感じない」から共感も反感も持ちようがない。

引用おわり.

そのとおりです.この点を最初にちゃんと伝えられるように書けなかったのは反省点です.

これでかなりすっきりしたと思います.

ぼく自身は,やっぱり共感する力よりはシステム化する力のほうが強い傾向で,共感する力の弱さ経験と学習と努力によってある程度補えているのではないかと思っていますが,いかがなものでしょう.

過去の関連記事

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8 月 25 日

ロボットと共感エミュレーション

友達に愚痴を聞かされたとします.ぼくの反応とロボットの反応がまったく同じだったとしても,ロボットは人間と同じ心を持っているわけでは無いでしょう.そしたらロボットは不誠実なのでしょうか.実はぼくの反応も論理的推論や経験則から導きだされた結果だったらぼくも不誠実なのでしょうか.共感が強い人は愚痴を言いたい相手に共感して自然に適切な反応ができるけど,共感が弱いと自然にというわけにはいかないと思うのです.こんな話題で何度か書きましたがわざわざ共感しなくても、単に相槌を打てばいいだけの話ではないの?という意見がありました.今回はこのような認識と共感の弱い人の現実がどれくらいずれているかをお話しましょう.

友達に愚痴を聞かされたとします.もし共感がすっごく弱かったら,その友人が自分に対してその話をしている意図が分かりません.自分には関係ない話をどうしてその友達がしているのか分からないのです.

ここで相手の立場で考えることができれば,自分が相手にこのような話をするならどう考えているだろうというシミュレーションを行うことができます.でも「自分が相手の立場なら」っていうところが問題です.なぜなら,共感を求めて愚痴をいう心情を理解できていないので,相手が共感を求めて愚痴をいうという事が前提から抜け落ちているのです.共感を求めていると仮定される事はないので間違った仮定がされます.相手はきっと問題を抱えていて,その問題の解決方法を求めてぼくに話をしているに違いない.

それで問題解決の為にいろいろ考えたり,相手の話に反論したり,相手と異なる視点からの意見を述べたりと,あれこれ見当違いな事を言ってしまいます.愚痴を聞いてほしいだけなのに,「それはその時にこのような行動をしていれば避けられたのではないか.」とか「もっと違った見方があって,そのように考えれば腹を立てるような話ではないよ.」とか言われたらどう思いますか?

ちなみにぼくはそういう受け答えをするのが普通でした.今でもそういう受け答えをしがちです.

そして経験と学習がすすんで,相手が愚痴を言っているときは実は自分は意見を求められている訳ではないしアドバイスを与えたりする必要は無いのだということが分かってきます.

そうして経験と学習を積んで,相手が愚痴を言って来た時に,「もし自分が愚痴を言うような人間だった場合ならどうか」という前提条件をたててシミュレーションを行います.これは最初の「自分だったら」よりも「愚痴を言うような人間だったら」というように,想定モデルがより相手に近くなるので,より正確なシミュレーションができます.そのシミュレーションの結果から,より適切な対応を検討します.結果として,自分の意見を言ったりしないで,単に相づちをうちます.

さて共感の強い人だとどうでしょう.相手が愚痴を言って来た時に,どうしてこの人は自分にこんな話をするのだろうなんて疑問に思う事はありません.自然に相手に共感できるからです.また自分が相手の立場になって考えた場合も,ひどい勘違いは起こりません.ちゃんと相手に共感してより正確に相手の立場で考える事ができるからです.

愚痴を言うの人の話に相づちを打つという共感する力が強い人にとって自然な行為を共感性が弱い人が求められた時にはどうするのでしょうか.

共感性が弱い人は,これまでの経験と学習によって得たものを活用して,自分とは異なるタイプの人間ならどのような反応をするかシミュレーションを行い,その結果を用いて共感性の強い人がするであろう反応を模倣します.これが,共感性が弱い人が行うエミュレーションです.

注意すべきは「なにも言わない」という反応を選択するのにも,共感がとても弱い人にとっては「相づちを打つ」というのとほぼ同じ手順が必要なことです.つまり相手は自分に愚痴を聞いてほしいだけで意見を求めているのではないと理解した上で,適切な判断として「何も言わない」を選択するのです.共感が強い人が想定する人間なら当然こういう反応だろうと思っていることが,実は通用しない場合があります.

程度の差こそあれ,共感が強い人と弱い人では,このような差があります.

鉄腕アトムはロボットです.人間の心を持っているかのように見えますが,人間の心のエミュレータのような装置があって人間の心を模倣しているのです.そこで質問ですが鉄腕アトムは不誠実なのでしょうか?

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8 月 24 日

感情はどこからくるのか,どこまで自分を認識できるのか

人によって共感性が強かったり弱かったりします.共感性が弱い人は,共感性が強い人とは違った反応をしがちです.相互が違いを良く理解していれば,相手に期待できる事の範囲と程度も分かるし,相手の反応の意味も理解できるでしょう.でもそんなにお互いに良く理解していない事も多いですよね.

さてはて,相手を理解しようと努力して,相手の意図を汲み取る事を試みて,適切な反応を返す.これが自然にできるか,がんばらないとできないか,もしくは無意識にできるか,強く意識しないとできないか,無意識でもできるところをあえて強く意識して行うか.

他者からみたら,相手がどうやって脳内で処理して反応しているかまではわかりません.

ぼくは自分の心の動きや感情を追いかけてそれを意識していると感じることがあるのですが,もしかしたら同じ反応をするためにぼくは意識していることを他の人の中には無意識にする人もいるのかもしれないと思っていました.それは意識する意識市内の違いだと思っていたのですが,そうではなくて共感性の強さによって,どれくらい無意識で処理できるか,もしくは意識しないとできないかという違いがあるのかもしれないと気づきました.

もしそうなのであれば,何かの反応をするときに,自分の心や感情をモニターしながら考えて反応をするのはあざむきだと感じるのであれば,それは自分の感情をモニターしながら考えて反応することが必要な人に対する無理解なのだと思います.

共感性の弱い人が,相手の意図を読んだ上で,自分の心や感情をモニターしながら考えて反応をするとしたら,共感性が強い人とは,かなり異なる処理を脳の中でしているのかもしれません.ぼくはそれがあたかも共感性が弱い人が共感性が強い人を模倣しているエミュレートしているかのようだと思ったのです.

友達には,おのひろきは「共感したふりをしている」とかって思われちゃうよと言われたけど,自分でもどうなのか良くわからないです.なぜならぼくの心の動きとあなたの心の動きを直接比較できないし,ぼくの脳の処理をぼくがうまく理解できていないからです.

ただ,こんなことを考えているという事を伝えるのが相互理解のきっかけになるかもなとは思います.

ぼくの興味の対象は,コミュニケーションそのものではなくて,がどのようにそれをこなしているのかです.

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Gmail からのメール送信で,Gmail 以外のメールアドレスを From に設定

なんだかんだ言って Gmail はとても便利に使っていますが,主にメールを受信して読むだけで,メールの送信には使っていませんでした.@gmail.com というメールアカウントではメールを送信したくないのです.いつもの onohiroki@cup.com というメールアドレスからメールは送信したいので,送信する時は必ず Gmail 以外から送信していました.ところがところが自分のメールアドレスとして Gmail 以外のメールアドレスを登録できるようになりました.だから onohiroki@cup.com を追加登録しておけば,Gmail からのメール送信時に From 行を @gmail.com と切り替えることができます.また onohiroki@cup.com をデフォルトにも設定できます.これは便利.ますます Gmail 依存度があがってしまう...

Mac OS X での Mail.app も Gmail も,どちらも迷惑メールフィルタがあり,それぞれうまく動いています.でもどちらもときどき迷惑メールでないものを迷惑メールと誤認してしまうことがあります.両方とも同時に誤認したら気がつかないでしょうけど,どちらかで誤認しなければ気がつくので,何度かそれに助けられています.

関連リンク Gmail:Help Center

Gmail:Help Center のドキュメントは 8 月 22 日に更新とあるので,まだこの機能は追加されたばっかりかも.

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8 月 23 日

hatenab の意味 / rel 属性と class 属性について

microformats であるなら,一度「意味付けと記述書式」を決め たら,それが他での使い回す事ができないと意味がありません.限定された問題を解ければ良いとはいっても,特定の問題にしか対応できないほど限定してたら駄目なのですって書きましたが,これは撤回しましょう.microformats としての仕様を考える時にぼくならどうしたいかという事であって,使い回す事ができなくて特定の問題にしか対応できないからと言ってまったくの無価値な訳ではないしね.

でも目的が「自分が使っているサービスを宣言」するためであれば,yohei さんが使っているサービスも,ぼくが使っているサービスも同じように記述できる程度の汎用性がある記述方法を期待してしまいます.オレ専用 profile を書くよりは皆で使い回せるほうが良いですよね.

XFN では youhei さんの友達もぼくの友達も同じように rel="friend" と記述できます.ぼくの友達である susumu さんや maki さんを友達だって記述するために rel="susumu" とか rel="maki" って記述するのは良くないと思うし,それと同様に はてなブックマークを rel="hatenab" と記述するのも良くないと思うのです.XFN で rel="friend met" って書くのと同様に rel="onlinebookmark" で良いぢゃないかと.

でもいろいろ説明していただいたように rel="hatenab" って書く事でメリットがあるという主張は受け入れましょう.rel="hatenab" はダメだ間違いだというのも取り消しましょう.

でも,もっと他の方法も考えられます.

rel="hatenab" のデメリットは,新たなサービスを追加するためには profile の更新が必要だということです.ぼくは rel="onlinebookmark" といった感じでリンクの関係性を表現したうえで,hatenab のような個々のサービスを表す値は class 属性で扱うのが良いのではないかと思います.

「hatenab」は「はてなブックマーク」の事で,rel="hatenab" は「リンク先が元ページの著者のはてなブックマークへのリンク」という表現という事で話をすすめます.

rel 属性と class 属性は XHTML での定義からしたらこうですよね:

rel 属性
リンクの関係性を表現.リンクタイプを記述する.
class 属性
要素識別子としてクラス名を与える.

まず最初に yohei さんは,自分が使っているサービスを宣言したいということで rel="hatenab" という記述形式を提案しました.

<link rel="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki/"/>

これは hatenab がリンクの関連性であり,リンク先が元ページの著者のはてなブックマークへのリンクという意味ですね.

hatenab よりは,オンラインブックマークを示すような表現が良いのではないかという話で次ぎに rel="onlinebookmark hatenab" のような記述はどうかという話になりました.

<link rel="onlinebookmark hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki/"/>

上のようにするのであれば onlinebookmark も hatenab もリンクの関連性を示すということですね.

たしかに a 要素や link 要素で指し示す URI に対して意味付けするなら rel 要素でリンクタイプを記述するのが自然なんです.でもリンクタイプとしてなら,オンラインブックマークというリンクタイプのほうが自然に感じます.onlinebookmark というのがリンクタイプであるというのは良いとして,hatenab は本当にリンクタイプが一番良いのでしょうか.

onlinebookmark も hatenab もリンクタイプでありリンクの関連性を示すとするのに対して onlinebookmark はリンクの関連性で hatenab は識別子だという考えからしたら下の例のほうが自然でしょう.

<link rel="onlinebookmark" class="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki/"/>

この場合は「リンク先は元ページの著者のオンラインブックマークで,そのオンラインブックマークは はてなブックマーク」という意味になると思います.

hatenab や delicious がソーシャルブックマークという概念に含まれる概念であり,クラス名という識別子であるという考えを受け入れることができるのであれば,hatenab や delicious などは識別子として class 属性に記述して rel 属性ではオンラインブックマークへのリンクという事を表現するという方法が考えられます.yohei さんの主張でも URI からオンラインサービスを識別するよりは hatenab という文字列マッチで識別したいという話でしたから,hatenab を識別子として取られることにはことさら異議がないのではないでしょうか.

yohei さんは「リンク先が元ページの著者のはてなブックマークへのリンク」と表現したかったということですが,それを「リンク先は元ページの著者のオンラインブックマークで,そのオンラインブックマークは はてなブックマーク」という表現にしてもおかしくはありません.そう考えれば hatenab は,オンラインブックマークの中のサービスの識別子であると考えられます.shckor さんはhatenab という“属性”は onlineBookmark という“属性の属性”とも言えるという表現で同様の事を書いていますね.

「リンク先は元ページの著者のオンラインブックマークで,そのオンラインブックマークは はてなブックマーク」という表現なら hatenab は class 属性に記述しても良いでしょう.他のサービスである del.icio.us が profile に定義してなかったとして class="delicious" と書いても XHTML の文法違反になりません.これはメリットだと思います.後になってから profile にそれを定義して,意味付けをすることもできます.

yohei さんは microformats では,クラス名が構造情報と対応していると説明していますが,元の規格でのメタデータの構造をクラス名に対応づけて構造化しているだけではないでしょうか.hatenab の場合は「リンク先は元ページの著者のオンラインブックマークで,そのオンラインブックマークは はてなブックマーク」と表現する時に class 属性を使って class="hatenab" という記述は妥当だと思います.

では hatenab を rel 属性にするのと,class 属性にするのとでは,どっちが良いでしょうか.

  • ありとあらゆるサービスについてもどんどん profile を更新して定義を足して行くというのが実現できていて,class 属性を使う事に異議があれば,rel 属性で hatenab と書く事になります.

  • ありとあらゆるサービスについてもどんどん profile を更新して定義を足して行くというのが実現できていて,class 属性を使う事に異議が無ければ,rel 属性でも class 属性でもどちらでも良いでしょう.

  • ありとあらゆるサービスについても,どんどん profile を更新して定義を足して行くというのが実現するのが疑わしいという立場なら,rel 属性よりは class 属性のほうが望ましいですね.

それで,実は yohei さんの話では,ありとあらゆるサービスについてどんどん profile を更新して追加するってわけでないのですよね.もちろん新しいサービスについても記述したくなったら profile に追記して更新するわけです.rel 属性を使った場合は,「自分が使っているサービスを宣言」するためには,そのサービスが profile で定義済みではなかったら記述できない訳です.ある会社がが自社のサービスの為だけに profile を作るのなら rel="hatenab" かもしれないけど,それなら del.icio.us などの他者のサービスは同じ profile の中では定義されないでしょう.第三者が profile を作るとして,はてなと del.icio.su は定義済みとして,それ以外のサービスを使っている人は,同じようなことを表現したいのに表現できないことになってしまいませんか.

だからいずれにしても rel 属性ではオンラインブックマークへのリンクであるという事を示す rel="onlinebookmark" というような表現を用意しておくのが良いと思います.これについては異論がないと思います.さらに hatenab を rel 属性の中に加えるか,それとも class 属性にするかです.

hatenab のようなのを class 属性にすることにしておくと,profile で特に定義しておきたいのは定義しておいて,それ以外は未定義でも XHTML の文法違反にはならないから,書き手が好きに書けて良いと思います.profile に未定義のサービスに対して profile に追加したくなった時に,追加すれば良いし.

でも yohei さんの話では hatenab がどうして必要なのかについては,なにかの実装で情報を抽出するために hatenab という識別子が URI とは別に必要だという事だったので,rel="onlinebookmark" としてリンクタイプが記述できていれば hatenab はどこかに記述する必要はあっても意味付けする必要は無いのではないでしょうか.

「自分が使っているサービスの宣言」を XHTML で表現し microformats で利用することまで考えた時にどのような表現にすべきかについて,ぼくの考えをまとめると:

  • rel="onlinebookmark" というような表現は必須と考えます.
  • hatenab は rel 属性でしか扱えないような内容ではないと考えます.
  • hatenab はリンクタイプというよりは,識別子(クラス名)ではないかと考えます.
  • hatenab は識別だから class 属性に属性値として記述するのが良いと考えます.
  • hatenab に識別子であるという以上の意味付けする必要は無いのかもしれないですが,必要なら profile で意味付けすることができると考えます.
  • profile に定義されていない class 属性値は,単に意味付けを profile でされていないという扱いにするのが妥当と考えます.
  • profile に定義されていない rel 属性値は,単に HTML/XHTML の仕様に反します.

profile に定義されていない rel 属性値が HTML/XHTML の仕様に反するという事については,そんなに厳密に考えなくてもいいのかもしれないけど,避ける方法があれば避けた方がより良いですよね.

ぼくなら hatenab は削除してオンラインブックマークサービスというリンクタイプだけにするでしょう.

<link rel="onlinebookmark" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki/"/>

なんかの実装の都合で hatenab がやっぱり必要ってことなら,リンクタイプでなく識別子で hatenab を記述します.

<link rel="onlinebookmark" class="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki/"/>

rel="onlinebookmark hatenab" という記述がより良いという場合は,hatenab は識別子としては扱えなくて,あくまでもリンクタイプであると言う事が説明され,「リンク先は元ページの著者のオンラインブックマークで,そのオンラインブックマークは はてなブックマーク」というのは不適切で「リンク先が元ページの著者のはてなブックマークへのリンク」が適切だという説明が必要だと思います.

関連リンク

でも,まぁGRDDL でメタデータが RDF として抽出できるのであれば,他の人が同じ profile を利用する事を一切考慮しない「オレ専用 profile」を書いてオレだけの microformats って事でも良いかもしれない.

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Brompton 壊れた

先日,Brompton のリアキャリアの一部が折れて,畳んだ状態で転がす為のホイールが 1 つ取れてしまいました.それでも,なんとか畳んだ状態で転がすことができたので,あまり気にしていなかったのですが,今日はさらに大変な事に.チェーンテンショナーという,後輪の軸付近にあってチェーンを引っ張る小さな歯車が付いている部分があります.小さな歯車が 2 つ付いているのですが,それらの固定されている側の歯車が,土台ごと折れて脱落.さらに後輪の軸(ハブ)に付いているスプロケット(歯車)も割れてしまいました.走行不能です.まいった.

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8 月 21 日

自分と他人がどれくらい同じでどれくらい違うのかわからない

友達から愚痴のような話を聞かされるとします.以前は,どのような意図があるのかの読み違いが多くて失敗する事が多かったのが,それが少しは改善されたかなと.意図を読むところのスキルが大切なのかな.ぼくが共感している時の行動をしている時に,それが本当に共感なのかどうなのかは,自分で自信がなくなって来ました.自分の心の動きと他の人の心の動きを直接比較できるわけではないですから.もしかしたら,共感が強い人とは異なる方法で対処しているのかもしれません.かと言ってそれが嘘だったり欺きだったりだとは思っていません.

意図があるのかの読み違いによる失敗が減ったと思っていたのですが,実は自分が思っているほどの改善は無いのかもしれません.

Mayunezu さんの「コミュニケーションスキル」を読んで,ぼくは少し不安になりました.

相手の意図をくんで,それにあった受け答えをするという事は,人によっては極自然にできるし,人によってはかなり意識してがんばらないとならないとします.がんばって適切な受け答えをすることは嘘ではないと思う.共感が求められているという判断ができて,それにあった受け答えをすることが,ちゃんと共感していたら嘘ではなく,本当は共感していなければ嘘なのだとすれば,ぼくは自分が他人と同じように他人に共感しているのかどうか分からないので,自分の言葉が嘘なのかどうか保証できません.自分は共感していると思うんだけどなぁ.

いや,自分は嘘つきだとは思うけどね.

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2 つの Two'sDay

今日は 8 月の荒川サイクリングに参加しました.風も強くとても暑い日でしたが 60 人以上の人が集合場所の浮間公園に集まりました.そして主に荒川サイクリングロードを走る 30 km のコースを走って,解散場所の葛西臨海公園まで走りました.ぼくは Bike Friday の折りたたみのタンデム自転車である Tandem Two'sDay で参加しました.一緒に乗ってもらった あさ子さんとは集合場所で待ち合わせ.ぼくは自宅から 30 km くらいをタンデムに 1 人で乗って集合場所に向かいました.今回はタンデムがもう一台.Shig さんの Tandem Two'sDay です.新婚の二人に真新しいタンデム自転車.まぶしすぎます.ぼくのタンデムがブルーで,Shig さんのがラズベリーピンクという色.きれいな色でした.

ぼくのはチタンを使って軽量化してあるのですが,標準の Shig さんのとあまり重さが違わないのではないかと皆には言われてしまいました.コストパフォーマンスでは Shig さんの Tandem Two'sDay のほうが上という評判...

Shig さんのタンデムもケーブルのアウターなどにまで色にこだわっていて良い感じでした.

今月の荒川サイクリングは,かなり強い向かい風の中を走る事になりました.人によっては向かい風の中を走るのはつらかったかも.初心者でもまわりのペースに合わせないで自分のペースで走れば,走り切ることができる距離だとは思うのですが.

タンデム自転車なので,常におしゃべりしながら走ることができます.いつもタンデムって良いなぁって思います.あさ子さんとは ViewPoint タンデムには何度か乗った事がありますが,Tandem Two'sDay は初めてでした.最初は怖いなんて言われてしまいましたが,すぐに慣れて楽しんでもらえたようです.ぼくも楽しかったです.またよろしく.

まきさんが参加していなかったのが残念.早くまきさんのタンデム自転車を見せてくださいまし.

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新しい Birdy

BD-1 は日本での名前であって日本以外では Birdy という名前です.その Birdy の新モデルがドイツで発表になりました.ドイツの Birdy ファンのグルームの Web サイトである birdy-freunde に英語で記事が出たのでその内容を紹介しましょう.

新しい Birdy で目を引くのはメインフレームの形状です.従来のアルミパイプを組み合わせて溶接したフレームではなく 2 枚のアルミシートを変形加工して作られていて,それにヘッドチューブとシートチューブなどを溶接してメインフレームを作っています.birdy-freunde では monocoque フレームと紹介しています.monocoque はフランス語で貝殻のことだそうです.自動車の用語や航空機の用語のモノコックフレームとはちょっと意味が違うかもしれませんが,パイプ材でなく,シート材などから貝殻のような形状を作って,それを張り合わせて構造体にしているところを指してメインフレームが monocoque フレームって言っているのだと思いました.

従来と比べると,メインフレームとリアフレームとで合わせて 150 グラムほどより軽く,より堅くできているそうです.

ホイールサイズは従来と同じ 18 インチ WO (355 mm) で変更無しで,折りたたみ方法も折り畳んだサイズも現行と変更無しです.

最初の Birdy と比べると Birdy grey が出た頃から,シートクランプの方法が変更されました.日本のモデルでいうと BD-1 Capreo からシートポストの固定方法が変更されましたよね.あれは廃止になって普通のシートクランプになりました.BD-1 Capreo などでシートクランプ部を利用して取り付けることができるリアキャリアはそのまま利用できますが,シートクランプが変更になったので,キャリアの固定の為のボルトが別に用意されます.

サドルをシートポストに固定する部分が変更になりました.BD-1 はボトムブラケット(BB: クランクの回転軸)とシートポストの位置関係から,サドルが後ろになりがちですが,それを打ち消すためにサドルが前よりのセットしやすい構造になりました.これはシートポストだけでも新しいものが欲しいかも...

ハンドルステムは,オールラウンドとコンフォートの 2 種類があってどちらも高さを調節できます.

Birdy の 10 周年記念モデルで採用された,ハンドルステムの新しいヒンジ部分が Birdy の新モデルでも採用される事になりました.5 月にドイツに行った時に

10 周年記念モデルのヒンジを見て来ましたが,あれはかなり丈夫になっているように見えました.この改善はとても良いと思います.

タイヤは Schwalbe Marathon Racer というタイヤになります.Marathon Racer っていうのも新しいタイヤなのかな.幅が 40 mm の Marathon Racer と 50 mm 幅の Big Apple が選択できるようです.

Nexus 8 内装ハブギアを使った Birdy city,
Shimano Intego 3x8 という 3 速内装ハブギアと 8 速外装ハブギアを使った Birdy touring,
Rohloff 14 速内装ハブギアを使った Birdy rohloff,
Shimano Deore XT 9 速のとても軽量な Birdy speed の 4 モデルがあります.

新しい全てのモデルは black, dormant-blue, cream white, charcoal grey matt,orange の 4 つのカラーバリエーションから好みの色を選択できます.これまでドイツではモデルによって色が決まっていて,日本の BD-1 のようなカラーバリエーションはありませんでした.

従来のフレームの Birdy は Birdy red だけは存続する予定みたい.

これらはドイツでの話なので日本での BD-1 がどうなるかは,また別の話です.ドイツでは基本的に riese und müller が注文を受けて,それに合わせて組み立てる事をしています.ですから注文時にこのオプションをつけてくれとか指定することができます.もしくは自転車の小売店の在庫から買うことになります.日本では原則として販売店の在庫を買う形ですよね.ドイツではフレームを生産している台湾からフレームだけを輸入して riese und müller で組み立てるのに対して,日本ではほぼ完成車の状態で輸入しています.そのためにドイツでは少し高めかもしれませんが,始めから必要なパーツを組んだ状態で注文することができるみたいです.

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火星人

まきさんの反応を引用します:

おのさん、「火星に降りた人類学者」ではなく、「自分が、火星から来た人類学者のように感じる」ということです。つまり自分を火星人にみたてて、異質な地球文化の研究者であるということ。

引用終わり.

まきさんの言う事はもっともなんだけど,ぼくが読んだ本「自閉症とマインド・ブラインドネス 」の 229 ページでは:

火星に降りた人類学者のような感じ」と言った。

って書いてあったのですよ.次の 230 ページには:

彼女は自分が「火星人」であると感じているのである。

とあったので,まきさんの言っていることが正しくて,ぼくの本にどうしてか間違いがあるのでしょう.誤訳かなぁ.

まきさんはリンクするべき URI を間違えて,さらにトラックバック送信先も間違えているように思います.

リンクするならこっちだろうと思う.

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8 月 20 日

共感をエミュレーションするシステム化型の脳

友達から愚痴のような話を聞かされるとします.その時にぼくはその人の不満がどこから来るのかを分析して,別の視点から考えたらその不満はもっと違って見えるのではないかとか,どのようにその不満を解消したら良いのかとかそのような事を考えます.その考えをそのまま口にして良い場合もありますが,そうでないことも実は多いという事が後になってから分かって来ました.話題についての意見や問題についての解決策を求めて相手はぼくに話をしているのではなくて,単に共感して欲しいと思っている場合があるのです.いつでも話に本当にそのまま共感できるわけではありません.だから共感した振りをします.

「それは大変だったね.」「それは辛かったね.」「それはひどいね.あなたが怒るのも,もっともです.」

それがコミュニケーションスキルってものかなと.

会話は予測をもとにして行っています.このように働きかければ相手はこのように反応するはずだという予測.

一番簡単なのは自分自身を相手にした予測.
でも,普通は自分以外の人間と会話をするのですから,自分自身と相手が異なることによって予測とはずれが生じるわけです.
ですから自分と異なる文化,異なる考え方,異なる感じ方をする人との会話は難しいのです.
会話中に相手のモデルを想定して,反応を予測して会話をする.
相手をモデリングするのがより正確なら,よりうまく予測できるわけです.
会話中に,モデルと実際の相手のずれを感じたら,より現実にあうようにモデルの修正を行います.

もちろんそんなことを強く意識しながら生活している訳ではないですが.

先月,この会話のモデルについての話をする機会がありました.ぼくは情報交換型の会話と共感型の会話があって,それらはそれぞれかなり違った会話の形であって,それぞれ人によって得意な型があるのではないかと言いました.それについては,女性には共感型が多く,男性には情報交換型が多いのではないかということになりました.

それで共感型が苦手な人は,独自のやり方で共感型の会話をエミュレーションしているのではないかという話に発展.

その話題の時に「火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者」という本の事が話題になり,自閉症の人が共感を理解できず,社会に適応するのに大変な努力をしていて自分の事を「火星に降りた人類学者のような感じ」と表現したそうだ.

その後で,本屋にいって何気なく日経サイエンスを手にしたら,「やっぱり違う 男と女の脳」という記事があったので買ってみた.さらにその日経サイエンスのブックレビューで「共感する女脳、システム化する男脳」が紹介されていたので,それと同じ筆者の「自閉症とマインド・ブラインドネス」も購入.

共感する女脳、システム化する男脳」はなかなか面白い本でした.ぼくはもともと脳がどのように物事を認識しているのかという事に興味がありました.

偏見が生じないように慎重に話が展開されていました.システム化に優れたタイプの脳と共感に優れたタイプの脳とにタイプを分ける事ができるとか,男性にはシステム化に優れたタイプが多く,女性には共感に優れたタイプが多いとか.もちろんそれぞれ個性の範囲で女性でシステム化が得意だったり男性で共感に優れた人もいるんですけど.でも分布には性差があり,それらがどこから生じるのかなどを探る内容でした.この本では共感がうまく働かない障碍として自閉症をとらえていて,極端にシステム化に優れたタイプの脳と自閉症についても書いてありました.

この本で書いてある話は,「情報交換型の会話と共感型の会話」って話題に関連していてなかなか面白かったです.

次に「自閉症とマインド・ブラインドネス」の方が,脳の中にはモジュール化されている機能がいくつかあり,心を読むという機能は 4 つのモジュールからなっているという仮説について説明した本でした.そして自閉症ではこの 4 つのモジュールの 1 つ,もしくは 2 つに障碍があるのではないかとしていました.ぼくは

人間が生まれて来た時に,はじめから脳にはどこまで機能が備わっていているのか,人類としておよそ共通に生得的な部分はどこまでなのかという疑問をもっていたのですが,それについてある程度の回答が得られておもしろかったです.この本でも,自分の事を「火星に降りた人類学者のような感じ」と表現した自閉症の人の話が出て来ました.学術的な本の中では自閉症というのはこういう特質があるという感じでたんたんと語られているので,あまりその障碍について良くわかりませんでした.

本屋で「ぼくのこともっとわかって!アスペルガー症候群―小・中学校の事例と医師からの解説」っていう本を見つけて,買って読んでみました.自閉症といってもいろいろあって,その症状の程度の分散から自閉症スペクトラム障碍っていう考え方があるそうです.アスペルガー症候群はその自閉症スペクトラム障碍の中の分類です.自閉症スペクトラム障碍は生得的な障碍で,親の育て方とか育った環境とは全く関係ないのですが,なかなか世間一般には知られていないし誤解と偏見も多いようです.で,この本はアスペルガー症候群の子供と,その子を支える周りの人達の話です.2 人のアスペルガー症候群の人の話が紹介されているのですが,それぞれとても興味深い話でした.この本では実在の子供の大変した困難な状況をそれを支える人の立場から語る物語になっていて,「自閉症とマインド・ブラインドネス」のような学術的な話の中のとは,まったく違った現実感を持った話でした.

ここまで書いてみて,なんの結論もないのですが,あれからその話題関連でこれだけ本を読みましたよっていう報告でした.

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class 属性を再発見

rel 属性を利用すればリンクの関連性を豊かに表現できるという rel 属性の価値の再発見があって XFN では rel 属性を利用しました.識別子を付加したいのであれば class 属性が適切なので,class 属性を使えばよいのではないかと思います.
SYNの日記 - Re: マークアップする力」を読みました.確かに shckor さんの個体識別子を定義する属性もあるべきだと思うという主張をぼくはよく分かっていないと思います.

個体識別子が何を意図するのかが良くわかっていません.これは URI が指し示すものが何なのかを URI とは別の方法で識別子を付加したいということですよね? URI から識別するのではなぜだめなのかもぼくにはよくわかりません.その rel 属性での識別子付けのルールは profile で定義し,その profile ではあらかじめ想定されたものだけを定義しておく訳ですね.
最初に定義していなかったものを後から追加したくなったら,別 profile を作るのでしょうか? この問題をどう考えているのかはぜひ教えてほしいです.

もし profile を定義するのでは無いなら,rel 属性に勝手に属性値を定義するのは XHTML の規則に違反するから適切ではないです.独自の属性 relto とかを定義するのも XHTML の規則に反するから適切ではないです.任意の文字列を属性値として持ちたいのであれば title 属性が適切だと思いますが,title 属性に記述するような人間が読んで意味が分かるような文字列を使いたい訳ではなくて,識別子としての文字列を定義したいのであれば class 属性が良いでしょうね.

<a class="hatenab"
      href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki" 
      title="おのひろきのはてなブックマーク" >bookmark</a>

class 属性値であれば,好き勝手に定義しても XHTML の規則違反にならないので良いと思います.link 要素の場合も id 属性や class 属性を与えることができます.

識別子である URI にさらに識別子を定義したいというのが目的だから,リンクの関連性を示す rel 属性を利用するよりは,識別子を定義するための属性である class 属性を利用するのが適切だと思います.

次に microformats を考えると class 属性値に意味を持たせる為に profile を書くことになるのかな.xoxo とか hCard などは class 属性を使って意味付けして profile で意味付けについて定義していますよね.

class 属性を使って class="hatenab" とか書いてそれを microformats 的に利用するのであれば,なにも問題ないと思います.特にこだわらなければ profile で意味付けしなくても良いと思います.

と,いうわけでもし識別子を付加したいのであれば rel 属性でなく class 属性が良いと思います.これは提案.
それで,識別子を hatenab なんて形で付加するのにどういう意味があるのかはぼくには良くわかりませんが.

ぼくは rel 属性値を定義するのが,そのまま microformats ではないだろうと書きました.XFN で rel 属性を使ったのは rel 属性を利用すればリンクの関連性を豊かに表現できるという rel 属性の価値の再発見があったからでしょう.XFN ではリンクの関連性を表現したくて,適切な属性である rel を利用したのです.もしリンク先の識別子を表現したければ rel 属性を利用しなかったでしょう.

microformats の面白いところは XHTML として適切なマークアップが先にあり,さらに決まった書式であれば,そこからメタデータを抽出できるってところだとぼくは感じています.

shckor さんや yohei さんが言っている事がちゃんと理解できたら title 属性とかぢゃなくて class 属性ってすぐに出てこないとおかしいですよね.いや,未だに shckor さんや yohei さんの主張でよく分からないところがあるけど.

はてなの Account Auto-Discovery の話も,この microformats に付いての話も,ぼくはそれなりに楽しんでます.いろいろ勉強になります.自分でもいろいろ調べないと書けないですね.

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8 月 18 日

どんなに目立つ自転車でも盗まれる時はやっぱり盗まれる

リカンベントとかタンデム自転車とか,すごく目立つ自転車だったらまず盗まれないだろうっていう神話.盗んでも乗れば目立つし,売るにしても簡単に足がつきそう.でもやっぱり盗まれるのですね.知人がリカンベントを盗まれました.まだ見つかっていないようです.自転車仲間の Weblog であちこちで話題になっているので今更だけど,ぼくのところは読者層がかなり違うっていう話もあるので.自転車に興味が無い人に,他の似たような自転車と区別がつくのかどうかは疑問ではありますが.それらしい自転車を見かけたら連絡くださいまし.

詳細情報

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8 月 17 日

マークアップする力

yohei-y:weblog: Web らしく URI で連携する方向」での提案は良くないと思うのですが,どう良くないのかをうまく伝えられませんでした.もう microformats の話ぢゃなくて,どうマークアップするか,どう表現するかっていう話題になるかと思いました.

問題の表現はこんなんです:

<link rel="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/yohei" />
<link rel="delicious" href="http://del.icio.us/yohei" />

このマークアップがどう問題なのかをどう説明するか.かなり考えましたが,この問題をうまく説明する文書がありました!

「邪悪マークアップは先進的マークアップか?」から引用すると:

これがまずい理由は、<田中>元気で行ってこい。</田中><ミヨ子>おみやげ、忘れないでねぇ</ミヨ子>のあいだに共通性があるのに、その共通性がマークアップにより表現されてないことです。

これと同じ事が rel="hatenab" と rel="delicious" にも言えると思うのです.
つまり rel="hatenab" と rel="delicious" の間に共通性があるのに,その共通性が表現されていないのです.それは,書き手の頭の中だけにあります.profile によって定義するっていう手もありますが,そうすると似たようなサービス全てについて profile で定義を用意しなければなりません.そうではなくて rel 属性では共通性の部分を表現するべきでしょう.

<link rel="onlineBookmark" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki" title="はてなブックマーク"/>
<link rel="onlineBookmark" href="http://del.icio.us/onohiroki" title="del.icio.us"/>

microformats の話以前に,rel 属性の特性を考えたらこうなるのが自然だとぼくは思います.
rel 属性の値を拡張するには profile が必要なので,その profile では rel 属性値が onlineBookmark である場合,href 属性値はオンラインブックマークサービスでの URI を指し,title 属性値にそのオンラインブックマークサービスの名称が定義すれば良いでしょう.

ちなみに「邪悪マークアップは先進的マークアップか?」では,例にあげているようなトンデモ・マークアップでも許容すべきではないかという文脈のなかで,先に挙げた例がでてきます.「Microformatsと多重マークアップ」の中で出てくる多重マークアップってのは,今回の問題をちゃんと整理するのにとても役に立ちました.

SYNの日記 - microformatsの誤解での話は,やっぱり外していると思う.microformats の話ぢゃなくて HTML 4.01 の話として考えてみたって,同じ事だと思います.

<link rel="onlineBookmark delicious" href="http://del.icio.us/onohiroki"/>

ってのも良くないと思います."delicious" ってのを profile で定義しなくちゃならないから.それなら "delicious" を与えるのは title 属性が良いと思うし,profile を定義しなくても良い class 属性のほうが rel 属性よりはまだ良いと思います.

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rel="Bookmark" のなぞ

HTML+ では REL=BOOKMARK ってのがあったみたい.その時の定義は今の HTML 4.0.1 や XHTML とはちょっと違っていたように見えます.最終的には破棄された規格 HTML 3.0 の検討では HTML 4.01 とほぼ同じ定義がされていました.それは HTML 3.2 の Proposed Recommendation 05-Nov-1996 にもありましたが,HTML 3.2 の勧告では REL=Bookmark が無くなっているみたい.ぼくが HTML の仕様を気にするようになったのは HTML 4.0 以降ですから HTML 3.2 とか HTML+ なんてのは良く知りません.でも HTML 4.0 以降は rel="Bookmark" については,本当に簡単にしか書いてないので良くわからないのですよ.だから古い規格についての文書を見てみたのです.

HTML 3.0 の The Head Element and Related Elements から引用するとこうでした:

REL=Bookmark
Bookmarks are used to provide direct links to key entry points into an extended document. The TITLE attribute may be used to label the bookmark. Several bookmarks may be defined in each document, and provide a means for orienting users in extended documents.

An example of toolbar LINK elements:

    <LINK REL=Previous HREF=doc31.html>
    <LINK REL=Next HREF=doc33.html>
    <LINK REL=Bookmark TITLE="Order Form" HREF=doc56.html>

ここでは用例があるんですね.これを見ると,REL="Bookmark" は,もとの文書と関連のある外部のドキュメントへの URL になっていて,リンク集の URL を指しているわけではないようです.この例では,商品紹介のページから REL=Bookmark で注文フォームのページの URL を指し示めしているようです.

XHTML では次のように定義されています:

Bookmark
Refers to a bookmark. A bookmark is a link to a key entry point within an extended document. The title attribute may be used, for example, to label the bookmark. Note that several bookmarks may be defined in each document.

rel="Bookmark" でリンク集のページを指すのが適当なのは,Web サイトという一連の文書があって,その一連の文書の中の文書の一つとしてリンク集を指す場合でしょう.だから rel="Bookmark" でリンク集も指すのは間違いではないかもしれないけど,リンク集以外をさす事もあります.例えば Weblog の各記事へのリンクは rel="Bookmark" になるという考えがあるようです.一連の文書の中に「しおり/Bookmark」をつけておくということですね.HTML の head 要素の中の link 要素で使う場合,rel="Bookmark" で指すべき URI が複数ある場合は,rel="Bookmark" の link 要素を列記することになります.

だから del.icio.us などのオンラインブックマークを rel="Bookmark" で指すのは,普通にオンラインブックマークを利用しているのであれば,間違いということになりますね.

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8 月 15 日

microformats についての誤解と,ぼくが理解している範囲

microformats って一体なんだ? という問いに対して,XFN などの具体的なものを例にしてこんなものだよって説明するのは簡単だし分かりやすそうです.でもその結果として,
<a href="example.com/">example</a>
って書いていたのを
<a rel="example" href="example.com/">example</a>
って書くようにしたのを microformats だよっていうような,誤解がひろがっているんぢゃないかなって不安になりました.ぼくも良くわかっていないので人に説明するレベルではないと思っているのですが,とりあえずぼくが理解している範囲を整理しておこうかなって思います.つっこみ大歓迎です.

まず RDF を使った Semantic Web っていうものがあります.RDF はとても応用範囲が広く,統一的な方法でいろいろなものを意味付けしていくことができます.HTML 文書は画像ファイルをデータとしたら,そのデータのデータつまりメタデータを RDF で表現して既存の HTML 文書や画像ファイルにメタデータとして意味を付加して行きます.このメタデータは意味をコンピュータが処理できる形で記述するので,例えば検索エンジンでメタデータを利用したら検索は単純な文字列マッチングではなくて,意味を処理した検索ができるようになると...

でも,RDF はいいとして,もっと特定の問題について簡単にできないかなっていう話が出て来ました.HTML 文書と別に RDF を用意するのではなくて HTML でマークアップする時に,文書構造だけでなくちょっとした意味もマークアップできなかなっていう話.順番がどうなっているのか良くわかっていませんが XFN っていうのが出て来ました.はじめは RDF を使った Semantic Web に対して小文字の semantic web と紹介されていた XFN などのアプローチは,後に microformats と呼ばれるようになったようです.

例えば XHTML 文書の中で,友達について話題にする時にその人の名前の部分をハイパーリンクにして
<a href="http://sususmu.cup.com/">すーさん</a>
と記述するのは,今まで普通に行われて来たと思います.友達についてのメタデータとして Semantic Web なら FOAF を使って記述するなどの方法がありますが,もっと簡単にってことで XFN では
<a href="http://sususmu.cup.com/" rel="friend met">すーさん</a>
のように記述します.この方法の利点は以下のようなものがあります:

  • RDF/XML で FOAF を記述のように,HTML 文書とは別の独立した記述をしなくてよい
  • RDF での記述と比べると,非常に簡単に記述できて,記述する量も少ない
  • 記述形式と意味付けをきちんと定義しておけば,メタデータの抽出を自動化できる
  • 従来の HTML の決まりの範囲で記述できる

HTML/XHTML では rel 属性の値はあらかじめ決められたもの以外を使う場合は,profile を用意する事になっています.XFN は人間関係を表現するのが目的で,その profile は http://www.gmpg.org/xfn/11 にあります.そして profile は <head profile="http://www.gmpg.org/xfn/11"> のように head 要素の profile 属性で指定します.XFN の profile は XMDP という profile の記述の規格があって,それにそった記述がされています.

  • rel 属性値の拡張には profile が必要である
  • profile は head 要素の profile 属性で定義する
  • profile で microformats の意味付けを定義する
  • 記述形式を定義する
参考:

それでさらに microformats であるなら,一度「意味付けと記述書式」を決めたら,それが他での使い回す事ができないと意味がありません.限定された問題を解ければ良いとはいっても,特定の問題にしか対応できないほど限定してたら駄目なのです.

で,誤解の例としてはこんなのがあります:

<link rel="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki" />
<a rel="hatenab" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki">僕のブックマーク</a>です

rel 属性値は profile で定義してそこで意味付けをします.上の例では a 要素で rel 属性値 hatenab とある場合は href が指す URI ははてなブックマークであるってことになるのかな? こういう形なら,profile であらゆるオンラインブックマークサービスなどに対応した rel 属性値をあらかじめ決めなくちゃ駄目ですよね.そうではなくてオンラインブックマークサービースだという属性値を定義しないと.だから hatenab でなく bookmark とかね.

ちなみに標準で rel 属性値に Bookmark って定義されていますよね.

[削除 2005-08-17:これは microformats でもなんでもないけど,ふつうに rel="Bookmark" 使ってこれでいいぢゃん:


<link rel="Bookmark" href="http://b.hatena.ne.jp/onohiroki" title="はてなブックマーク" />

]

上の「Web らしく URI で連携する方向」での話題で「<a rel="mixi" href="http://mixi.jp/view_profile.pl?">mixi</a>も使ってるよ。」なんてのは,microformats としての条件を満たしていないと思うっていうのは,つまりそういうことです.profile を定義するということを意識していないから rel 属性値をどうするかというところで間違えるのではないでしょうか.profile を定義することと,その profile が他で応用できるようにするということを考えないとダメだと思うのです.

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8 月 14 日

一つの RDF/XML で Tracback URI と Account 情報を示す

8 月 11 日に Tracback URI を示す RDF と Account 情報を foaf:holdsAccount を用いて示す RDF を一つの RDF/XML として表現する例を示したけど,間違ってました.早速訂正しました.

rdf:Description要素が空要素になっており、それと別にfoaf:maker要素が独立して書かれているので、リソースのURIと作者との関連が外れた状態になっています。rdf:Description要素でfoaf:maker要素を囲うようにした方がよいように思います。

そうそう,ご指摘のとおりです.書く前はそう書こうと思っていたはずなのに,どうしてかあのように書き間違えました.やっぱり W3C RDF Validation Service でグラフを書いて確認するのが基本ですね.

ご指摘ありがとうございました.

で,間違えたところを修正すればこうなります:

<!--
<rdf:RDF
 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
 xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
 xmlns:trackback="http://madskills.com/public/xml/rss/module/trackback/"
 xmlns:foaf="http://xmlns.com/foaf/0.1/">
<rdf:Description rdf:about="http://onohiroki.cycling.jp/"
 trackback:ping="http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/top_page"
 dc:title="おのひろきおんらいん"
 dc:identifier="http://onohiroki.cycling.jp/">
 <foaf:maker rdf:parseType="Resource">
  <foaf:holdsAccount>
   <foaf:OnlineAccount foaf:accountName="onohiroki">
    <foaf:accountServiceHomepage rdf:resource="http://www.hatena.ne.jp/" />
   </foaf:OnlineAccount>
  </foaf:holdsAccount>
 </foaf:maker>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>
-->

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8 月 11 日

電車に乗って,サイクリングにでかけよう

サイクリング.近所を自転車で走ってみてもあらたな発見が毎回あったりして楽しいのですが,やっぱりちょと遠くに出かけるとまた別の楽しさが見つかります.なにも遠くまで自転車で走って行かなくても,電車を利用して目的地まで移動して,そこでサイクリングをするという楽しみもあります.今では鉄道で自分の自転車を運ぶことを「輪行」といいますが,もともとは自転車での旅行が輪行だったとか.それが「鉄道で」って意味になってしまうくらい,サイクリングに鉄道を利用するというのは良いアイディアだったという事でしょう.自転車専門店などで売っている自転車を入れる為の「輪行袋」に自転車を入れればほとんどの鉄道に無料で自転車を持ち込めます.自転車は車輪を外したりして多少は小さくなるように工夫して袋に入れます.これが折りたたみ自転車なら簡単に輪行袋に入れて輪行できるのです.だからぼくは折りたたみ自転車が好きです.

ドイツの鉄道では,自転車をそのまま車両に持ち込めるようになっていました.ちゃんと自転車を置く場所も決められています.列車によってはやっぱり袋に入れて荷物として持ち込まなければならない場合もあるようですが,普通の列車はどこかしらに自転車をそのまま持ち込める車両が用意されていました.

日本でも自転車をそのまま車両に持ち込める場合もあります.多くは「サイクルトレイン」というイベント列車のような形で運営されているようです.しかしながらそれが地方のローカル線だったりして,その近所に住んでいれば良いかもしれませんが,そうでないならそもそもそのローカル線沿線までどうにかして出かけなければなりません.

自宅の最寄りから列車で自然の豊かな場所まで移動して,すてきな場所でサイクリング.それはとても楽しそうです.

そんなことが誰にでもできれば良いのですが.マウンテンバイクを輪行することを覚える? 輪行に便利な折りたたみ自転車を買う? それとも,近所から出発するサイクルトレインのイベントに申し込む?

実は 9 月 10 日に浅草を出発して福島県の南会津まで走る直通列車がサイクルトレインとして運行されます.このサイクリングイベントは 1 泊 2 日のイベントです.レンタルの自転車も用意されているのですが,せっかくだから自分の自転車で出かけたいですよね.

コースは 5 つ用意されていて,上り坂の具合などで難易度に差がつけてあります.普段あまりサイクリングをしていない人なんかは一番距離が短くて,サイクリング以外の楽しみもいろいろ用意される A コースに参加してみると良いでしょう.

この「東京・南会津サイクルトレイン」というイベントは今回で 7 回目.毎年 5 月と 9 月の年 2 回のペースで行われています.毎回楽しみにしているのですが,どうも今回は参加できなさそう...残念です.

以下に事務局からいただいた案内文を再編集/抜粋して転載します:

第7回東京・南会津サイクルトレイン概要:

開催日
2005 年 9 月 10 日(土)〜 11 日(日)
募集定員
120 名(皆様の楽しみ方に合わせて5コースを用意)
参加資格
健康で完走できる方で小学4年生以上
参加費
23,000円〜25,000円(コースにより参加費が違います.)
(浅草駅からの往復乗車券(自転車持ち込み料含む),1泊夕朝昼の3食,大会参加料,保険料などを含む)
その他:レンタルマウンテンバイク(2日間で1,500円),レンタルヘルメット(2日間で500円)
募集締切
9月5日 ※定員になり次第締切り
スケジュール
9/10(土)
集合時間:浅草駅7:00,北千住駅7:20
出発:7:43 浅草駅発,7:55 北千住駅発
9/11(日)
到着:19:56 北千住着,20:15浅草駅着

コース概要:

(A)ブナ林散策・只見のんびりコース(初級,宿泊:只見町)
只見の名水・巨木などや只見湖の自然を楽しみながら走ります.2日目はガイドの案内で恵みの森でのブナ林散策を楽しみます!!
(B)歴史の道(湯野上温泉・大内宿)コース (初中級,宿泊:湯野上温泉)
一面純白な猿楽台のソバ畑や天下の景勝・塔のへつり,江戸時代の宿場の面影を残す大内宿,茅葺屋根の湯野上温泉駅など,南会津の代表的な自然,歴史をめぐるコースです.
(C)舘岩/伊南/南郷・体験コース(初中級,宿泊:湯の花温泉)
変化に飛んだ自然の中を走った後は前沢曲屋集落ではソバ打ち体験したり湯の花温泉では温泉めぐりも楽しめる.2日目は比較的平坦な下りのオンロードを快走.南郷トマトの収穫体験も出来るぞ!
(D)自然満喫・南会津ダイナミックコース(中級,宿泊:田島町)
初日は七ケ岳林道を中心とした南会津の代表的なダートの林道コースを走り,2日目は全舗装路のロングラン!駒止峠から山口温泉,伊南川,舘岩川沿いに前沢曲屋集落に.美味しいお蕎麦の昼食後は旧中山峠を舘岩側から上りダウンヒルを楽しみながら再び会津高原に.
(E)やまみちアドベンチャー ツール・ド・南会津コース(中級,宿泊:未定)
南会津地方を2日間でほぼ一周するプランで,総距離は合計で120kmほど.初日は江戸時代の宿場町がそのまま残る大内宿を通り抜け,会津地方ののどかな農村を走る.2日目は静寂に包まれた金山湖畔を抜け,昭和村から南郷村温泉を目指します.交通量の少ない道の周りには,黄金色に輝く稲穂が揺れ,かやぶき屋根の民家が続く中の走行は,まさに夢見心地!

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はてなの人力検索と投げ銭を連携すべし

いよいよ はてなの「投げ銭」が始まりました.はてなはもともと金銭の代わりに「はてなポイント」ってのを扱う仕組みがあります.はてなの主要なサービスに人力検索サイト はてながあります.質問者が「こんな情報を探しています」と書き込むと,情報を見つけ出すのが得意な人が回答者になって「こっちに情報があったよ」とか「ここを参照してみると良いよ」って教えてくれる.人力検索サイトはてなはそういう場を提供するサービスで,質問する側から回答者に「はてなポイント」を送ってお礼するという仕組みをそなえています.

それとは別にはてなブックマークというサービスでは,おもしろいページや有用なページを書いた人に「はてなポイント」を贈ることができるようになりました.これははてなのサービス以外で書かれたページなどに対しても有効です.例えばぼくのこの記事が良いと思ったら,この記事を はてなブックマークでブックマークするついでに はてなポイントの送信ができるようになりました.このように良いものに対して小額の寄付する仕組みが投げ銭です.

で,要望ですが 人力検索 はてなで回答者が「このページが良いよ」って紹介したときに,質問者から回答者にポイントを送るだけでなく,同時にページを書いた人にもポイントを贈る事ができるようにしてほしいです.もちろん現状のままでも質問者が はてなブックマークを使えばできるのですが,そうではなくて回答者にポイントを送るのと同じように簡単に投げ銭できるような仕組みが整う事を期待します.

あるページの作者に はてなポイントを送るには,そのページの作者の はてな ID が分からなければなりません.そのために はてな ID を HTML の中に埋め込んでおくことになっています.結局 RDF/XML をコメントとして埋め込むことになりました.すでに Trackback URI を示すために RDF/XML をコメントとして埋め込んでいる場合は,それらとまとめて記述することができます.はてな投げ銭はこれでもちゃんと はてな ID を拾うようです.

たとえばこんな感じ:


<!--
<rdf:RDF
 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
 xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
 xmlns:trackback="http://madskills.com/public/xml/rss/module/trackback/"
 xmlns:foaf="http://xmlns.com/foaf/0.1/">
<rdf:Description rdf:about="http://onohiroki.cycling.jp/"
 trackback:ping="http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/top_page"
 dc:title="おのひろきおんらいん"
 dc:identifier="http://onohiroki.cycling.jp/">
 <foaf:maker rdf:parseType="Resource">
  <foaf:holdsAccount>
   <foaf:OnlineAccount foaf:accountName="onohiroki">
    <foaf:accountServiceHomepage rdf:resource="http://www.hatena.ne.jp/" />
   </foaf:OnlineAccount>
  </foaf:holdsAccount>
 </foaf:maker>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>
-->

[以下間違い:
<!--
<rdf:RDF
 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
 xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
 xmlns:trackback="http://madskills.com/public/xml/rss/module/trackback/"
 xmlns:foaf="http://xmlns.com/foaf/0.1/">
<rdf:Description rdf:about="http://onohiroki.cycling.jp/"
 trackback:ping="http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/top_page"
 dc:title="おのひろきおんらいん"
 dc:identifier="http://onohiroki.cycling.jp/" />
 <foaf:maker rdf:parseType="Resource">
  <foaf:holdsAccount>
   <foaf:OnlineAccount foaf:accountName="onohiroki">
    <foaf:accountServiceHomepage rdf:resource="http://www.hatena.ne.jp/" />
   </foaf:OnlineAccount>
  </foaf:holdsAccount>
 </foaf:maker>
</rdf:RDF>
-->]

さて仕組みはできた訳ですが,どのくらい投げ銭が使われるのかなぁ.

関連ページ:

2005-08-12 追記
記事のタイトルを「はてな検索と...」から「はてなの人力検索と...」に変更しました.「はてな検索」だとまた別物なのね...
2005-08-14 追記 2
RDF/XML の記述を間違えていました.
あわてて訂正しました.

http://onohiroki.cycling.jp/tb/tb.cgi/weblog_d20050811n1 TrackBack

しらすさん,間違いご指摘ありがとうございました.

8 月 9 日

ネットワーク上での弱い繋がりによる,なんとなくコミュニティについて

以前はネットワークコミュニティを作るにしても,ある程度の制約があり,気楽にばんばん作るという感じではありませんでした.NIFTY-Serveフォーラムとか会議室とか.それに fj.* とかだって. 制約があったから既存のものがあればそれを使うというのは自然であり,結果としてある程度の大きさに集約していたのではないかと思います.それが Web で CGI を利用した掲示板が利用されるようになったり,無料のメーリングリスト サービスなんかが利用できるようになって,コミュニティを作る際の障壁が小さくなり,より気楽に小さなコミュニティを始めることができるようになりました.もっとも気楽にコミュニティを始める事ができても継続するのはまた別の難しさがあるのですが.

Weblog もしくはブログが流行っていると言われるようになって,発言の場が小さなコミュニティから,個々のページにさらに分散して行ったようにも感じます.Web での掲示板では人が集まらないと成り立た無かったのが,Weblog なら一人でたんたんと続ける事ができて,コメント欄にコメントを書いてもらう事もできます.なにか話題を投げて,それについて反応があったり無かったりだとして,もし Web 掲示板とかメーリングリストであれば,寂しい雰囲気で続けて行くのが辛そうですが,Weblog ならそれが自然な形だし,とりあえず時々更新すればあまり寂しい感じもしませんね.

些細なことを気楽に発言して,ときどき反応も欲しいくらいの気持ちなら,掲示板とかメーリングリストに書き込むよりも Weblog のほうが向いているようにも思います.

こうして,比較的大きな仕組みのコミュニティから小さいコミュニティ,個々の Weblog 間での弱いつながりっていう感じで,はやりが動いているように感じます.

ソーシャル・ネットワーク・サービスってのはなにかというのを考えてみると,日本で人気があるのは mixi ですが,mixi の日記にしても,mixi のコミュニティにしても,個々の間の弱いつながりでなりたっているような感じがします.知人をいろいろ登録してもそれらの知人とのつながりなんてあるかどうかわからず,日記のコメント欄こそが,メンバー間のつながりを確認する仕組みになっているという状態.コミュニティもそもそも大きな仕組みのコミュニティなど期待されていなくて,似たような小さなコミュニティが沢山出来て分散して行く.いや,mixi がソーシャル・ネットワーク・サービスなのかどうかはさておき,mixi ってそういう仕組みとして動いているように見えます.

「個々の Weblog 間での弱いつながり」ってところを思うと,一番それが具現化されているのは,はてなダイアリーなのかなとも思います.はてなダイアリーでは,メンバーは名前やハンドルではなくて,アカウント ID で個々を認識しています.あれははたからみると奇妙な感じですね.はてなアンテナなどで他の人のはてなダイアリーを登録したりして,なんとなく繋がりを感じるけど,はっきりした繋がりが確かめられないような,弱い繋がり.そういう意味で,いろいろなサービスを展開するのに積極的な「はてな」ですが,mixi みたいな形のソーシャル・ネットワーク・サービスを今更やる必要はないのでしょうな.

弱い繋がりを作ったり感じさせたりするツールとして,はてなブックマークはうまく動いているのかも.

更新時刻情報を含んだリンク集である いわゆる「アンテナ」は昔からそういう弱い繋がりを具現化するツールとしての意味もあったと思う.

弱い繋がりを作ったり感じさせたりするツールって,他にはどんなものがあるだろうか.

なんとなく思ったことをつらつら書いてみました.

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8 月 5 日

xsltproc を使って XHTML からメタデータを抽出してみる

XML.com の記事を見ていたら,面白い事が書いてありました.Libxlst を紹介する記事だったんですが,xsltproc で,直接 Web ページや XSLT のスタイルシートをダウンロードしつつ,変換するっていう事.そんな事ができるって知りませんでした.記事の例では Google News のページを得て,それに XSLT を使ってブロックレベルの HTML 要素に固有の id を挿入するっていうデモでした.

xsltproc -html -o gnews.xml http://www.snee.com/xml/xslt/addids.xsl http://news.google.com/news?ned=tus

Windows ではどうだか知らないけど,Mac OS X とか Linux では xsltproc というコマンドが使えるようになっていると思います.さっそく試してみました.これ自分の環境でやってみたら,Google の URI はダブルクォーテーションで囲む必要がありました.

xsltproc -html -o gnews.xml http://www.snee.com/xml/xslt/addids.xsl "http://news.google.com/news?ned=tus"

したら,gnews.xml っていうファイルが生成されました.これは元と比べると id 属性が挿入されて,そこに固有 ID が与えられてました.まぁ変換の内容は XSLT が分かる人はスタイルシートを見れば数行なのですぐに分かると思います.

これ,-html っていうオプションを与えると,入力が整形式 XML でない HTML でも受け入れるってのが面白いですね.それに HTML をいったんダウンロードしなくても,直接 xsltproc で取って来れるって知らなかったですよ.

これを使って XHTML に埋め込まれているメタデータを RDF/XML として抽出するのを試してみました.GRDDL だと,XHTML にメタデータを埋め込み,その XHTML の profile の情報から利用できる XSLT スタイルシートが得られるようになっています.ここでは profile を見て XSLT スタイルシートを見つけるのでは無くて,神崎さんの xh2rdf.xsl を利用します.

xsltproc -o metadata.rdf xh2rdf.xsl http://onohiroki.cycling.jp/2005-08-05-1

これで metadata.rdf というファイル名で RDF/XML が得られます.もっとあちこちで GRDDL が利用されたらおもしろいかな.

参照先:

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8 月 2 日

歯医者に行きました

結局,行くと決めたら妙にそわそわしたので,本日さっそく歯医者に行きました.歯医者なんて何年ぶりだか分かりません.職場の近くの歯医者に行きました.その歯医者は初めてです.

どうして歯医者って,人の口の中にいろいろ突っ込んだ状態で人に話しかけるんでしょうな.しゃべれないって.コンピュータのキーボードを持って来てくれれば返事できるのにって思いました.

詰め物がとれたところは 1 年以上放置していたので,多少茶色くなっているから少し削るって言われました.他は特に問題のあるところはなし.

親知らずは 1 本だけ抜いたことがあり,3 本残っています.昔見てもらった歯医者は,痛んだりしないかぎり特に抜く必要はなく,あごが大きいからちゃんと生えるだろうって言ってました.今日の歯医者は下あごの親知らずは真横になっているから,もし痛んだりしたら大変なことになるなんて言って脅してくれました.もちろん差し迫って抜く必要は無いのですが.痛くないし.

次はまた来週.

で,ヨーロッパ在住の友達に確認したところ,やっぱりまだ美容院には行っていないとか.ぼくの勝ちですな! Skype をおすすめしたので,国際電話でなく Skype で音声チャットになりそうです.

そんなこんな.

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やっぱり歯医者に行かなきゃ

やっぱり歯医者に行かなきゃだめかな.2003 年末に歯の詰め物が取れてしまってから放置してきました.今はまったく痛くありません.痛くないと忘れちゃうんですよ.

昨日,ヨーロッパ在住の友人とチャットをしていたら,まだ歯医者に行っていないのかと突っ込まれました.そういう友人は今年の 2 月に引っ越してから一度も美容院に行っていないとか...
では,歯医者に行くのが早いか,美容院に行くのが早いかで,勝負しようということになりました.勝負するなら賭けなくちゃ.

遠くても、かけられるもの。。。

ってわけで,負けた方が相手に電話することになりました.iChatSkype がある時代に,国際電話かけることになるとは!
いや,万が一にも負けた場合は SkypeOut を利用しよう,そうしよう.

明日.明日こそ歯医者に行こう.

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8 月 1 日

2005 年 7 月のアクセス統計発表

今月のアクセス解析では,6 月よりややアクセスが増えているような傾向でした.一方でトップの welcome ページへのアクセスは減っていました.紫陽花の季節だからか麻綿原高原についての検索が多かったようです.

  • おのひろきおんらいん全体で 337,791 ページビューで,先月の 306,422 ページビューより増加
  • 1 日あたりの訪問数は平均 2,834 で,先月の 2,722 より増加
  • Web サイトのトップの welcome ページは 59,378 ヒットで,先月の 61,721 ヒットより減少
  • 履歴もしくは日誌の RSS は 43,413 ヒットで,先月の 39,763 ヒットより増加

従来は,「履歴もしくは日誌」の特定記事の URI は http://onohiroki.cycling.jp/weblog200508.html?d20050801n1_ という感じでした.長いし .html に ? がついてクエリーが続くという形式.Google でもインデックス化はされていたのですが,あまり良い感じではありませんでした.それで http://onohiroki.cycling.jp/2005-08-01-1 っていう形の URI も有効になるように設定しました.古い形式も生きていますが,今後はより簡素な新しい形式を使って行く事にしたいと思います.Google でもきちんとインデックス化されていて,各記事が個別の HTML として扱われるようになりました.

Weblog 用のツールなどのコンテンツマネジメントシステム (CMS) は使っていなくて,HTML をずらずら書いたファイルを,月ごとに一つのファイルに区切ってアップロードしています.それに SSI を使って各記事を表示させるのを実現していたので,月ごとの HTML ファイルにクエリー文字列を付加した URI になっていたのですが,URI の書き換え設定をして新しい URI の形式が使えるようになりました.

後から思うと http://onohiroki.cycling.jp/2005/08/01/1 っていう形式にすれば良かったなぁって思うのですが,まぁいいや.

新しい形式の URI を採用したのは 7 月 28 日からです.でも Webalizer のアクセスログに載ってないみたい.拡張子が無いからかなぁ.設定間違っている?

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