2006 年 6 月の履歴(もしくは日誌)


2006 年 6 月

6 月 28 日

時が来た : ハンディ GPS 購入計画

自転車に乗る時には,速度や走行距離が表示できる「サイクルコンピュータ」を使わずに,もっぱらハンディ GPS を利用しています.ハンディ GPS は人工衛星を利用して位置情報を得る事ができる持ち歩き可能な小型の機械で,経度緯度の他に,およその速度,走行距離,正確な時刻などが分かります.カーナビゲーションシステムは GPS の応用で,地図データや経路検索などを含んだナビゲーションシステムになっています.ハンディ GPS にも詳細な地図データや簡単なナビゲーションシステムが付いたものが増えて来ました.2000 年の始めからハンディ GPS をサイクリングに利用して来ましたが,新しい機種を検討して先ほど注文しました.

2000 年始めに買ったのは Garmin GPS II Plus というものでした.今から見ればシンプルな機種ですが当時はハンディ GPS としては高級な部類でした.半年くらいして,さらに上位機種のGarmin: GPS III Plus買い替えました.GPS II Plus は,軌跡のデータ(トラックログ)が 1024 点までしか記録できませんでしたが,GPS III Plus では 1,900 点になりました.これで,1 日のサイクリングならほぼ問題なくなりました.また GPS III Plus には簡単な地図を表示する機能もありました.もっとも日本の詳細地図データがなかったのですが,それでも簡単な地図でも便利に使えました.

それから 5 年ほどして,最新の機種ではトラックログが 10,000 点までと増えたりしましたが,GPS III Plus に対して決定的に優位な点はあまり感じられませんでした.

ぼくの ハンディ GPS の利用は,地図ソフトのルート検索を用いて自転車で移動するときのルートを決定し,それを GPS に転送しておいて簡単なナビゲーション走行を行うのと,サイクリングの時の記録をトラックログとして記録することでした.そのような使い方をする限り,GPS III Plus と最近の機種であまり差があるようには思えませんでした.

ぼくは GPS III Plus のデータを Visor Deluxe という小型の簡易なコンピュータ(PDA)に記録できるようにしていました.Visor Deluxe は乾電池で動くので,出先で GPS のデータのバックアップができました.ケーブルは特別に作ってもらったケーブルでした.GPS III Plus と Visoro Deluxe の組み合わせを持ち歩けば,1 週間のサイクリングでも GPS のデータを記録できましたし,さらに出先で過去のサイクリングの記録を Visor Deluxe から GPS III Plus に読み込んだりすることができました.出先で以前走ったのとコースを GPS に読み込んで,同じコースを辿るなんてことができました.

GPS III Plus と Visoro Deluxe の組み合わせを使っていれば,トラックログの容量が 5 倍程度の新機種はそれほど魅力的には感じません.10,000 点まで記録できる新機種でも,1 週間の海外でのサイクリング旅行に出かけたりすれば,ハンディ GPS 単体では,データを全部記録できるかどうか心配しなければなりません.

先日のツール・ド・美ヶ原にも GPS III Plus と Visoro Deluxe の組み合わせを持って行きました.1 日目は,松本駅から大会受付会場と宿のまわりを走っただけでしたが,寝る前にハンディ GPS から Visor Deluxe でデータをバックアップしようとしました.ところが,その日はうまく動きませんでした.Visor Deluxe も販売終了になってかなり時間がたっている古い機械です.ケーブルもかなり酷使してきました.どこが原因だかわかりませんが,以前はうまく以下なった時に Visor Deluxe を予備機に交換したらうまくいったので,Visor Deluxe 側に問題があるのかもしれません.結局,松本での一日目の記録はバックアップできませんでした.

翌日のレース本番,朝から GPS が不調でした.Garmin GPS III Plus はとても頑丈にできていて,とってもひどい扱いをしているのに故障した事がありません.しかし回転できるアンテナの部分がずいぶん摩耗して来ているのと,その部分で積極不良が起こることがあるようです.アンテナを一度外して,また付け直したらうまく動いたので良かったのですが,この日はぼくもそろそろ新しい GPS を買っても良いのではないかと考え始めていました.

9 月にはサイクルオレゴンに参加します.これは 1 週間ほどのサイクリングツアーで,テント泊になります.テントを張る場所は学校の校庭だったりいろいろです.そしてまずコンセントなどありません.ほとんどの荷物はサポートのトラックに乗せてもらうので自分では運びません.そういう条件なので,GPS のデータを管理する為にわざわざ iBook を持って行くという気にはなれません.iBook が壊れないように梱包したら大荷物ですし,バッテリだって数時間しか持たないののですから,GPS のデータのバックアップ以外にはほとんど使えません.そういう条件だから Visor Deluxe による GPS のデータバックアップはとても重要だと考えていました.

では,他のハンディ GPS ユーザは,そのような問題にはどのように解決しているのでしょうか.ちょっと Internet で検索してみても,GPS のデータを小型の機械でバックアップする事について新しい話題を見かけませんでした.

最近のハンディ GPS について調べてみて分かったのですが,最新の Garmin のハンディ GPS には microSD カードスロットがあり,そのメモリカードにトラックログが保存できるようになっているらしいです.

microSD メモリーカードは TransFlash と完全互換の miniSD よりもさらに小さいカードで,現在は 512 MB まで販売されているようです.

最初に microSD メモリカードが使える機種が出た時には,microSD メモリカードに保存できるのは,地図データのみという発表でした.ところが後からファームウェアの更新があり,トラックログも保存できるようになったのです.64 MB 以上のカードが付属するようです.64 MB という容量は地図データを保存するのにはそれほど大きな容量では無いでしょうけど,トラックログを保存するならかなり大きな容量です.128 MB や 512 MB のメモリカードも使えるようなので,もうトラックログの記録に関しては,microSD メモリカードだけでなんの心配も無いみたい.

microSD メモリカードに対応している Garmin のハンディ GPS は次のとおり:

すでに microSD メモリーカードへのトラックログ保存のレポートもいくつかあります:

eTrex Legend Cx と eTrex Vista Cx でもトラックログを GPX 形式で microSD メモリーカードに保存できるそうですから,eTrex Venture Cx でもいけえるのかも.廉価な eTrex Venture Cx がお買い得かも.でも eTrex シリーズは頑丈さの点で,ぼくが使うシリーズではないように感じます.ぼくはひどく乱暴に使うつもりなんです.

と,いうわけで購入を検討したのは GPSMAP 60Cx と GPSMAP 60CSx です.トラックログを GPX 形式で microSD メモリーカードに保存する機能も使えます.どちらも GPS III Plus とおなじくらい頑丈そうですし,USB だけでなく GPS III Plus と同じタイプのシリアルケーブル端子を装備しています.SiRF の高性能チップセット使っていて,Garmin のハンディ GPS の中でも特に性能が良いそうです.GPSMAP 60CSx では電子コンパスと気圧を利用した高度計も装備していて約 1 万円くらいの価格差がありますが,さてどうしたものか.

まぁ,今度買えばまた 5 年くらいは使うかなって思って,高価な GPSMAP 60CSx を Right Stuff さん注文しました.

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6 月 27 日

時が来た : ハンディ GPS を発注

2000 年半ばから Garmin GPS III Plus を使って来ましたが,そろそろ新しいハンディ GPS を購入する時期になったようです.Garmin GPSMAP 60CSx を Right Stuff さんに注文しました.Right Stuff さんは,以前 Visor Deluxe と GPS をつなぐ為のケーブルを作ってもらったところで,ぼくが GPS を扱うショップで一番信頼しているところです.Garmin GPSMAP 60CSx は microSD のメモリカードが使えるようになっていて,そのメモリカードに GPS による位置情報での軌跡データ(トラックログ)を保存できます.

趣深山さんが Right Stuff さんの掲示板に書き込んでいるのを見て,理解したのですが,GPSMAP 60CSx の発表時はメモリーカードは地図データの保存にしか利用されていなかったのが,あとからファームウェアアップデートによって,トラックログもメモリーカードに保存できるようになったようです.

しかもそれが GPX という形式の XML ファイルとなって日付ごとに管理されて保存されるそうです.さらに USB マスストレージクラスに対応するので,ハンディ GPS をコンピュータに USB で接続すれば,USB メモリを接続した時のようにメモりカードの中身にアクセスできるそうな.

それならコンピュータ側は Windows だろうが Mac OS X だろうが,USB ケーブルで接続さえすればトラックログを汎用的な GPX ファイルとして取り出せるわけです.

もう完璧.もう買わない理由はありません.てなわけで注文したのでした.

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ツール・ド・美ケ原自転車レース大会 2006 に参加しました

ここ数年は,毎年のイベントとしてツール・ド・美ケ原に参加しています.この大会は全長 21.6 km ほどのコースがほとんど全て上り坂になるヒルクライムレースです.標高差は 1,270 m ほどになります.凄く速い人は 1 時間くらいでゴールするそうですが,ぼくはまだ 2 時間を切る事ができません.

長野県の自転車イベントではタンデム自転車で参加が可能な事が多く,このツール・ド・美ケ原もタンデム自転車で参加できます.初めて ViewPoint Tandem で申し込んだ時にはマウンテンバイクのカテゴリーに申し込んでくれと言われたのですが,今回はタイヤがマウンテンバイクカテゴリーの規定よりも細いタイヤとドロップハンドルをつけた Tandem Two'sDay での参加なので,一般男子 C クラスで申し込みました.タンデムなので 2 人で走りました.今年は訓子さんが一緒です.

今回はレースの途中でブレーキの再調整というメカトラブルと,ボトルに水を補給するためとの 2 度停車しましたが,基本的には休憩無く走りきりました.

苦しいところでは全力で走っているのに,勾配が緩くなればとたんにサイクリング気分になってしまって,あまり攻めた走りはできませんでした.

訓子さんはツール・ド・美ヶ原に初参加なのでコースの先もわからず体力を温存し過ぎたみたい.ラストスパートの時には無駄に元気でペース配分は失敗だったようです.

タンデムで二人でダンシングで登坂というのは難しいですね.練習しないとできないのだと分かりました.

スタートは 8 時 2 分で,ゴールは 10 時 15 分くらい.公式結果は 2 時間 13 分 5 秒でした.目標は単独で走った時の記録の 2 時間 17 分位を目指しましたが,それよりも良い結果になりました.なぎのさんとのタンデムでの昨年の記録 2 時間 11 分よりは若干遅い結果でした.

訓子さんにとってはレースへの参加が初体験でしたから,それを考えればとても良い結果が出せたと思います.もっともぼくから訓子さんへの事前説明が足りなくて,ペース配分なんかで失敗したのが反省点です.訓子さんのペース配分がよければもっとよい記録が出たのかもしれません.

途中で凄く速いリカンベントに追い抜かれました.リカンベント部門の優勝者は 1 時間 17 分くらいだったとか,すごいなぁ.

登りきってゴールなので,レース終了後に下ることになります.タンデム自転車では下りは十分に注意しないと危険です.今回の下りは,事前にブレーキの調整をしっかりしたことと,ブレーキを温存する走りでスピードが出せるところではスピードを出して走れた事,途中で適当に休憩を入れた事,途中でブレーキを再調整したことなどから,特に不安無く無理なく下ってくる事ができました.なんか Tandem Two'sDay のブレーキ周りの調整がやっと分かって来た気がします.

トラブルは下山の途中で発生.訓子さんがディスクブレーキのロータ(つまりディスクの部分)は熱くなっているかなって思って,素手で触って確認しようとしたのです.指先にロータの模様をしっかり焼き付けました.まだ下り始めであまり高温でもなかったのか,触ったのがちょっとだけだったのか,大した火傷になりませんでした.ディスクブレーキのロータは高温になるので注意しましょう.

とても良い大会でした.また参加したいと思います.訓子さんに走り終わった直後に感想を聞いてみたら,来年また走るってことはまだ考えられないようでした.

これまでの記録:
(mspo.jp のサイトで結果を閲覧するには,登録が必要)

GPSでの記録を「2006 年 6 月 25 日:ツール・ド・美ヶ原」で公開しました.

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6 月 21 日

iPhoto から画像のメタデータを抽出

画像ファイルの Exif を読み込んだりするのはいろいろツールがあるんだけど,画像を沢山登録して題名とかコメント等を付けて整理して,さらにメタデータを XML で取り出すなんてツールはないものでしょうか.

ぼくは Mac OS X 上で iPhoto を使って画像を整理しているので iPhoto からメタデータを書き出したいって考えるのは自然な事.iPhoto では Plug-in を使って機能が拡張できるのですが,iPhoto 上で整理したアルバムをなにかしらに書き出すプラグインもいろいろ出ているようです.

iPhoto がもともと持っている機能として HTML での書き出しや RSS を書き出す Photocast っていう機能があるのですが,それはメタデータを書き出すのが目的ではなくて,公開してしまうのが目的です.ですから,ぼくの本当の目的であるメタデータを書き出して,それを加工してから Web で公開という目的からするとなんか違う.

RDF/XML を書き出すプラグインも公開されているようだけど,ぼくの環境では動きませんでした.おそらく iPhoto 5 までの対応で iPhoto 6 に対応していないのでしょう.

しかたがないから自分でなんか書いてみる事にしました.

今回は Perl で iPhoto のメタデータが格納された AlbumData.xml というファイル名の XML ファイルからデータを抽出することにしました.Mac OS X では,アプリケーションプログラムの設定とかデータが,Property List っていう XML ファイルで書かれているものが多く,iPhoto で整理したアルバムの情報も XML ファイルとして保存されていました.

さっそく CPAN を検索して使えそうなものを探します.Mac::iPhoto ってのがあったけど,すげー動作が遅いです.iPhoto に登録されている画像が多いと,Property List の XML をパースするのに時間がかかっているみたい.

それで Mac::Tie::PList を試してみたら,これは速い.

Mac::Tie::PList をいろいろいじってみたら,iPhoto で整理したアルバムの画像のタイトルやコメントを取得でいることがわかりました.足りないことは Image::ExifTool で Exif を読むことにしました.

RDF/XML への書き出しもなんかツールを使おうと思ったけど,とりあえずツールは特に使わないで書いてみました.Terminal.app からコマンドとして動かして,アルバム一覧の表示をする機能と,アルバムの ID を指定して RDF/XML を書き出すところまではできました.まだもう少しいろいろやりたいところが残ってます.

RDF/XML への書き出しもいいけど,GPX の書き出しもできるようにしようと思っています.

GPSPhotoLinkerハンディ GPS のトラックログ(軌跡情報)から画像ファイルに位置情報を埋め込んでおいて,iPhoto で整理した後で GPX に書き出すわけです.したら Google Map API を使って,画像と地図とを関連づけることが既存のものを利用して簡単にできそうです.

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6 月 12 日

RDF と microformats とセマンティックウェブ

神崎さんの「Dublin CoreのRDFモデル新仕様案」を紹介する記事について.dc:creator の値がリテラルではおかしい...って話は分かるし,foaf:Person を値にするっては,これまでも RDF では使われていただろうから,それはそれでもいいんぢゃないかと感じましたが.

dc:subject も,すでにいろいろ使われていますが,いまひとつ使い方がはっきりしないようにぼくは感じていたのですが,キーワードが直接書けなくなれば,もっと考えた使い方をしなければならないわけで,そのへんが整備されちゃえば,かえって分かりやすくなるかもしれないと期待してしまいます.

でも,dc:description で目的語にリテラルが使えないのはどうかなぁ.

他の語彙でも,同じように仕様が見直されたら,かなり大変なことになりそうです.どうなんでしょう.

実はぼくがおもしろいと思ったのは,はてなブックマークのコメント:

miyagawa さんの,もう全部microformats でかいてツールで自動変換させりゃいいような という意見はもっともですね.人間が記述する部分は microformats とかで,あまり細かいことまで気にしないで記述できるようにして,そこからメタデータを抽出して RDF に変換するなら,その変換の時に仕様に忠実に変換すれば良くて,そうであれば仕様はきっちりとしていれば,人間が記述するのに面倒だとしても,通常は人間が手で書くものではないから問題無しと.

いっぽうでkoyhoge さんの,やりすぎるとみなmicrofotmatsに逃げてしまいそう ってのは,ぼくには良くわかりません.RDF か microfotmats かっていう対立するようなものではないとぼくは理解しているのですが違うのでしょうか.もっとも RDF なんか無い世界でも microfotmats って成立するのでしょうから,RDF がまったく使われなくなって,メタデータは microfotmats だけっていう世界になってしまぞって話なのかな.

microfotmats だけって世界も,ちょっとさびしい気がします.

そうそう,RDF といえば先日の CNET Japan の記事が面白かったです.

この記事で Tim Berners-Lee 氏の言葉として以下のようにありました:

Berners-Lee氏は、「クエリ言語のSPARQLが候補勧告フェーズに入り、インプリメント準備が整った。SPARQLがないとスタックは完全に未完成だった。だが突然、『データ言語だけでクエリ言語のないリレーショナルデータベースを売ろうという、とんでもないことをしていた』ことに気付いた」と説明した。

引用終わり

今までは,メタデータをどう表現するかとかっていう話が主だったのが,SparQL でどう利用するかって話に重点が移って行くのかもしれませんね.今後どんなことが起こるのか楽しみです.

特に問題提起も落ちもなく...

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6 月 11 日

都電荒川線でのサイクルパス実験について

先日の都電荒川線でのサイクルパス実験の事が,東京新聞の記事になってました.ぼくは新聞は見なかったのですが,友達が記事を見たと教えてくれました.探してみると,Web でも記事が参照できました.

また,参加者の Weblog もありました:

写真も紹介されています.当日の楽しい雰囲気を思い出します.

さて,5 月 29 日に書いた「都電荒川線サイクルパス実験とカンファレンスに参加して」にトラックバックをもらいました:

曰く:

試みとしては良いと思うんですが、路面電車でやるのは賛成できません。てか反対です。なぜなら、路面電車は車(自転車・バイク含む)を使わない人の市街地での移動手段としてあると思うからです。もちろん、郊外電車での導入は大いにやって欲しいです。

引用終わり

ここで書き手の maksim727 さんが言っているのは,路面電車で実験をやるのが反対なのではなくて,路面電車にサイクルパス,つまり自転車をそのまま持ち込めるようにするのが反対ってことなんでしょうな.

アムステルダムのトラムを引き合いに出していたりするけど,いろいろ条件が違うだろうからなぁ.

ぼくの印象としても,都電荒川線にサイクルパスを導入するのは,現状の車両では車内空間の綿で無理があるし,十数キロの路線に導入してどれだけ効果があるのかも疑問です.しかし,実験では都市交通の中で路面電車の利用と自転車の利用の相乗効果という視点があって,荒川線でどうかということを論議しても,実験の主旨とはちょっとちがうのではないでしょうか.
いや,ぼくも実験の主旨を良くわかっていないのかもしれないけど.

ぼくが見て来たドイツでは,路面電車とローカル鉄道と長距離の鉄道とでの役割分担があるようでした.ローカルの鉄道ではそのまま自転車が持ち込めて,長距離の特急では折り畳んで袋に入れる必要がある場合もあるようでした.ドイツの鉄道では改札もないし,比較的簡単に車内までもちこめるように感じました.都電荒川線では,改札がなくて,車内へもちこむまでの容易さという点では,ドイツの鉄道の状況よりもさらに良いように感じました.

東京都市交通をどうするか.地下鉄は大江戸線がとても深いところにあるのを見ると,さらに新しい地下鉄っていうのは難しいのではないでしょうか.自動車の為の道路整備はとてもやっているように見えますが,これ以上自動車に依存する方向でいいのでしょうか.

自転車の利用方法を見直すというのもひとつでしょうけど,路面電車って実はなかなかすばらしいのではないかと今回の実験で感じました.

例えば東京の環状 8 号線とか 7 号線なんかで路面電車が運行されて,自転車が持ち込めるようになるとそれは便利でしょう.東京では川沿いのサイクリングロードってかなり整備されていますが,それらを結ぶサイクリングロードってないんですよね.東京の環状 8 号線か 7 号線に沿って自転車を気楽に持ち込める公共交通機関があったら,かなり魅力的に思えます.

将来,あらたな都市の公共交通機関を考える事になったときに,自転車と路面電車っていう組み合わせの効果を考えてみると面白いでしょう.既存の路面電車に自転車と考えれば無理があるのですが,自転車との組み合わせも前提としてあらたに考えればまた違ってくるでしょうね.

そうそう,maksim727 さんは自身の記事のコメント欄で「貸切電車でやったなら納得です」って書いているけど,あなたがトラックバックを送った先であるぼくの記事には貸し切りって書いてあるでしょ.読んでも無い記事にトラックバック送ってる?

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LoadMyTracks で簡単に GPX と KML の変換を

先日,ガニメアンさんにお会いした時に,Google Earthハンディ GPS の軌跡データを取り込むと面白いですよって紹介して,ぼくの iBook で Google Earth を動かしてデモしました.Windows 版の Google Earth は直接 GPX 形式のファイルが読み込めますが,Mac OS X 版は GPX を直接扱えなくて Google Earth 用の KML 形式のファイルに変換する必要があります.

GPX から KML への変換は GPSBabel を使うのが簡単ですが,GPSBabel は基本的には GUI ではなくてコマンドを打って操作するようなものなので,そもそもそういうソフトをインストールしたり利用するのが簡単ではないという話もあります.

ぼくが以前紹介した「Mac OS X での GPX ファイルから KML ファイルへの変換」は GPSBabel を利用するので適切な方法で適切な場所に GPSBable をインストールする必要があります.

ガニメアンさんは,この GPSBabel のインストールでつまずいてしまったようです.

その後で調べてみると,Mac OS X 用には LoadMyTracks というソフトがあって,これが GPX と KML の相互の変換に対応しています.Garmin GPS とのデータのやりとりもできます.Mac OS X ではこれを利用するのが一番簡単かも.

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